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友だち同士から国際政治まで,互いに異なる人たちがどうしたら一緒に暮らしていけるのか.各地で頻発するテロ事件,英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生,そして日本社会や東アジアの行方.変わりゆく世界のなかで,政治の根本を考え抜く5つの講義.
「人と一緒にいる」のは素晴らしいことであると同時に,時としてつらいことでもあります.自分とまったく同じ人間は,世界のどこにもいません.当然,人と人には,いつも「違い」があります.「違い」があるからこそ,人と一緒にいることはおもしろいし,楽しいけれど,時には対立が起き,すれ違いが生じます.講義では,このような基本的感覚からスタートして,「政治」というものを考えてみようとしました.(「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
日本学術会議で菅首相が任命拒否した6人の中にお名前を拝見し、初めて知りました。中学生や高校生を相手にされた講義を元に編まれた本ということで、読みやすいかなと思って読み始めました。
政治を「人と一緒にいること」という視点で話し、とても親しみやすかった。
また、ルソー、カント、ヘーゲルといった哲学者を「ザ・政治経済の教科書」ではなく、血の通った人間として語り、なぜそういう思想に至ったのかまで丁寧になぞってくれて、理解が深まりました。
民主主義イコール多数決でもないし、民主主義も多数決も、絶対のものでもない。思考停止して受け入れるのではなく、考えるところから始めよう。
また最後にプラグマティズムの話も良かった。
習慣が変われば人格が変わり、人格が変われば運命が変わる、というやつですが、その先があって、自分一人が変わることから、うまくいけばみんなが変わる。みんなを変えれば社会が変わる、と「小さなことでも何かやってみようよ」というメッセージとして受けとりました。
Posted by ブクログ
ここ最近読んだ政治の本でいちばんの当たりでした。お笑い芸人のたかまつななちゃんの「政治の絵本」は政治の仕組みに特化した良本でしたが、こちらの本は、もっと根本的な、感覚的な疑問や問いから「民主主義とは何だろうね?」「政治って何だろうか?」と女子中高生の実感覚を大切にしながら理解を進めていっています。
ここの大きなテーマでもあり、根源的な出発点でもある「人と一緒にいること」から、それぞれの分野で社会を良くしていくという志や希望、方法、考え方、視点の基礎を教えてくれます。
この本の中では中高生が出てきます。やはり話のレベルは高校生の方が高いです。発達段階や知識経験の量からくる違いの差が大きいですが、裏を返せば早い段階で高い教育を受ければ、発達とともにさらに高度な力を育てることができます。きっとこの時、中学生だった子は同じ高校生になった時、当時の高校生よりも数段高い視座から物事を捉えているはずです。
教育という大きなベース(基礎)は、多くの分野の出発点のような気がしています。それを持って、それぞれの得意な分野、好きな分野でそれを伸ばしていき、それぞれ分野で「もっとよい社会を創り出そう」という目的があれば、勝手に世の中は良くなっていく。ということがたぶんこの本の言いたいことだと思います。
この講義を受けた子どもたちが、いつか各分野のトップになると想像した時、出版分野のトップ・政治分野のトップ・金融分野のトップまで・環境分野のトップなどから大きなうねりを生み出すはずです。そういった意味で「教育は百年の計」といわれているゆえんだと感じます。どんな教育を実現していくかは永遠のテーマですが、教育に携わる人(親も含まれます)はそれをよく自覚して、常に心の奥底に置いておく必要がありますね。
Posted by ブクログ
社会人になった今学校に通いたい。勉強したい。
そう思わされる本です。
現在の日本社会の仕組み、政治のこと、世界の動き…
社会人になってからニュースがものすごく気になるようになりました。
学生時代はあくまで座学にすぎなかった。勉強してることと生活を重ね合わせることなく、勉強は勉強。受験のためのもの。
大人になってから、ふとしたときに枕草子の一節を思い出したり、お吸い物の塩分濃度が気になったり。
こういうことかぁ。生きていくために学校に行っていたんだな、って、やっと分かった。
私は今の生活、日本の社会保障の仕組み、税金の使い方、政治に納得してない。もっと良いやり方があるはずだって思う。でもどんなやり方がいいか分からないから、こうやって本を読む。
色んな人の意見を聞く。人の意見を聞くと自分の意見も生まれる。賛成か反対か、なぜそう思うか。
文句はあるけど自分では何もできない。できないけど、もっと良くしたいって、考えることはやめたくない。自分と大切な人の幸せのために。
Posted by ブクログ
本書の元になったのは、東京都豊島区にある豊島岡女子学園中・高において行われた全5回の講義。
豊島岡女子学園といえば、近年桜蔭に次ぐ東大進学者数を誇り、超進学私立女子校として名を馳せている。
賢いお嬢様方に向けての講義は、賢くないけれどそれなりの年月を生きてきたオバさんにも分かりやすく、政治というモノの見方を変えてくれた。
遠い昔、社会科の授業で歴史や地理の分野は好きだったが、公民だけはピンとこず、サンケンブンリツ…権力が分けられていることすらイメージできなかった。
それは、歴史や地理は自分と地続きであるが、選挙権もない保護下に置かれた子どもには、公民が自分とつながっているモノであるという認識がなかった故だろうか。
このような考え方があれば、小中学生にも公民に興味を持ってもらえるのではないだろうか。
この講義の中で、「政治とは人といることだ」と宇野さんは伝えている。それぞれ意見も個性も違う人々が、どのようにしたら共に幸せに暮らすことができるのか…を考えることで、いわゆる政治家だけに委ねられてられているものではない、と述べている。
そして、時代の急速な流れと共に、多数決民主主義の限界がきていることも宇野さんは伝えている。
多数決に変わる制度にはどんな形があるか、という話はとても興味深かった。
最後に5回の講義を振り返るまとめの章もあり、巻末には生徒の代表(中3〜高2)との座談会も収録されている。
豊島岡女子の生徒さん達は流石!な鋭い洞察力と表現力をもっている。どうか、社会に出てもこの鋭敏さが奪われることのないように願う。が、それは杞憂に過ぎず、これからの世代はガラスの天井を打ち砕いていくのかもしれない。
以下は内容盛り沢山なので、忘れないための読書メモ。
●ルソー、カント、ヘーゲル三人の政治哲学者の思想の違い。
●伊藤穰一…アメリカで活躍するオピニオンリーダー
「9プリンシプルズー加速する未来で勝ち残るために」
ジェフ・ハウと共著/早川書房
これからは「強さ」ではなく「しなやかさ」の時代。国は軍事力や経済力を強化し、個人も能力や資格を身につ強くならねばならないと言われてきたが、いくら力をつけても人間は必ず失敗する生き物。
これからは強さよりも、失敗から立ち直り、学び、成長していくレジリエンス(回復力)が重要。
また、「押す」のではなく、「引く」時代。全てもち抱える者から指示を押し付ける時代は過去の物となり、外の「弱いつながり」のネットワークから必要に応じて引き出してくる。
●多数決民主主義に限界がきている…そもそも民主主義と多数決には矛盾がある。
かのウィンストン・チャーチルは、「民主主義は最悪の政治だ、ただしこれまで存在した民主主義以外のすべての政治体制を除けば」と述べ、民主主義をけっして完璧であると思っていなかった。
また「頭をかち割る代わりに、頭数を数える制度」とも言い、「人の頭数を数えて」多数派の意見を採用するのがいいとは限らないけれど、殺し合いになって「人の頭をかち割る」のよりはマシだろうと民主主義を評価した。
●ボルダ・ルールという決め方
「多数決を疑うー社会的選択理論とは何か」岩波新書
坂井豊貴/著
多数決はたくさんある「決め方」の一つに過ぎず、それも最善のものではない。その理由は多数決という仕組みが、候補が三人以上いるときに変な結果を導いてしまう点にある。
アメリカ大統領選の例。
三人の候補がいる場合、一位に3点、二位に2点、三位に1点という点数をつけるのが、ボルダ・ルール。数学者ジャン=シャルル・ド・ボルダの名前にちなんでつけられた。
候補者X、Y、Zの例題。
2020.1.25
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