あらすじ
直木賞作家が8人の戦国武将をプロファイリング!
「歴史に触れて疑問を抱く。そして自分なりに推察する。仮に物証はなくとも、行動パターン、過去の経歴、身体的特徴、さまざまなものから人物像の輪郭を限りなく鮮明にしていく。いわば、それは歴史上の人物のプロファイリングである。私は小説を書く過程において意識して、あるいは無意識でも必ずしている」
三英傑(信長、秀吉、家康)から、著作『じんかん』の主人公・松永久秀や『八本目の槍』の石田三成まで、8人の英雄たちの素顔が浮かび上がる。
彼らは何を目指し、何に賭け、何に心動かされたのか――今村流推察で解き明かす。
【内容】
第1章 織田信長――合理精神の権化
第2章 豊臣秀吉――陽キャの陰
第3章 徳川家康――絶えざる変化の人
第4章 武田信玄――厳しい条件をいかに生きるか
第5章 上杉謙信――軍神の栄光と心痛
第6章 伊達政宗――成熟への歩み
第7章 松永久秀――なぜ梟雄とされてきたか
第8章 石田三成――義を貫く生き方
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今村翔吾推しなら読むべし。
彼の作品で取り上げられる戦国時代の武士の面々について今村翔吾が語ります。
今村先生案外若いので(やっと40代)語り口は真面目なのですが、ジャイアントキリングとかM&Aとか親ガチャとかのワードが出てくる。
あと信長の野望というゲームの話が数回ててくる、さては遊んでるのでしょうか笑
各人の章末に、系図と略年表がついていてそれがめちゃ良い。
Posted by ブクログ
-------------------------
一つはっきりしているのは、彼らは間違いなく生きていました。
我々と同じく、喜び、悲しみ、
ときには怒りを持つこともある。
そこに想いを馳せることで
見えてくるものもあるはずである。
-------------------------
今村先生が8人の武将をプロファイリングしています。
喜怒哀楽と乾坤一擲。
私には読むのが難しくて、
一度ではなく何度か読み返して
時系列とか人物を理解しながら読み進めてました。
昔の人って名前が似てたり(主従関係があるからかもですが)、あっちとこっちが親戚関係だったり、ややこしいです。笑
それでも今村先生の語り口で、
起業に例えてくれたり、現在だったら…と書き加えてくれるおかげでだいぶ読めたと思っています。
個人的に好きなのは、武田信玄と松永久秀でした。
武田信玄は、厳しい土地でどうすれば発展するかを考え、戦だけではなく、生きていくための日々を考えてくれていたのかなと思います。
松永久秀は「じんかん」を読むまでは、ずっと気になっています。苦笑
また歴史小説を読むタイミングで、本書も読み返そうと思います!
Posted by ブクログ
近年の時代小説作家と言えばまずこの人、今村翔吾。
8名の戦国武将について、作家の視点から性格や喜怒哀楽を考える。どちらかと言うと講演のネタっぽい。
本書より実際の作品の方が魅力的に思えるのは止むを得まい。
Posted by ブクログ
日本舞踊、或いは書家師範のような出立ちの今村先生。渋い。信長、秀吉、家康の『三英傑』を含む、8人の武将たちを今村流に分析。今では想像し難い戦国時代の組織、為来り等を、現代に置き換えて丁寧に解説。ユーモアがあり呑み込みやすかった。忘れてならないのは、武将たちを陰で支えた穴太衆や国友衆、黒鍬衆らの活躍である。彼らの努力や働きがあってこその天下取りだと痛感した。
Posted by ブクログ
直木賞作家の今村翔吾が、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗、松永久秀、石田三成の8人の戦国時代の英雄を、推理した本。
とても、興味深く拝見した。
知っている歴史の背景には、こういう文献が残っているから、この人物はこの時、こう思って、こういう行動に出たのではないか?
が、ちりばめられた名著だと思った。
中でも一番印象に残ったのが、伊達政宗。
豊臣秀吉から、私的な領土争いを禁じられているにもかかわらず、無視して会津の蘆名を滅ぼした政宗。
切腹や改易を命じられてもおかしくない、大ピンチ。
政宗は、秀吉の性格や好みを分析して、どうやら秀吉は派手なパフォーマンスが好きらしい事を、つかんだ。
「私は、死を覚悟してますよ!」を強調する白装束姿で、小田原に現れた。
これを見た秀吉は、怒りがどこかへ吹き飛び笑って、政宗を許した。
絶対絶命のピンチを、「笑い」で切り抜けた政宗の機転が、爽快だった。
やんちゃな、政宗はこれくらいの事では、懲りない。
改易された葛西氏と大崎氏の旧臣が一揆を起こしたのだが、裏で煽動していたのが、政宗だと秀吉にバレて、再び大ピンチ。
政宗は、白装束に加えて、金箔を貼った磔柱(十字架)を担いで参上した。
またまた、秀吉は爆笑して、政宗を許した。
ここまでくると、もはやコントだ。
Posted by ブクログ
織田信長を始め、戦国武将8人をプロファイリングし、それぞれの人物像を浮かび上がらせる。
小説ではない、リアルな戦国武将の人物像や考え方を改めて、学ぶことができた気がします。
筆者自身、かなりの資料にあたって、そこから自分の考えをまとめたものなのでしょう。
筆者独自の考え方が反映されていて、全部が全部その通りだとは思いませんが、それでもかなり説得力を感じました。
あの時代までに培われ、そしてあの時代に生きた人物たちの生き方や考え方には、今を生きる自分からすると、学ぶべきことやあこがれることがたくさんあることを改めてこの作品から見つけることができました。
筆者自身、人が好きでたまらないんだろうなあと思いました。
Posted by ブクログ
信長、秀吉、家康、信玄、謙信、政宗、久秀、光成についての、トークショー的な評伝。彼らのエピソードを紹介するだけにとどまらず、そのとき、彼らが身を置いていた状況と、それを踏まえた行動について、周辺諸国との関係や文脈など、マクロ的な視点も加味した解釈を割に詳しく述べている。それによって、「はじめに」で今村も書いているように、彼らを作家的視点でプロファイリングしている。
内容は、相当程度、諸文献や最近の研究成果も踏まえた書きぶりであるが、今村という作家の作品カラーからすると、やや意外である。専門歴史家のコンサルを受けているのか、あるいはそういうリサーチをするスタッフを抱えた総体が、作家「今村翔吾」なのかもしれない。
Posted by ブクログ
今村翔吾氏が名だたる戦国武将たちの行動の背景を推理し、それを披露してくれる。今村氏がどんな武将のどのようなエピソードを好むのかが垣間見えて面白かった。既刊本や新作の構想なども語られており、ある種のメイキング本としても楽しめる。ファンなら買い。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 織田信長~合理精神の権化
第2章 豊臣秀吉~陽キャの陰
第3章 徳川家康~絶えざる変化の人
第4章 武田信玄~厳しい条件をいかに生きるか
第5章 上杉謙信~軍神の栄光と心痛
第6章 伊達政宗~成熟への歩み
第7章 松永久秀~なぜ梟雄とされてきたか
第8章 石田三成~義を貫く生き方
<内容>
最近台頭している歴史作家が、戦国期の武将をプロファイリング。作家の視点から歴史を縦横無尽に斬っていく。従来的な視点と新しい視点が交差する。面白かった。
Posted by ブクログ
今1番乗っている時代小説作家の今村氏が綴る戦国英傑8人のWikipedia的な作品。じんかん、八本目の槍等、既読のヒット作品の一部も出てきて楽しい。個人的には石田三成推しかな!
Posted by ブクログ
戦国時代武将ファンならお馴染みであろう人選のプロファイル。あんまりマイナーだと興が削がれるので有り難い面子。著者の作品も絡めての内容なのでちと宣伝臭も感じなくもないが文章も内容もスッキリとしていて読みやすかった。
Posted by ブクログ
歴史ってこんなにも興味深いものだったんだ、戦国武将ってこんなにも魅力的だったんだ。今までの自分が抱いていたイメージと違っていて本当はこんな人だったのかもしれないな、そうだったらいいな、そんなふうに想像するのもまた楽しかった。
Posted by ブクログ
プロファイリングされた戦国武将、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・武田信玄・上杉謙信・伊達政宗・松永久秀・石田三成、著者はこれらの有名武将の実像を考え、人柄・人物像を自分の考えた歴史の世界に放牧し、個別に選んで書き連ねればひとつの作品に化ける
この考察する作業が楽しいから作家をしているのだと推察します
じんかん(松永久秀)を取り寄せる事にしたが、八本目の槍(石田三成)は、嫌いな歴史人物の五本の指に入るので遠い先のことにする
顕本寺のライブでうかがえた人柄は好ましかった
Posted by ブクログ
今村氏による歴史上の人物へのプロファイリング。
プロファイリングと言ってもそこは当代きっての歴史通である著者の内容なので説得力があって面白かった。
当然ながら自分たちが教科書で習った本人像とは離れる一面もあり信長、家康をはじめ見方が変わった。
Posted by ブクログ
それぞれの人物について、様々な情報を元に作者独自の解釈も交えながら解説されており、日本史に興味を持ち始めた人にとっては、現在一般的な各人物へのイメージを変えるきっかけとなりそうな作品だった。
Posted by ブクログ
なるほどね
『戦国武将を推理する』んだそうですわ
選ばれたのは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗、松永久秀、石田三成とメジャーどころ8人
まぁ、あくまで今村翔吾さんの「推理」なのでね
へー、今村翔吾さんはそう考えるんだーっていうだけのことで
だけのことって言ったらあれだけど
まぁ、色んな「推理」があっていいよね
それが歴史の面白味なわけだからね
今村翔吾さんが小説を書くときの思考の道筋みたいなんが垣間見えたような気もするのでファンとしてはまぁ読んでも損にはならないかなぁ〜っていう
特にドカンとは来なかったかな〜
あ、あと和服姿の今村翔吾さんを見るたび頑張ってはるな〜って思います
Posted by ブクログ
戦国時代の三英傑「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」ほか、有名武将が実際はどう考え、どう行動して、戦国時代を駆け抜けたのかを考察する。その内容から、時代小説好きというよりは、戦国武将好きという方が、さらに好きになるような作品といえるが、読んで理解を深めることで、「じんかん(松永久秀)」や、「八本目の槍(石田三成)」などの今村翔吾作品を、より楽しめるのは間違いない。まだ世に出ていない作品についても、きっと同様のはず。そろそろ武田信玄作品を書いて欲しい・・。
今村翔吾さんが描く小説において、登場人物をどのようにアプローチし、それをストーリーに落とし込むか。そんなところまでも想像し、楽しめる作品となっている。 ★3.2