あらすじ
遣唐使として遂に唐に渡った空海と最澄。
天台で研さんを積む最澄と、長安で様々な出会いを繰り返す空海。
日本仏教の2大巨頭が唐の地でそれぞれつかんだものとは!?
そして、二人に重大な岐路が訪れ--運命と選択の第6集!!
感情タグBEST3
歴史が息づく名作
桓武天皇の時代に現れた2人の天才「最澄」と「空海」が、遣唐使として唐に渡ったときの逸話。
生まれながらにして天才の空海と、努力の人である最澄が、それぞれに過ごした時間が、後世にどのように残っていくか。
暗示されているところがとても興味深いです。
この時代の唐は世界の中心であり、人種と文化のるつぼであり、ひとつひとつの小さなエピソードが、史実と微妙に絡んでいるところも面白かったです。
素晴らしい!
いよいよ空海と最澄の道が分かれていく部分に突入。とにかく一巻から読むことをすすめるしかできない。おかざき真里さんの作品はもともと好きでしたが、こちらは全く違う世界の作品です。本当に夢中になります。
唯一のツッコミどころは、20年前に初めて見かけた時から空海も最澄も老けてないこと(笑)
2人ともかっこいいまま。
ストーリーには何の妨げにもなりません。
Posted by ブクログ
最澄と空海が長安に着いた。
ある程度、バックグラウンドをご存知の方は、この巻から読んでも良いのではないでしょうか。
それくらい、ストーリーが勢いに乗ってきている。
・空海の書の深遠さ
・密教の達人の化け物感
・仏教の悟りの深さに到達するための、修行と言葉の効果
私のような素人がイメージしやすくなるような描写。
唐での生活スタート。当時の長安の都の絢爛さやワクワクする感じが読んでいて楽しいですね。
最澄は経典から真理に到達しようとする一方で、空海は人脈ネットワークを広げていき密教の神髄に迫ってゆく。同じ高みにいるけれど、対照的でもあるんですね。
Posted by ブクログ
初っ端から霊仙和尚毒殺で辛い。
でも途中のサイバーな般若三蔵のところといい、霊仙和尚の巻でした。
三蔵さんたちみんな管付いてるし、霊仙と空海が降りていく法界への扉も魔方陣みたいでかっこいいです。
一切は虚妄。色即是空、空即是色。対象化する己の阿頼耶識も「空」。うーん、わかるようなわからんような。。
でも、霊仙和尚が橘にかけた「全ては変わるゆうことや」には、わたしもこれからこれから!と思えました。
ここで最澄と空海の道が分かれるのか。続きも楽しみです。
白居易も出るのか…すごいな。
Posted by ブクログ
仏教も、最澄も空海も、殆ど教科書に出てたな、程度の知識しか持ち合わせてなくても、読み始めると周りの音が消えると言うか、脳みそがこの漫画に吸い込まれそうになる。経典に集中し、その文字情報に没頭する最澄の様、知識の海に文字通り潜り込んで行く空海、この「感覚」は凡人の自分にも「解る」感覚なのだ。正に『阿・吽』を読んでいる時の自分がそうである様…知らない事を知り喜びへと集中する感覚、あの快楽は何ものにも代えがたく、自分が自分である限り衰えないのでは、と思うのだ。
小難しい事は全く解らないんだけど、もうなんか得体の知れないものに引っ張られる感じで読んでしまうんだよなぁ『阿・吽』。ナチュラル天才の空海、本人は努力の積み重ねで今がありますとしか考えてなさそうな最澄。才能の有る・無しは「集中力」を意識せずとも発揮できる者の事を言うんだな…と思う。
置かれた立場
最澄があと数年遅く生まれていれば。
桓武天皇の精神力が保っていれば。
平城天皇ではなく嵯峨天皇であれば。
たらればではあるけれど、たった数日、数時間、数分、たった数秒のタイミングが違えば。
そう思えてならない。