今村翔吾のレビュー一覧
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歴史上の人物や事件を題材にした小説は好きだけど、改めてこれを読もうと考えた理由は2つ。
一つは歴史小説を読んでいると言ってもほんの一部だし王道というものをあまり読んでいないから本当の面白さを知らないのではないかという気持ちから。
もう一つは著者の今村翔吾氏の小説があまりに時代背景やその時代の文化を丁寧に書いていて理解が追いつかない所があったということから。
この2点がもう少し良くなればという所だったが、まあ半分は良かった、半分はちょっと違ったというところ。
恐らくこの本はほとんど歴史小説を読まないような人に向けて書いているところがあって平易な文章で幅広く興味を持ってもらうという辺りが狙いか、そ -
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鎌倉時代末期の寵児であり、軍神と呼ばれた楠木正成の息子楠木正行にフォーカスした作品。
偉大な父のような役回りを期待される正行。北と南に朝廷ができた異常な状況下に、自身の忠義と、楠木家の安泰に揺れ、翻弄される人間らしい人間として描かれ、子から見た父正成は愛情深く、軍神もまた一人の人間だったことを知る。
上巻は、悪党金毘羅党との戦い、謎の女官「茅乃」の出生の秘密にも迫り、読んでいて先が気になる展開も多い。「書く前から、きっと答えが出ない小説になるという予感がした。」と、今村さんがイベントで語ったようで、下巻についても、様々な展開が用意されていることが予想される。 ★3.9 -
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公儀隠密として活躍した十蔵は現役を辞め、寺子屋の主人になる。寺子(筆子)等の事件事故が十蔵の助けで救援、解決する。だが、大名は秘密を知る隠密を妻子とともに消そうと隠密を使い動き出すと十蔵も危機を感じ妻と離縁する、がその妻に危機が起こる。そこから筆子たちが逆に活躍する物語だ。気になる言葉、最後の一節「忍びといえども人外の者にあらず。世の人と同じく喜び、楽しみ、望みをもち、また同じ様に怒り、悲しみも持つ。それに耐え忍び生きる者を正しく忍びと呼ぶ。しかしながら、世には一人では耐えかねる難儀もある。そのような時、心許す者がいれば、時に支え、時に支えられ、人は世を活くることが出来ると知る。想像する忍びと
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ネタバレ河野通有の視点を通して原稿を描く歴史小説。
元寇物は大好物で、古くは海音寺潮五郎の「蒙古来る」に始まって、井上靖「風濤」、山田智彦「蒙古襲来」を読みました。
大抵は日蓮の予言に始まって、幕府の動揺、そして現地の攻防と群像物語的に描かれているのですが、今作は主人公を一人にした元寇物ということで面白かったです。
史実部分だけでなく、ルウシのキエフ(今のウクライナ)から奴隷となって流れてきた女性や高麗人から共生の学びを得て、遭難した元寇側を救助するに至る物語は現代の問題を反映した話となっていると感じました。
北方さんもチンギス記の続編でフビライと時宗を描くようなので楽しみです。