今村翔吾のレビュー一覧
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シリーズ第七弾。
今回平九郎に依頼してきたのは、芝居小屋「濱村屋」の若き主人・二代目吉次。
経営が苦しい「濱村屋」は、スター役者・中村富三郎を擁する「天王寺屋」と“芝居合戦”をする羽目になっていて、その合戦の裏には何か黒い思惑が見え隠れ・・。
さらに「濱村屋」は“くらまし屋“メンバー・赤也の古巣だった事が判明します。赤也は己の過去と向き合い、乗り越えていけるのでしょうか・・・。
と、いう事で、今回は赤也メインの巻です。彼の過去と、“くらまし屋”に入った経緯が書かれています。
古巣のピンチを救う為、そして己の過去(父)と決着をつける為、舞台に立つ決意をする赤也。
仲間を慮って、一人で行動しよう -
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シリーズ第六弾。
今回の依頼人は、普段から仲間と悪行三昧、ゲスの極み大身旗本の次男です。
悪行仲間が殺されたことから、自分も命を狙われているかも、との事で晦ましてほしいと。
正直、自業自得ですし、しかも“くらまし屋”の「掟」を無視してほとぼりが冷めたら帰ってこようと目論む始末。もう完全にナメてます。
一方、彼を狙う下手人の方は、ごもっともな理由があって、平九郎もクズな依頼人を守るために、共感できる下手人を斬らなければならないという、何ともやるせない展開でした。
今回は、赤也と七瀬の出番は少なめで、代わりといっては何ですが、“炙り屋”の万木迅十郎が多めです。彼にも“炙り屋”としての矜持があるよ -
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シリーズ第五弾。
今回は、老中・松平武元を特定の日に晦ますという依頼が入ります。
生き別れの娘の花嫁姿を一目見たい、という松平武元ですが、老中の身を案じる田沼の手配でガチガチの厳戒体制がとられ、しかもその中にはくらまし屋メンバーが最も警戒する男の一人、道中同心の篠崎瀬兵衛の姿もあり、まさに難易度MAXという状況です。
毎回、意表をついた“晦まし“で楽しませてもらっていますが、今回も“ほう・・”と感心するような見事な手際を見せてくれます。このようなすごい作戦を思いつく七瀬ですが、今回は彼女の驚きの出目が明らかになります。
そして、“虚”からの刺客を撃退すべく平九郎達と共闘する、お庭番の曽和一鉄 -
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シリーズ第三弾。
今回晦ませるのは、幕府の監視下に置かれている元・採薬使の阿部将翁。
余命僅かながら“ある約束”を果たす為に陸奥まで晦ませてほしいという将翁を、幕府の役人や御庭番たちに囲まれた高尾山の小屋からどう脱出させるのか・・“くらまし屋”の腕の見せ所です。
しかも、謎の闇組織「虚」も将翁を狙っていて、平九郎と「虚」メンバー・榊惣一郎(“瀬田宗次郎型”又は“”サイコ設定・沖田総司型”と勝手にカテゴライズさせて頂きます)との斬合いは手に汗モノでした。平九郎が探している妻子と「虚」が何か関係があるのかも、気になりますね。
ラストは“幸せの茜色の手拭い”と、いった感じで胸が熱くなりました。
そ -
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〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズ第五作。
これまで毎作のように出てきた火消番付。掲載常連組の加賀藩やこのシリーズの主人公・松永源吾でも嬉しいものだが、ぼろ鳶組のメンバーにとっては何よりの励ましになる。
しかし仁正寺藩の火消・柊与市にとっては、番付上位に載ることが火消組の存続に関わる切実な使命となる。
今回も面白かった。
ぼろ鳶組の新庄藩に限らず、どこも懐事情は苦しい。それでも江戸の人々を火事から守るために頑張っている。
だけどその努力をアッサリと予算がないから、で切り捨てられるのは堪らない。かといって無い袖は振れない。さてどうするか。
火消番付を巡って柊が危険な行為に及ぼうとしているのかと思いきや -
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<くらまし屋稼業>シリーズ第五作。
シリーズが進むに連れ、話もスケールアップしていく。
今回の依頼人はなんと、老中・松平武元。それも一日だけ姿を晦まして欲しいという。
『くらまし屋七箇条』のその七、『捨てた一生を取り戻そうとせぬこと』、つまり一度晦ました後は元の生活に戻ることは出来ないというのがくらまし屋に依頼するときの決まりなのだが、老中の願いは一日だけ姿を晦まし、再び元の生活に戻るというものなので、その決まりに反する。
だが老中の話を聞いていれば叶えたくなる人情もくすぐられるし、結局平九郎は老中が老中であるために『かつて捨てた一生』を『取り戻そうとせぬこと』と解釈して引き受けることにす -
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〈くらまし屋稼業〉シリーズ第四作。
序章で謎の組織『虚』の暗躍が描かれるので今回は『くらやし屋』VS『虚』のガッツリ対決かと思いきや、解散した筈の盗賊集団『鰄党』の残党の物語。
これまでは絶対不可能と思われる状況下でのくらませ方法が一つの山場だったのだが、今回はかなり趣が違う。
この四作目にして「くらまし屋七箇条」の重みを感じさせる。
「くらまし屋稼業」は慈善事業ではない、やはり裏稼業なのだ。
しかしこんな形で「くらまし屋」を利用しようとは恐れ入る。
だが勿論こんなことで良いように使われる「くらまし屋」ではないし、平九郎の場数の多さも感じる。
シリーズとしては新たに「くらまし屋」のメンバ -
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〈くらまし屋稼業〉シリーズ第二作。
その名の通り、様々な事情で行方をくらましたい人々をどんな手を使ってでもくらまし、新たな生き場所を与える〈くらまし屋〉。
今回くらませるのは呉服屋・菖蒲屋に奉公中のお春。商売敵との争いに巻き込まれて土蔵に閉じ込められている彼女を救いだし、重篤の母親に一目会わせてあげることは出来るのか。
今回は依頼人が奉公人の少女だけにお金にはならない。
仲間の赤也や七瀬が下りると言う中で、平九郎一人で仕事を受けようとする。
何故少女にそこまで肩入れするのかと思ったら、平九郎にはどうも行方知れずの娘がいて(奥さんの方の生死は不明)、彼女を探す為にこの仕事をしているらしい。
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ネタバレ 購入済み
漫画かゲームの世界観…。
2023年8月読了。
著者にしては珍しく、実際の歴史に全く絡めないエンターテイメントばりばりのアクション小説に成っている。
当然、一巻目と有ればアレコレと謎のネタばらしをする訳にも行かないのだろうが、その為に時代背景、背景描写、人物描写をキチッと描く訳にも行かず、漠然としたスタートを切った感じだった。
未だ「アニメのノベライズ本」程度しか提示されていないので、若い方々には取っ付き易い小説だと思う。この一冊でどうこう評価のしようが無い。
この先の展開が楽しみだ、と云う所で、やや厳しめの評価だが、著者のことだ、この先胸のすく展開が拡がることを期待している。