宇野重規のレビュー一覧

  • 民主主義とは何か

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    チャーチル曰く「民主主義は最悪の政治形態(ただし、、、が付くが)」。民主主義がまともに機能している国なんか今やどこにもなさそうだし、民主主義なんて絵に描いた餅で、永久機関と一緒で実現不可能なんじゃね、と思ってた時に、答が載ってないかと思い購入。いろいろ勉強にはなったが、納得できる答は載ってなかった。不完全な人間にとって、民主主義は難し過ぎるんだなと再認識。いまや「民主主義=多数決=多数派の専制」みたいになってるし。宇野先生は人間の可能性を信じてらっしゃるようですが、昨今の状況を見ると、とてもそんな楽観的にはなれません。

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    2023年07月24日
  • 日本の保守とリベラル 思考の座標軸を立て直す

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    6.7 アメリカの影響、ヨーロッパの状況
    10 保守主義とリベラリズムの定義

    26 保守主義は伝統主義や復古主義とは異なる
    37鳥尾小弥太
    44重臣リベラリズム(西園寺公望、牧野伸顕)→戦後保守主義(吉田茂)
    49 結成された自民党は自由主義的なハト派から国家主義的なタカ派まで幅広い政治的立場
    50 国家主導の統制経済や計画経済の日本民主党

    61 スペインから生まれたリベラリズム(フランスのナポレオンによる侵攻に対する抵抗)
    62 日本独自のコンテクスト
    68 コンスタンのルソー批判
    76 石橋の経済的リベラリズム
    95 憲法をめぐる立場

    102 福沢諭吉の訳語

    124 国家のエゴイズム
    126 福田恆存の近代の個の自覚

    132 丸山眞男の主体像
    139 懸賞論文
    154 ナショナリズム
    159 交通

    194 産業社会論


    237 経済成長までの日本保守は追いつき型近代化で欧米の導入をし続けたにすぎない

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    2023年04月21日
  • 自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義

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    貧困、出産、育児などの社会課題を自らの経験から解決策を生み出し、自治体レベルで取り組んでいる人たちとのインタビュー対談。多くは成果まではまだいっていない段階の活動だけれども、いろいろなきっかけを知るのは面白い。

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    2023年02月06日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    学術会議問題について、学術会議側からの意見。率直な当時の感想としては、政府の発表が中身がなさすぎるのと、また他方批判側の論点もあまりに日本的リベラルすぎて、薄い内容が引き延ばされただけの情報が続き、何が何やらというのが正直な印象でした。
    ふとこの本を手に取る機会があり読んでみたのですが、全く状況は変わりませんでした。

    中で繰り返し主張されていたように違法なら、行政訴訟をすればいいのではないかという素朴な疑問もありましたが、政府が説明しなすぎるのは肯定されないとも確かに思いました(それっぽい理由ぐらい考えればいいのに、と)。個人的にはメディア露出する活動的な人文系のアカデミアは政治活動に傾倒しすぎていると思っており、利権の闘いという想像をしてしまいました。
    個人的には金銭的な流れについて権威(政府、アカデミア、メディアなど)をもっとオープンにしてほしいと改めて思います。
    また、学術会議の説明のところで、戦争に加担したアカデミアの反省から、技術の軍事利用に反対するために、みたいな説明は、個人発信できる世の中に結論ありきの専門バラバラの問題が起こるまでほとんど知らなかった組織が経費を投じられる価値があるのか、個人的には疑問に思いました。
    各所で権威を使いすぎて権威なき権威が溢れる昨今、信頼を渇望して決断主義に陥っている人が多くいるようにSNSを見ていると思います。

    人文がメディアにおける自然科学の記事の監修をすべきだ、みたいな主張を見た時は笑ってしまった。

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    2022年12月07日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

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    江戸・明治の身分社会や家制度がなくなり、令和の現在、ネットが普及し「個」が尊重されるようになった。その中で社会とその社会をつくる「個」とのかかわりについて考察する本。
    福祉の充実を求めながら、税負担は許容できない、という調査結果について、著者は行政・政治不信と分析しているが、私は「個」は認めてほしいが、その「個」が「社会」をつくる負担を負いたくないという無責任さの表れと感じる。
    自身の「個」は「社会に」不平等に扱われるべきではない尊重してほしい、が、自分が所属する「社会」が曖昧になったことで、「社会」に対して自分が担っている意識が少なくなり、かわりに「社会=自分より上の誰か、政治家や行政や上級国民」がつくっており、そこから少しでも阻害されたら、「自分より上の誰か」の責任にしたい、という感覚があるのでは。

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    2022年11月07日
  • 自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義

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    ネタバレ

    ユーザーセンタード
     まず、一人の人が喜ぶ場面 次に複数の人に当てはめる
    花王
     多くの人をリサーチし、
     八割の人がほしいと思っているものを作る会社
     
    統計=民主主義の基盤
       議論の土台が階級のどこにあるのか確認

    垂れ流し系
     常時接続で多様な情報に耳を傾けさせる

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    2022年10月27日
  • 自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義

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    自分たちでこの町をよくしていくんだ、そのために自分もなにがしかの貢献をするんだ

    自分たちのことは自分たちで決めたい、変えていきたい

    オープンガバナンス、民主主義を日常生活の中で肩肘張らずに実践していく、ことをCOGというコンテストで評価している

    オープンガバナンスという考え方は、アメリカのオバマ政権が基らしい。

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    2022年08月25日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    学術会議新会員の任命拒否問題。単なる驕った政権の思いつきではなく、発足当初から狙われていたこと、理解できた。ただ、一般の人たちに理解してもらうことを放棄したかのような難しい論文ばかり…ウーン。

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    2022年08月16日
  • 民主主義とは何か

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    『民主主義とは何か』

    今の日本で、我々に何ができるのか…
    我々は何をすべきなのか…

    考えさせられた。

    政治が悪い、政治家が悪い、誰かが悪いではない。
    今の日本の体制・システムを簡単に変えることはできない。
    今、我々にできることをやること。

    参加し、責任を持つこと。

    今の政治を選んだのは、我々。
    その結果の責任は我々にある。

    自分たちの問題は自分たちで解決する。
    その責任は自分たちにある。

    それが民主主義なのではないだろうか。

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    2022年07月24日
  • 〈私〉時代のデモクラシー

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    democracyは私ではなく、私たちの力によるもの
    市場化、民営化、選択制→行き過ぎれば社会を無意味化する、私たちの力で社会を変えることが不可能に

    P.4 ブレジンスキーの発言

    平等社会の個人にとっての「多数の暴政」問題
    苅谷剛彦 
    「閉じた共同体的空間」内部における差異、外は奇妙な無関心さ
    努力の平等主義⇔結果の平等

    日本
    「小さな福祉国家」にして「大きな土建国家」、その下の「仕切られた生活保障」
    平等意識と時間感覚「いま・この瞬間」
    佐藤俊樹 戦後の不平等感の消失
    →不平等に敏感

    2
    ウルリッヒ・ベック「社会的不平等の個人化」
    ロベール・カステル「負の個人主義」

    社会問題の心理化→公共的課題が個人で処理しなければならなくなり負担を強いられ、その状況が受容される

    テイラー
    「自分自身に忠実」は自由なわけではない
    問いの地平→自己定義、探究

    社会
    ラテン語「ソキエタス・キウィリス」
    古代ギリシア語「ポリティケ・コイノニア」
    →ポリス的共同体

    アダム・スミスらのスコットランド
    「civil society 市民社会」
    ↑ヘーゲル「欲望の体系」

    ピーター・ドラッカー
    機能する社会の必要性

    ピエール・ブルデュー
    文化資本の世代的継承による階級構造の再生産
    希望の分配のメカニズム

    エルンスト・ブロッホ
    希望は「まだない」=宗教的希望の変種

    【私時代のdemocracyの課題】
    答えのない時代を受け入れ、自律・自己反省の契機とすること
    自己完結的な安定性でなく、自己批判と自己変革を目指すこと
    必要な他者を見出し、ともに議論し続けるための場をつくり続けること

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    2022年05月26日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    新聞等で一時期賑わせたが、結局なんだったのか?理解していなくて読んでみた。任命拒否された側の本、その当人達も執筆している。そのため偏りのある意見が書かれている事は容易に想像できた。人文系の文は自分には読みにくくスッと頭に入らない。とにかく任命拒否は法律違反がベースにある。過去の歴史事例を引き合いに出し議論がなさている。
    全体的にもっと簡潔に説明出来ないものだろうか?と思う。


    学術会議自体が具体的に何をしているのか?そもそも任命拒否された人がいたために国民がデメリットを被ったのか?その辺が追加で知りたい。

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    2022年05月13日
  • 未来をはじめる

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    言葉が噛み砕かれていてわかりやすく、講義を聞いているような感覚で読み進めることができる。

    ルソーなどの古典から最新の学説まで初学者にもわかりやすいように解説し、考えさせる手法は面白く、参考になった。「政治」という概念をいかに広げ、身近なものに感じさせるかということを意識していることが伝わる。学説や制度を深堀りする感じではなく、広く浅く勉強するには良い本◎

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    2022年04月09日
  • 民主主義とは何か

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    以下、引用

    ●これらのことは、現代に通じる重要なメッセージといえるでしょう。個人が経済的・社会的に隷属した状態では、どれだけ公共的議論による政治が存在しても不十分です。人々が実質的に議論に参加できる状態をつくり出す必要があるからです。人々の経済的・社会的解放なくして民主主義はありえないのです。
    ●民主主義が参加と責任の両方の契機から成り立つことは、現代においてもあらためて重要な意義をもってくるのではないでしょうか。
    ●自由な民主主義社会をつくるためには、日常的なレベルで人と協力する練習をしておいた方がいい。今日なお傾聴に値するトクヴィルの教えではないでしょうか。
    ●このような状況において残された選択肢は何だったのでしょうか。 ウェーバーによれば、第一の道は「指導者民主主義」です。ウェーバーは人々を魅きつける天賦の資質をカリスマと呼びましたが、いわばカリスマをもった 政治的指導者が、国民の直接選挙で選ばれることに期待したわけです。もちろん、そのようなカリスマ的指導者の下で、人民が単にその追随者となってしまう危険性はあります。が、 第2の選択肢、すなわち「指導者なき民主主義」によって、使命感のない職業政治家による単なる利害調整がダラダラ続くよりはましだとウェーバーは考えました。結果としてウェーバーの提言に基づき、新生ドイツの大統領は強大な権限をもつようになりました。が、 それは議会制との間に矛盾をもつ、「人民投票的」大統領でした。通常の行政は議会の多数派によって構成される内閣が行いますが、その一方で、緊急事態発生時には国民の権利を停止できる強大な大統領が存在することは、ヴァイマル(ワイマール)の政治体制を矛盾にみちたものにしました。ウェーバーはナチスの時代をみることなくこの世を去りました 。政治的・経済的・ 社会的混乱の続くなか、ウェーバーは、存在感を大きくする執行権を使いこなすリーダーシップをもった大統領を提案せざるをえなかったのです。そのようなウェーバーの苦悩は、現代の私たちにとっても、考えるべき重要な素材を提供しているように思われます 。
    ●シュミットのように極端なかたちで自由主義と民主主義を区別するのではないとしても、両者の間に緊張があることを前提に、どうすれば自由を否定すること無く、民主主義を十全に実現できるか、という問題は私たちに残されています。同様に、もし議会主義が十分に機能を果たさないとき、いかに執行権を民主的に統制するのかという問題も私たちに委ねられています。シュミットが残した思い宿題です。
    ●このような投票率、および代議制民主主義への信頼の低下の背景にあるものは複雑であり、ここで本格的に分析することはできません。いずれにせよ、戦後日本の民主的政治体制の有効性について、根本的な疑念が拡大していることは間違いないでしょう。日本の民主主義が危機的状況にあることは明らかです。その一方、日本の民主主義の歴史を振り返れば、深刻化する社会の諸課題に対し、政治が有効に対応し切れないとき、不満が蓄積すると同時に、新たな民主主義への胎動が加速してきたことが分かります。既成の代議制民主主義の回路が機能不全を起こす時、「横議」と「横行」への模索が再び始まるかもしれません。人々は勝手に議論を交わし、組織や国境を越えた結果を求めるでしょう。そこに新たな「公論」の可能性を見出したとき、事態が大きく動き始めるはずです。今や旧来の価値観が大きく崩れ、それがまだどれだけ微かなものであれ、「不思議な明るさ」 がみえ始めているのかもしれません。その薄明かりのなかに、新たな民主主義の姿を見定めるべきです。
    ●その上で、民主主義がいまだ制度化の途上にあることについても、指摘しておかなければなりません。民主主義には2500年を超える歴史があると言いましたが、古代ギリシアを別にすれば、近代において民主主義の具体的な制度化が進んだのは、この2世紀にすぎません。その制度が完成したものであるとは到底いえず、むしろ今後も試行錯誤によって制度を充実させていく必要があります。一方において、政党や政治家、あるいは代議制民主主義一般に対する不審が現在募っています。民主主義といいつつ、現実には国民の声は政治に十分反映されることがなく、職業政治家を中心とする一部の人々が密室で決定しているのではないか。社会の多様な利害を反映するとされる政党も、現実にはそれほどの多様性がなく政党の一体性を支える共通の原理など存在しないのではないか。このような疑いがポピュリズムの温床となっていることは明らかです。(中略)他方、執行権が強化されるなかで、政党や議会はそれを十分にチェックすることができず、民主主義の力が十分に及ばなくなっている点も深刻です。(中略)情報の公開、オープンデータ化を進め、市民が自ら政策提案を行うことも、執行権中心の時代に民主主義を前進させるための大きな手段です。市民は立法権を媒介とすることなしに、より直接的に執行権に対しアイデアを寄せ、同時にその活動をチェックすべきなのです。

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    2022年03月06日
  • 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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    ・保守主義の思想は、楽天的な進歩主義を批判するものとして生まれ、発展してきた。
     →進歩の理念が失われるにつれ、保守主義も位置付けが揺らぐ
    ・バークの保守主義
    →社会や政治の民主化を前提にしつつ、秩序ある漸進的な変革を目指す 自由を守る
    ①保守すべきは、具体的な制度や慣習
    ②そのような制度や習慣は歴史の中で培われたもの
    ③大切なのは自由を守ること
     →フランス革命には反対(抽象的な理念に基づいて社会の全面的な改造を試みるもの 革命)
    ・ハイエク
    →保守主義は未来に向けてのアクセルに欠ける。自由主義は変化を歓迎する。保守主義もまた人間の理性への過信を批判するが、あくまで階層秩序を好む。自由主義はエリートの存在は否定しないが、予め決定することはない。
    社会主義を集産主義として批判
    法による支配を重視(一般法)
    ・アメリカの特徴 ー 宗教と反知性主義
    →9割以上が神、普遍的な霊魂の存在を信じる
     福音派 世俗化、個人化した現代社会への反発
    →反エリート主義へ反発
    →市場化や民営化、その根底にある小さな政府への強い思考がアメリカ保守主義の特徴。背景にあるのは根強い草の根的な個人主義や反政府感情
    ・日本の保守主義
    →真の保守主義は根付いていない?敗戦と占領という経験が困難にしている。状況主義的保守⇔押し付け憲法
    →戦後経験の思想的反省が求められる
    ・リベラルとの対立
    →グループ、国家を超えたより開かれた平等公正
     ⇔自分たちの仲間の平等や公正
    今後の保守主義
    →何かを守ることについて再考
     自分が守らなければ失われてしまう何か 使命感
      家族、仲間、地域m、文化、技能、自然

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    2021年11月06日
  • トクヴィル 平等と不平等の理論家

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    トクヴィル専門家によるトクヴィル研究書。内容は理解できるのだが、トクヴィルの素人からするとその人物像や考え方がはっきり見えてこない。もともとそのような理解しづらい人物かもしれないが、トクヴィルがいかに偉大かは理解できなかった。また、最後に現代的な意義について述べているが、インターネットやSNSで自由に意見を述べられる時代が、トクヴィルの予言する自由で平等の社会にあたるとの意見はこじつけに思う。封建制、貴族制、自由と民主主義の時代や社会主義や資本主義が複雑に絡み合う中で時代は進んでおり、今までとは違う新たな理論が適応される時代が次々やってきてるわけで、自らの研究対象と現在を結びつけようとする他分野専門家と同様の安易な考えと言えよう。

    「カール・マルクスが階級闘争を軸に歴史の展開を読み解き、マックス・ウェーバーが「合理化」という概念を用いて近代という時代を説明したように、トクヴィルは「デモクラシー」によって、歴史の変化を意味づけ、近代社会の特質を描き出している」p17
    「共和制とは元来、世襲の君主のいない政治体制を指す。したがって、世襲の君主さえいなければ、貴族制でも民主制でも共和制ということになる」p51
    「共和制は公共の利益のための政治であるが、そのことは、多数者自身による政治、すなわち民主制とは区別されるべきであり、むしろ真に公共の利益を実現するためにも優れた少数者による指導を必要とする、という含意を持つことになった」p52
    「不平等が支配的な社会においては、誰も不平等に文句を言わないのに、より平等が発展した社会においては、人は残された不平等について、それがどれだけ些細なものであったとしても不満を持つ」p70
    「人々にとって、かつて自分たちから遠いところにいると思われた貴族たちは、今では比較を絶する存在ではない。そうだとすれば、彼らの持つ特権は、極めて目障りなものに見えてくる。かつては社会のヒエラルキーに組み込まれ目に見えにくかったその特権が、極めて不当なものとして可視化されたのである」p74
    「アメリカ人は哲学を好まず、多くの人は、デカルトの名前も彼の『方法序説』も知らないであろう」p80
    「「個人主義」という言葉は19世紀初めに初めて登場したものである」p85
    「トクヴィルは『旧体制と革命』において、フランス革命によって主権が王から人民に移ったとしても、政府の権力はけっして弱体化せず、むしろさらに拡大したと主張した」p91
    「フランス革命後も、共和制、王政、帝政と、激しい政体の変更を経験した」p98
    「アメリカのジョン・ロールズが示す正義の第一原則はまさしく「平等な自由」である」p108
    「(アメリカでのデモクラシーの定着)アメリカ人には隣人がなく、したがって、大戦争も、財政危機も、また戦災も征服も恐れる必要がない。膨大な租税も、多数の軍隊も、偉大な将軍も彼らは必要としない」p114

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    2020年10月10日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    仕事関係のとあるきっかけで手に取った本。

    社会科って実用的なイメージだったけど、社会科学となるとまた違った効用があるんだな、と知ることが出来た。

    身の回りのことを分析して、自覚して、
    「これは出来ている」「これはまだ出来ていないから、このあとどうしちゃおう」
    と将来を楽しみにするのが、役立て方の一つということかな。

    来てない未来を楽しみにするためには、それだけの能力がないといけないと思う(先天的に楽天的な人は別として)。
    その能力は、考える力だったり、考えるための材料を集める力だったり、集めた材料を編集する力なんだろう。

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    2019年12月23日
  • 未来をはじめる

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    豊島岡女子学園中学校・高等学校において行われた講義の講義録のような本です。中高生が読んでもいいし、大人が読んでも面白い内容です。
    現代の日本の問題を取り上げつつ、民主主義、グローバリズムなどの問題に切り込んでいきます。
    結論を急がず、一緒に考えていくというスタイルがいかにも講義という感じです。
    政治のことは「よくわからない」「面倒臭い」まま大人になってしまった方に、もう一度政治について考えたい方に、読んでほしい本です。

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    2019年06月18日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』
    ↓
    相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な価値があると考えることのできる経験と想像力と余裕が必要だと思う。


    『事実の認識問題は、「出来事レベルでの認識の共有に失敗」と「解釈レベルでの認識の亀裂」がある』
    ↓
    出来事レベルでの認識の共有は日常でもよくある。それをなくすために丁寧にこまめに伝えようとするとそれはそれでくどい(笑)
    でも、仕事も私生活も、「この微妙な空気…出来事レベルで認識が違ってるな?」と察知できるようになったら強いと思う。


    モヤモヤが解消できる本じゃないし、知識を蓄えられるような本でもないけど、さくっと読めるし良い問題提起もあるのでおすすめっ

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    2018年10月28日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    全体としての問いかけにはすごく共感できるものがあるが、いかんせん学者さんなのでソリューションがぼやっとしている感は否めない。また、章ごとに質が異なっていて、身近に感じるもの感じないもの、抽象的なもの具体的なもの、賛同できるものできないものとバラついている。勉強になったところもあるので、気持ち的には星3つ強です。

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    2018年10月21日
  • 大人のための社会科--未来を語るために

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    大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反すると思う。
    「シェアリングが広まれば、人生の生活水準は上がりますが、GDPは上がりません。物を大切に使うことや、再利用に努めることも、やはりGDPを上げません。エコロジカルな暮らし方はGDPの上昇には結びつきにくい傾向があります」p15
    「(勤労)まじめに労働にいそしむことを大切にする考え方は、日本人の伝統的な道徳観や倫理観とかかわていた」p31
    「伝統的な相互扶助(ムラ社会)に代わって国家が教育や社会保障を担い、個人を伝統的な社会的結びつきから解放し、自らの意志で職業を選択することを可能にした」p107
    「「社会問題の個人化」こそが、私たちの問題を、私たちの力で解決する民主主義を困難にしているように思えてなりません」p109
    「(トクヴィル)個人の抽象的「人権」という理念に基づく改革は、むしろ社会の解体をもたらす危険がある」p110

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    2018年10月21日