おかざき真里のレビュー一覧
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診察室の外については、関係を断ち切るスタンスを取っていた室長・一色だが、今回は勝手が違う。患者が高校時代の同期・若狭(旧姓大沢)ユカリで、夫も同期だった。ユカリにがんが見つかるが、不妊治療とがん治療のためのホルモン療法、いずれかを優先しなければならなくなる。迷う夫妻を遊園地に連れていく一色。
一色と娘・モモには、かねてから血のつながりがない事が複数エピソードで明かされていたが、今回モモの母・さくらも含めた一色の高校時代が紹介される。ユカリの結婚式で
「ユカリは私が狙っていたのに」
とコメントしていたように、さくらは同性愛者であり、病気で早く亡くなっている。パートナーがいたはずなので、今後登場するかもしれない。官僚として数々のケースに冷静に対応し、アイスマンという異名まである若狭が、自身と妻の事になると動揺して涙を見せる姿にほだされたのだろうか。水沢との対立軸のように登場した一色の変化が見られ、親しみが増す。
もう一つのエピソードは、ゴーリーという綽名を持つ、あまりにもてきぱきしすぎている産婦人科医・甲利ゆり子。患者に寄り添うよき医者だが、自身の事となると動揺し、妹の出産に喜ぶ両親に涙を見せまいとすぐに立ち去ってしまう。しかし医療が示す未来を信じて、再び立ち上がる。水沢の知人が長い間入院している病院で勤務している。 -
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綺麗な、世界
絵が綺麗で、淡々としていて、でもだからこそ涙が溢れます。それぞれの物語は短いけれど引き込むものがあり、この話題に関心がある人には刺さるものがあると思います。
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8巻で、由紀恵は、芹沢医師から早期閉経を告げられる。同期同士で結婚し、両親と姉の四人家族で育った彼女は、“普通”の中でずっと生きてきた。だからそろそろ“普通”に子供を持とうかと思って相談した矢先だった。
「普通にしていたら子供は望めません」
見た目は“普通”であるため、夫にも相談できない。普通に戻るために、人知れず治療する由紀恵だが、治療の結果が思わしくなく、次第に追い詰められていく。彼女が最後に頼った先は、自分に最初に“普通”を植え付けた場所だった。
本巻は7巻で、やや無神経な医師として描かれた芹沢のフォロー回でもある。彼は女性ホルモンの研究を行っており、クリニックに引き抜かれたのだ。つまり、スタッフは精鋭ぞろいということになる。
インターミッションとして水沢と一色と娘、5巻で一色を兄貴と慕う嵐の釣りが描かれるエピソードが紹介。娘は「母親が二人いた」という。嵐は、一色が再婚したのかと思うが、実際はそうではないことを読者は知っている。成長した娘が、いずれ本当のことを知る時は来る。
次巻に続くエピソードとして、一色の友人で官僚の若狭が登場。男性不妊と妻のがんを打ち明ける。これまで妊娠・出産が数多く描かれてきたが、若狭は生まれてきたその先を考える側の人間である。子供手当で出産した子供への手厚い支援は成されたが、ではどんな子供にも支援が与えられるのかというと、そうではない。事実婚カップルへと裾野は広がっているが、まだ途上である。 -
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仕事も恋愛も頑張るキャリアウーマンをヒロインに据えた漫画『サプリ』がドラマ化された事で一躍知名度が上がった漫画家、というのがおかざき真理さんのよく知られている肩書きだろう。但し、そのイメージで本書を読むと、かなり驚くことは間違いない。表紙を見てわかる通り、画風も少し変わっているし、人死にのシーンも多く登場する。また、連載第一回の一ページ目が、空海の文言『生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く 死に死に死に死んで死の終りに冥し』を、黒地をバックに白抜きの文字で書いたものだ。まず、このような始まりは少女漫画ではありえない。また、宗教家を主人公、仏教をテーマに、というのもなかなかチャレンジングだ。諏訪緑さんの『玄奘西域記』という作品があるが、こちらは青年・玄奘の成長も絡めた話になっていたため、辛うじて少女漫画誌に留まれた。ちなみに、今回の掲載誌は青年誌だ。だから題材も画法も今まで出来なかったことができる、というわけだ。
冒頭は、比叡山延暦寺を焼き打ちする織田信長。時代劇で信長が扱われる時、必ず登場する有名なシーンだ。ただし漫画はここから平安に遡るため、有名人の彼でもワンシーンのみの登場。「大きくなりすぎたのだ…」とつぶやく信長が見つめる先にあるのは延暦寺の炎。その炎が山の上からの光に切り替わり、その光を見つめている先に、「大きくなりすぎた」延暦寺を建てた天台宗の開祖、最澄の幼き姿が見えてくる。映画を見ているような切り返しの連続で主人公の登場に繋げる。幼名を広野という彼は、感受性が強くすぐ涙が出るため、身近な人のたもとの匂いを嗅ぐと安心する。手っ取り早い出世の手段として母親に寺に送られた最澄は、仏教界の腐敗に落胆し、一人で山に籠る。
翻って一方の主人公、幼名を真魚という空海は、自らの足を刺して死ぬのか試したり崖から落ちても一人で帰って来たりとなかなか豪胆だ。夜な夜な野山を駆け、自らを食い破るような知識欲を持てあまし、仏教に辿りつく。既に人を救う教えとして仏教を求める最澄に比べ、仏教の新しい知識を得られる喜びに純粋に浸っている真魚には、まだ深き苦悩は見られない。そして、真魚が座禅を組む最澄を見て「美しい」と感動するシーンで終わる一巻では、求めるものは違うが、二人が衝突するような気配はみじんも感じられない。しかしその萌芽は既に現れており、二人は阿吽の仲には決してなれないのだ。
平安という時代、その時代における仏教、政治との動き、仏教観の違う二人の成長、教義、おかざき真理さんが少女誌という枠の中では全く書いてこなかったジャンルを、これからどう捉え、どう見せてくれるのか、そして読者層はどう動いていくのか、ということもあわせて楽しみである。 -
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7巻から続くエピソードは、早生まれの子を産むためにクリニックに通っていた妻・里奈の話。母を早くに亡くし、無理解な父親から、自分はずっと欲しいものを与えられていなかったと考えていた里奈は、婚家の義姉たちと話す中で、早生まれの子を産むことで、自分が与えられなかったものを子供に与えようと考える。しかし、あまりに早生まれにこだわりすぎて、夫とぎくしゃくしてしまう。水沢の卓越した技術によって、里奈は無事妊娠するが、子供は死産。傷心の里奈がそこで気づくこととは。
次のエピソードは、妻リリカとクリニックに通う夫拓也の話。追、事ある毎に圧をかけてきた母親と、妻リリカを重ねて萎縮し、追い詰められた拓也は、一色に心のうちを打ち明ける。一色の娘もおり、際どいセリフに思わず娘の耳をふさぐ一色が少しコミカル。普段患者の気持ちに寄り添う水沢に苦言を呈していた一式が、今回は頑として三度目のTESE検査に反対。夫婦仲もこじれてしまい。
三つ目のエピソードは早発閉経による不妊を告げられる女性で、次巻に繋がる。 -
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不妊治療が保険適用の対象になってから約3年。いまだ不完全で目まぐるしく変わる制度に、
患者もクリニックも揺れ動いていた。保険適用の制限がかかる年齢を目前に、クリニックを訪れた鉄道好きの夫婦。読めないスケジューあルに、かさむ診療費。趣味と不妊治療は、両立し得るのか。長く暗いトンネルの先に、患者が思い描く未来とは…!?
昨今の少子高齢化を踏まえて、不妊治療に保険が適用されるといっても、ずっとではない。女性が妊娠できる年齢には限りがあるため、クリニックを訪れた女性には、タイムリミットがあった。それを越えて治療をするためには、保険適用外の高い費用が必要になる。カップルは鉄道好きが縁で結婚したばかり。これから旅行に行って楽しい思い出を作りたかったのに、子供を作る前から別の所に費用が必要になる。どうするか?決断したのは妻とも子だった。水沢はまだまだ可能性がある、と積極的だったが、とも子は夫が我慢してしまう性格だからと自分が決めたのだ。妊娠を諦めるケース、妊娠ができたケースと様々登場する中、彼女の決断はすっぱりしていて読み味が良かった。
「カルテの番人・クラーク編」
おかざき氏の別漫画「&」ヒロイン・薫は、金を稼ぐための「手段」として医療事務をやりつつ、「本当に好きなこと」であるネイルショップを、ダブルワークで開始していた。補助職として軽く見られがちなクラークに真剣になっていく、おかざき氏らしいお仕事&恋愛漫画になっていた。こちらでも仕事に真摯なクラーク・富ヶ谷が登場。水沢とも懇意で、1巻の眠り姫の事も知っているが、病院には出禁となかなか謎めいている。クリニックの新任医師・芹沢には記入漏れなどいろいろ問題が多く、時には患者を不快にすることも。そんな時フォローしていたのは水沢や富ヶ谷だった。その事実を知って一旦は謝るものの、性根が一度に変わるとは思えない。患者より働く人に焦点を当てたエピソード。
「産み月コントロール編」は、婚家の嫁たちがバースコントロールで子供たちの将来を考えているのを知った里奈が、自分も4月~5月に出産したいとクリニックを訪れる。夫はそこまで深刻ではないが、欲しくないぬいぐるみが溜まっていく部屋、笑顔だが里奈の望みを全く分かっていない父親と、里奈の生育環境が関係しており、意思は固いようだ。彼女の思い通りにいくかどうかは次巻。 -
匿名
無料版購入済みずっと気になってました
海野つなみさんが原作で別の漫画家さんが描いた漫画とのことで、どんな作品か気になっていました。
ストーリーは海野つなみさんの感じを確かに受けました。こういった本を考えついたことに驚きです。 -
購入済み
東日本大震災の記録でもあり
マンガを描き続ける上で、こういう作品を手がける経験って絶対に役には立つでしょう。
個々の作品は是非、読んで色々と感じて欲しいものです。
私は当日、腹膜透析がもうだめになってきていて、尿毒症の諸症状(不眠や倦怠感なども含む)でぐったりして寝ていたのを大きな揺れで叩き起こされましたが、体調の悪さは如何ともしがたく、16時過ぎくらいまでは寝ていました。
この日の夕刻くらいに発信された電子メールが翌朝、12時間以上も経過してから届いたのとかも記憶しています。
原子力回帰とか、まだ言っているのでは、日本も凋落する一方です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ終わってしまった……末法の世で、ふたりは今も祈り続けているんだという終わり方で良かったです。
空海さまは亡くなってなくて、今も高野山の奥之院にいらっしゃるので……街を見下ろしてるラストカットしびれた。
死の前日に悲願達成するのって。
朝廷は「正しすぎる光は毒になる」といって最澄を退けてたけど、上手くやれる空海は重用してた。
上手くやってても、「人は金剛じゃない」って弱音吐いてたりしてたんだな。遍照金剛なのに。
母の旧姓が横大路で千年家(横大路家住宅のほう)が本家なので、圧倒されつつ楽しく読み進めてきました(母の実家は新宮ですらないので分家も分家の端の方)。
伝承だけど、こういう伝承は信じるほうが良い人生おくれます。最澄さまありがとうございます✨ -
Posted by ブクログ
ネタバレ妊娠出産育児は
どうしても男性は他人事感があって
男性不妊だった場合に
睾丸から精子を取り出す手術する人すごいな
って思うけど
女性の採卵もものすごく大変そうなのに
妊娠したいんだからそれぐらいやって当然
みたいなのがあるかも
デリケートなところもあるだろうけど
手術を伴わない採精は採卵に比べたら
簡単なんだから
自分の精子状態を検査したり
タイミングにあわせて性交したり
病院の採精室で出したりは
パートナーのことを想ったり
不妊治療は他人事じゃないと思えば
むずかしいことではないと思うんだけど
いったい壁はなんなんだろう
それとは別に
他人(家族でも)のやり方に
安易に口だすものじゃないとも思う
罪がないのは
上の子が弟か妹ほしい
っていうぐらいじゃないかな
兄弟作ってあげたら
とかはアウト
なんてことをいろいろ考えた