今村翔吾のレビュー一覧
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「くらまし屋稼業」の6冊目。あっという間に季節は巡る。
旗本の次男三男の悪仲間の連中が一人二人と殺害され、自らも狙われるかもしれないと怯えた残る二人が各々身を守るために裏の道を頼るというところから始まるお話。
平九郎vs.炙り屋vs.謎の刺客vs.かつて天才と呼ばれた人斬りの四つ巴だが、誰が誰を頼んで誰が誰を狙っているのか…。徐々に構図がはっきりし緊迫感が増す中、前にも登場したあの人が敵役として登場するのに驚き、炙り屋との斬り合いもグレードアップ。複雑な依頼の関係がうまいこと収斂する筋書きもお見事。
加えて、自ら決めた掟に従い、依頼人がどういう輩であろうと対峙するのがどういう相手であろうと、 -
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今村翔吾の長篇時代小説『夏の戻り船 くらまし屋稼業』を読みました。
『くらまし屋稼業』、『春はまだか くらまし屋稼業』に続き、今村翔吾の作品です。
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「皐月十五日に、船で陸奥に晦ましていただきたい」──かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁は、幕府の監視下に置かれていた。
しかし、己の余命が僅かだと悟っている彼には、最後にどうしても果たしたい遠い日の約束があった。
平九郎に仕事を依頼した将翁だが、幕府の隠し薬園がある高尾山へ秘密裏に連れて行かれる。
山に集結した薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者……平九郎たち「くらまし屋」は、将翁の切なる想いを叶 -
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今村翔吾の長篇時代小説『春はまだか くらまし屋稼業』を読みました。
『くらまし屋稼業』に続き、今村翔吾の作品です。
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日本橋「菖蒲屋」に奉公しているお春は、お店の土蔵にひとり閉じ込められていた。
武州多摩にいる重篤の母に一目会いたいとお店を飛び出したのだが、
飯田町で男たちに捕まり、連れ戻されたのだ。
逃げている途中で風太という飛脚に出会い、追手に捕まる前に「田安稲荷」に、
この紙を埋めれば必ず逃がしてくれる、と告げられるが……
ニューヒーロー・くらまし屋が依頼人のために命を懸ける、
疾風怒濤のエンターテインメント時代小説、連続刊行、第二弾!
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今村翔吾の長篇時代小説『くらまし屋稼業』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています。
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万次と喜八は、浅草界隈を牛耳っている香具師・丑蔵の子分。
親分の信頼も篤いふたりが、理由あって、やくざ稼業から足抜けをすべく、集金した銭を持って江戸から逃げることに。
だが、丑蔵が放った刺客たちに追い詰められ、ふたりは高輪の大親分・禄兵衛の元に決死の思いで逃げ込んだ。
禄兵衛は、銭さえ払えば必ず逃がしてくれる男を紹介すると言うが──涙あり、笑いあり、手に汗を握るシーンあり、大きく深い感動ありのノンストップエンターテインメント時代小説、ここに開幕!
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「くらまし屋稼業」の4冊目。表紙の絵がなんだか和む。
今回は幼い頃の彦弥が登場する序章から始まる物語。この頃から彦弥は女性に優しかったのだな。
さて、本編。毎回誰かを晦ますばかりではないですよって、今回は趣向を変えてきた。
芝湊町の土蔵に見知らぬ者の文で呼び出された5人の男たち。話が進むと皆、鰄党の残党で今は堅気になって暮らしている(浪人も一人いるが)面々と分かる。
何らかの奸計に動かされ5人がくらまし屋に接触を図る運びに、平九郎が謀られるわけはないと思ってはいるが、下手に累が及ばぬかとちょっとドキドキ。
今回はミステリー色が強く、その分平九郎の立ち回りは少ないが、四三屋親子や炙り屋に虚の面