あらすじ
炎の男・坂上田村麻呂が立ち上がる!!
桓武帝崩御後、暗雲立ち込める朝廷。
そして、平城天皇が退位、嵯峨天皇の御世となる。
そんな中、空海は嵯峨帝と歴史的な出会いを果たす。
一方、最澄の状況は、ますます厳しいものに…!?
朝廷内を揺るがす“平城上皇の変”(薬子の変)で
坂上田村麻呂が見出した「正義」とは――――!?
そして、空海と最澄、二人の天才が刻み付ける生き様とは!?
絶望と希望を抉り出す、第9集!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大好きな空海を特集していたテレビ番組に、学者に混じって、著者のおかざきさんが出ておられた。発言が洗練されていて、お洒落で、しかも鋭敏かつ的確で、この人の漫画を読んでみたいと思い、検索して『阿・吽』を取り寄せた。毎巻、圧倒されながら読んでいる。あらゆる角度から見て、良くできている。唐に行ってみたくなったし!泰範と空海がどのような出会い方をし、どのような関係として、描かれるのか、今からとても楽しみだ。
Posted by ブクログ
坂上田村麻呂…平城天皇を受け止めたところ大きかったなぁ。最澄と空海会わせたい、って言ってたけど退場寂しい。空海が最澄に宛てた手紙「風信帖」、あまりに真っ直ぐで切なくなってしまいました。最澄は耳も目も病んでて応えられなかったのも悲しい。でもきっとこれから。。それにしても空海はほんとに絵が下手だったのかな…?
最澄と空海
最澄の真っ直ぐさは綺麗ではある。
空海も真っ直ぐではあるけれども、欲望・渇望への真っ直ぐさのように思える。それは自然のある様にも思える。一方で最澄の真っ直ぐさは澄んだ真っ直ぐであり、脆さも含む。
2人の天才と言うより、天才と天才に近い秀才。
Posted by ブクログ
本巻は「薬子の変」。面白かったけど、短かったなー。もうちょい読みたかった。
空海の絵が「下手くそ」であるというのは面白かった。空海が対象をどのように認識しているのか、という問題は、「阿吽」という漫画全体にも通じると思われる。
文字が浮かび上がり、生物が躍動し、光と闇が入り乱れる作画は、読者である我々に「体験」として受容される。
ぼくたちにとって、最澄と空海の人生は「阿吽」の華やかな描写によって認識されるのだ。
そして、空海にとって、ほとんどすべてのものはシンプルに認識される。だが、ある特別なものにだけ、彼の認識の解像度は飛躍的に向上する。
まさに、ぼくたちは空海(や最澄)の認識を(追)体験しているのだ。