今村翔吾のレビュー一覧
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東日本23県の特徴ある武将のエピソードにまつわる話をまとめた本作。300頁強で1県1名、計23人分もの話を収録しているため、1話に対してやや物足りなさを感じるものの、「すり替わった大名」「百匹の犬を飼う城主」「狂戦士化する武将」「風林火山を掲げる越後の虎」「鼻毛で守る国」など、ちょっと変わった話も多く、それなりに満足できた。マイベストは静岡の「義元の影(今川義元)」。東日本編の最後にはやっぱり真田信幸を持ってくるあたり、今村翔吾さんの真田愛を感じる笑
それにしても、多くの話に北条家がでてきており、東日本の各国において、いかに北条家の影響が大きかったかを窺い知ることができる。 ★3.2 -
Posted by ブクログ
今村氏らしい、疾走感全開の江戸青春小説。
前半は4人の筆子の紹介も兼ねた事件。ここは展開は緩やかで面白いが勢いがつかない感じ。その中でも今回の黒幕・源之丞や三雲禅助が登場し大きな事件を予感させる。後半の伊勢詣の道中、事件が起きる。十蔵は捕らえられ、筆子たちが奮闘する。
ツッコミどころは多いが、後半は一気に読んでしまう点が流石。襤褸鳶シリーズのように様々な特徴の忍びが出てるが、印象的な者は少なく、その点はこの設定の限界かもしれない。
江戸物の青春小説というと、宮本昌孝『藩校早春賦』が想起され、それには及ばないけれど、武家だけでなく商家や大工の子らが活躍する点に新しさと広がりを感じた。 -
購入済み
バトル・ロワイアルゲームもの
ストーリーの舞台設定や展開がゲームもの少年漫画を彷彿とさせる。冒頭部分から随分と無理筋の設定であるが、語り口の巧さでそれほど引っかることもなくどんどん読み進めて行ける。次々と登場する化け物のような武芸者たちの登場ぶり、活躍ぶりは少年漫画そのものである。技名を唱えながら技を繰り出すところなど、仮面ライダーを彷彿とさせる。
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Posted by ブクログ
歴史を通じて、教養を身につける。本作品のテーマではあるが、残念ながらそこまでの窮地には至らなかった。ただ、歴史小説というのは単に史実を辿るのではなく、読者を意識したアレンジを前提としたものというのが、意外に理解しておらず、それら細かなテクニックに、なるほどと唸らされた。
また、歴史小説家を第一から第七世代まで分別し、各作家の特徴から代表作まで整理されており、次の歴史小説家を模索中の方にはおすすめ。
本の主旨とは異なるが、今村翔吾さんが、歴史小説家になるまでの歩みがとても面白く、育児真っ只中の自分としては、子どもの興味や関心を大事にしたいと、改めて感じた。 ★3.2 -
ネタバレ 購入済み
ソッチへ走ったかぁ…w。
2023年8月読了。
間を置かずに読んだ。茫漠としていた前巻とは打って変わり、このデスゲームの目的も、黒幕やそれに関わる人物達がほぼほぼ揃い踏みして、いよいよ佳境に入ってきた。
今巻は、剣戟シーンも技がハッキリしてきて、「○○流」ばかりではない、国籍も越えたジャンルの果し合いと成って「異種格闘技戦」の趣もあり俄然面白くなってきた。
御一新後のドサクサな時代の組織作りの拙さで、当時本当にこうした内乱が起こっても(こんな「もっとも危険なゲーム」は有り得ないけどw)、不思議では無かったのかなと思うと、「警察官より先に、郵便局員が拳銃を携帯していた」事実も抵抗無く読めてしまう(「当時は現金書留なんか