今村翔吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今村氏らしい、疾走感全開の江戸青春小説。
前半は4人の筆子の紹介も兼ねた事件。ここは展開は緩やかで面白いが勢いがつかない感じ。その中でも今回の黒幕・源之丞や三雲禅助が登場し大きな事件を予感させる。後半の伊勢詣の道中、事件が起きる。十蔵は捕らえられ、筆子たちが奮闘する。
ツッコミどころは多いが、後半は一気に読んでしまう点が流石。襤褸鳶シリーズのように様々な特徴の忍びが出てるが、印象的な者は少なく、その点はこの設定の限界かもしれない。
江戸物の青春小説というと、宮本昌孝『藩校早春賦』が想起され、それには及ばないけれど、武家だけでなく商家や大工の子らが活躍する点に新しさと広がりを感じた。 -
購入済み
バトル・ロワイアルゲームもの
ストーリーの舞台設定や展開がゲームもの少年漫画を彷彿とさせる。冒頭部分から随分と無理筋の設定であるが、語り口の巧さでそれほど引っかることもなくどんどん読み進めて行ける。次々と登場する化け物のような武芸者たちの登場ぶり、活躍ぶりは少年漫画そのものである。技名を唱えながら技を繰り出すところなど、仮面ライダーを彷彿とさせる。
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Posted by ブクログ
歴史を通じて、教養を身につける。本作品のテーマではあるが、残念ながらそこまでの窮地には至らなかった。ただ、歴史小説というのは単に史実を辿るのではなく、読者を意識したアレンジを前提としたものというのが、意外に理解しておらず、それら細かなテクニックに、なるほどと唸らされた。
また、歴史小説家を第一から第七世代まで分別し、各作家の特徴から代表作まで整理されており、次の歴史小説家を模索中の方にはおすすめ。
本の主旨とは異なるが、今村翔吾さんが、歴史小説家になるまでの歩みがとても面白く、育児真っ只中の自分としては、子どもの興味や関心を大事にしたいと、改めて感じた。 ★3.2 -
ネタバレ 購入済み
ソッチへ走ったかぁ…w。
2023年8月読了。
間を置かずに読んだ。茫漠としていた前巻とは打って変わり、このデスゲームの目的も、黒幕やそれに関わる人物達がほぼほぼ揃い踏みして、いよいよ佳境に入ってきた。
今巻は、剣戟シーンも技がハッキリしてきて、「○○流」ばかりではない、国籍も越えたジャンルの果し合いと成って「異種格闘技戦」の趣もあり俄然面白くなってきた。
御一新後のドサクサな時代の組織作りの拙さで、当時本当にこうした内乱が起こっても(こんな「もっとも危険なゲーム」は有り得ないけどw)、不思議では無かったのかなと思うと、「警察官より先に、郵便局員が拳銃を携帯していた」事実も抵抗無く読めてしまう(「当時は現金書留なんかも運んでたので、配達夫が強盗に会うから、拳銃持たせてたんだよ~」って、幼い頃に学んだのを思い出した)。
大久保利通と云う人物については、親友である西郷との比較や能力第一主義,合理性,そして「“力無き国家”は直ぐに世界の餌食に成る」と云う世界を見て学んだ知見を最大限に駆使して、一刻も早く「世界からナメられない国家にしなくては」の思いの強さから、周囲の人間関係等お構い無くバリバリと〝富国強兵化〟〝先進国化〟を目指し驀進していた為、不平士族に限らず多くの人々から恨みを買ってしまったと云う(悲しい)事実を思うと、彼以外にも明治維新を成し遂げた人々の「命知らずの俠気」の様なものにいつも涙が溢れてしまう。
ま、そんな話はこの小説とは関係無いけど、外国から無理矢理こじ開けられ、それまでの価値基準も目茶苦茶にされ、手探り同然で近代化を目指さざるを得なかった時代の日本の「のたうち回る様な産みの苦しみ」は、貴賤を問わず凄まじい嵐となって当時の人々を襲ったと云う歴史のうねりの中で、生命を削り合う彼等の活躍を次巻以降も期待しています。
今村先生、個人的にですが「幻刀斎」のカラクリは〝山田風太郎先生〟バリなのをうんと期待していますよ~!!!