伊岡瞬のレビュー一覧
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もう手に取ったら一日で読み切ってしまうとわかるくらい続きが気になってしまう作品。この村に訪れる登場人物が本当にミステリーの古屋敷で1人になっちゃう人くらいフラグをたてまくる。ジェットコースターのような大味の恐怖をまずあびて、ビクビクする。と思ったらとてつもなく静かな雰囲気になっていく。お化け屋敷とはまた違う、日常に戻っているはずなのに謎を残し続けているからかずっとまだ後ろに追いかけてくる人物がいるような感覚。最後の不穏さはもうどうしようもない。なぜまた再会というかあの場所に訪れる気持ちになったのか理解できないが最後の最後にこんな怖さを感じさせられるとは思わなかった。
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら伊岡作品を読むのはこれが初めてで、なのにどうして『代償』や『悪寒』などといった、作者を語るうえで欠かせないあれこれではなく本作を手に取ったかといえば、青春ミステリーが読みたかったからで、帯に「最も残酷で美しい青春ミステリー」とあったからです。
ですが、こんなに人生でも指折りの忘れられない読書体験になるなんて誰が予想できたでしょうか…
「泣ける!」と言われれば泣かないひねくれものですが、読みながら勝手に泣けて仕方がなかった。
その涙は、大きな物語の荒れた海の中に突き落とされたと思えば激しい波に揺られ続け、時折しょっぱい水を飲まされ、咽て、苦しい思いで這い上がった先にまた次の苦しみ -
Posted by ブクログ
『瑠璃の雫』罪と赦し。2つの家族の物語。
【本書の特徴】
『瑠璃の雫』は、著者伊岡瞬氏による3作目の作品です。子供が誘拐され、行方不明になった夫婦と父親が蒸発、母親がアルコール中毒という家庭に育った姉弟の物語です。
タイトルの「瑠璃」は、行方不明となった子供の名前です。
誘拐した犯人グループは誰なのか?その動機は何なのか?というミステリー要素よりも、被害者家族の気持ち、そしてその家族と出会う姉と弟の気持ちの描写に重きが置かれている小説です。
【物語のはじまり】
幼稚園児が公園で遊んでいたそのとき、近隣で精神異常者が暴れます。その暴動の裏で、園児が1名誘拐されました。園児の父親は「検事」です -
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序章
十万光年の花火
清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(四歳~八歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(八歳~十二歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/
坂井裕二(十二歳~十六歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/坂井裕二(十六歳)
海の扉
清田千遥(一九八八年七月)/坂井裕二(十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/坂井裕二(十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/
坂井裕二(一九八七年十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/
坂井裕二(一九八八年十九歳~二十歳)
終章
時が行きつ戻りつしながら千遥と裕二の世界がはっきりしてくる。序章の世界はどこにどうかかわるのかを推測しながら読んだ -
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この物語の展開と読ませ方‥好きです(告白?)。何というか、帯にある「最も残酷で美しい〜」の惹句に勝手に同調してしまいました(結構センチで一人で感動する傾向ありです)。
台風による土砂災害の「奔流」と毒親に狂わされた人生の「奔流」。荒れ狂ったように速く激しく流れるこの2つの「奔流」、その描き方と繋がり方に引き込まれ、心を深くえぐられました。
坂井裕二にとって記憶のある、4歳〜20歳までの物語に、現在の清田千遥の物語が交互に展開し、少しずつ交差し繋がっていきます。豪雨と毒親に翻弄された哀しい運命を辿るほどに、驚愕を覚え痛みを伴う読書体験でした。苦しいけれども読むことを止められない‥、この -
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押し屋や!
押し屋!
しかも、ムスコを!クルマに向かって押すの?
あっ!当たり屋やな。
一度は、偶然かもしれんけど、味しめてやるか?普通…
はい!コイツ!クズ確定!
父親失格!人間失格ですな…
そんなヤツがいっぱいいて、そこから脱出して、養子となって幸せになる。
しかし、周りにも同様の子らが…
という訳で、クズ親オンパレード!
ハァ〜 なんなん!コイツら!
死んだらええねん!
まぁ、死ぬんやけど…
ちょっと穿った見方かもしれんけど、過去を探る行為も今が恵まれてるからかもしれんね。
もう、今が幸せならええやん!
将来も約束されてるようなもんやし。
今の親もヤバい事してたとはいえ、そのヤバさ、 -
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『人は運命に抗うことができるのか』
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、乳飲み子を抱えながら 親戚の家への避難を決めるが…
後に「千里見の七夕崩れ」とよばれた大型台風は、多数の死者と行方不明者を出した。
それから20年後
千里見町の旅館『清風館』の娘 清田千遥は、自分をこの町から連れ出してくれる「白馬の騎士」を待っていた。 東京の大学への進学が決まっていた矢先に 父親を轢き逃げで亡くし 旅館は閉店休業状態。精神的に不安定になった母親を一人残して上京することも出来ずに