伊岡瞬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
矯正できない根っからの悪
自分では手を下さず人を操り破壊していくことに喜びを覚える人間と、その人物が払う代償の話でした。
物理的なもの、精神的なものどちらも与えてきた彼には安い代償な気がしています。絶望させることなどできないのかもしれませんが、、恨んでいた主人公が幸せになることが一番かもしれないですね。
彼の悪意によって人生を壊された主人公は、代償を払わせることができたとしても、失ったものが大きすぎる。彼から逃れるため、彼の呪縛から逃れるためにもがき苦しんだことだけでも、彼の心は満たされてしまったんだろうと思います。
絶対に会いたくない、自分の周りにも自分の大切な人も周りにもいてほしくない -
Posted by ブクログ
ネタバレ80歳をすぎた高齢の父親の車の運転が危なっかしい…父は認知症かもしれない…免許証を返納させ、運転をやめさせなければ…そんな矢先に父親から『人を轢いたかもしれない』と言われる。それを発端に家庭が崩れてゆく…
なかなか身につまされる内容でした。我が家は父親が60歳で亡くなり、老齢の母親は健在であるが、これが逆に父が存命で年老いていたら…車の運転が心配なことに加え、中年女性と父親が親密な関係の噂が聞こえてくる。そして父親が轢き逃げ事件の重要参考人となり、マスコミが騒ぎ出す。
ネタバレになるが、父親はある人物に轢き逃げ犯にしたてられそうになるが事なきを得る。しかしながら、世の中は高齢者がハンドルを -
Posted by ブクログ
一人の女の子の成長を感じながら
事件の成り行きを見守る
小学生だった女の子美緒が成長して仕事をしながら
昔の事件を調べ始める
美緒が小学生から社会人となって
悲しい別れを経験する
初老の男永瀬との出会いにより
美緒の感じが変わっていく様子や
永瀬が向き合った自分の娘の事件
それを調べていく美緒の心の内がものすごく成長を感じた
自分の中の傷と向き合って
それが消化できなくても怒りが収まらなくても
それでも一つのけじめとして自分が納得する答えを出していく…
読み応えのある素晴らしい作品
ちなみに物語に全く関係ないけど
美緒の母のいとこである薫が私は読んでいて
好きだなと思った… -
Posted by ブクログ
以前読んだ『仮面』に登場した宮下刑事が、他の作品でも活躍していると知り読んでみました。私は、宮下刑事が好きです。地味だけど、キレ者で仕事が出来るところがいい。そんな軽いノリで読んだのだけど、内容は重い。ずしりと重い。読むのが辛くなって読むのや辞めてしまおうかと思ったりもした。でも、結局続きが気になって最後まで読めました。辛さをずしっと引きずるような話だったけど、面白かったです。
私が買った文庫の帯に書かれてことが、私の感想そのものだと思いました。最初は結婚詐欺の話かと思ってたら、どうも違う。魔性の女"サトウミサキ"が次々と罠にかけて人を破滅させていく。最初は嫌な女だと思う。でも"サトウミサキ -
Posted by ブクログ
ネタバレ立明(りつめい)大学の文学サークル『ヴェリテ』(フランス語で「真実」)は、ノンフィクション作家の泉蓮(いずみ れん)文学部教授が顧問を務めている。
泉は「松浦一家惨殺事件」を題材に『乙霧村の惨劇』という小説を上梓していた。
サークルメンバーの有志は、夏休みに馬籠宿方面への旅行を計画、ついでに泉蓮の小説の舞台となった「乙霧村」を見学に行くことになった。
第一部では、チャラい大学生たちがかつて凶悪事件のあった場所をミーハー気分で見に行って、立ち入り禁止の札がぶら下がる鎖を乗り越えて侵入した挙句に、過去の亡霊のような斧を持った大男に追い回されるという、なんというか自業自得の地獄絵図が展開された。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の敏明がクソすぎて
「なんだ?こいつ?」と、ずーっと
思いながら読んでたわ
とにかく『保身』
父親にも、奥さんにも、息子にも
愛情が全く感じられん
想像力も、隠蔽する力も
なんもなさすぎ
人として、薄っぺらぺら
高齢者ドライバーが自分の父親って設定
= もっと切ないストーリーを
想像してたのよ
共感できまくり…みたいな?
なのに、主人公性格悪すぎるわ
平気で嘘つくし
カケラも共感できんやん
最後、武の手記で終わったのは
良かった
結局、敏明以外の家族は
みんなまともやん
武の家を売った金で
慰謝料払うとか
マジ許せんわ
今後、自分が高齢になったら
事故起こして
つかまってし