今村翔吾のレビュー一覧
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<くらまし屋稼業>シリーズ第五作。
シリーズが進むに連れ、話もスケールアップしていく。
今回の依頼人はなんと、老中・松平武元。それも一日だけ姿を晦まして欲しいという。
『くらまし屋七箇条』のその七、『捨てた一生を取り戻そうとせぬこと』、つまり一度晦ました後は元の生活に戻ることは出来ないというのがくらまし屋に依頼するときの決まりなのだが、老中の願いは一日だけ姿を晦まし、再び元の生活に戻るというものなので、その決まりに反する。
だが老中の話を聞いていれば叶えたくなる人情もくすぐられるし、結局平九郎は老中が老中であるために『かつて捨てた一生』を『取り戻そうとせぬこと』と解釈して引き受けることにする。
しかし老中がたとえ一日とは言え、フリーになってしまうということは、老中の足元を掬う者、命を狙う者にとっては絶好のチャンス。
謎の集団『虚』、御庭番、道中奉行などなど、様々な者たちの間隙を突いてどうやって老中を晦ますのか。
久しぶりにスケールの大きな晦まし工作を見られて楽しかった。やはりくらまし屋はこうでなくては。
『虚』側の目的も段々と明らかになってきたようだが、今回は平九郎とのガチンコ勝負は決着着かず。次回への持ち越しということか。
そして前作の赤也に続き、七瀬の正体も明らかに。只者ではないとは思っていたが、なんと平九郎以上の身分だった。もちろん今はくらまし屋だが。
『虚』との対決に備えて、平九郎と共同戦線も出来てきた。
最後は前作に引き続き『虚』の惣一郎とあの人との交流も描かれる。
どういう結末になるのか楽しみだ。
他のレビュアーさんのレビューを読むと、作家さんの他のシリーズとのリンクもあるようだ。そちらも読んでみなくては。 -
Posted by ブクログ
〈くらまし屋稼業〉シリーズ第四作。
序章で謎の組織『虚』の暗躍が描かれるので今回は『くらやし屋』VS『虚』のガッツリ対決かと思いきや、解散した筈の盗賊集団『鰄党』の残党の物語。
これまでは絶対不可能と思われる状況下でのくらませ方法が一つの山場だったのだが、今回はかなり趣が違う。
この四作目にして「くらまし屋七箇条」の重みを感じさせる。
「くらまし屋稼業」は慈善事業ではない、やはり裏稼業なのだ。
しかしこんな形で「くらまし屋」を利用しようとは恐れ入る。
だが勿論こんなことで良いように使われる「くらまし屋」ではないし、平九郎の場数の多さも感じる。
シリーズとしては新たに「くらまし屋」のメンバー赤也の過去にも触れられていた。
赤也、七瀬、平九郎、「くらまし屋稼業」に対する思いはそれぞれ違うが、良いトリオだと思うし三人が今後どのような道に進むのかも気になる。
個人的に気になっていた炙り屋・万木(ゆるぎ)も再登場。
更には「虚」のメンバーには惣一郎以外にも箍が外れたような危険人物がいることが分かる。
これから「くらまし屋」「炙り屋」「虚」の三つ巴の闘いになるのか。
さらには最後の最後にすごい展開に。
やはり平九郎と「虚」との対決は避けられないようだ。 -
Posted by ブクログ
〈くらまし屋稼業〉シリーズ第二作。
その名の通り、様々な事情で行方をくらましたい人々をどんな手を使ってでもくらまし、新たな生き場所を与える〈くらまし屋〉。
今回くらませるのは呉服屋・菖蒲屋に奉公中のお春。商売敵との争いに巻き込まれて土蔵に閉じ込められている彼女を救いだし、重篤の母親に一目会わせてあげることは出来るのか。
今回は依頼人が奉公人の少女だけにお金にはならない。
仲間の赤也や七瀬が下りると言う中で、平九郎一人で仕事を受けようとする。
何故少女にそこまで肩入れするのかと思ったら、平九郎にはどうも行方知れずの娘がいて(奥さんの方の生死は不明)、彼女を探す為にこの仕事をしているらしい。
さらに仲間の七瀬もかつて平九郎にくらましてもらい新たな人生を貰った人間らしい。
平九郎一人の仕事ということで今回は難航。
しかも平九郎の仕事とは逆の〈炙り屋〉なる万木迅十郎というとんでもない剣豪も登場。
平九郎はどのようにお春をくらますのか。
前作同様ルパン三世みたいな脱出方法と、剣劇アクションと、くらます者くらましてもらう者それを阻止する者のそれぞれのドラマと、色々楽しめた。
お春ちゃんと風太、良い出会いで良かった。だが冒頭の地図を見ると〈菖蒲屋〉と平九郎たちが作戦基地にしている〈波積屋〉はご近所なのだが、お春ちゃん大丈夫?
〈炙り屋〉との因縁はこれからも続きそう。それはそれで楽しみ。 -
ネタバレ 購入済み
漫画かゲームの世界観…。
2023年8月読了。
著者にしては珍しく、実際の歴史に全く絡めないエンターテイメントばりばりのアクション小説に成っている。
当然、一巻目と有ればアレコレと謎のネタばらしをする訳にも行かないのだろうが、その為に時代背景、背景描写、人物描写をキチッと描く訳にも行かず、漠然としたスタートを切った感じだった。
未だ「アニメのノベライズ本」程度しか提示されていないので、若い方々には取っ付き易い小説だと思う。この一冊でどうこう評価のしようが無い。
この先の展開が楽しみだ、と云う所で、やや厳しめの評価だが、著者のことだ、この先胸のすく展開が拡がることを期待している。