あらすじ
小6の少女・朋美が誘拐され、殺された。捕まったのは少年3人。だが少年法に守られ、「獣」は再び野に放たれた。4年後、犯人の1人が転落死する。失踪した朋美の父・俊彦が復讐に動いたのか? 朋美の元担任・香織はある秘密を抱えながら転落現場に向かうのだが――。“慈悲なき世界”に生きることの意味を問う、著者集大成!
【文庫書き下ろし】
「やつは獣だ」
家族×愛情×憎悪×暴力×裏切り×誠実×応報×赦し
『代償』『悪寒』の著者渾身の衝撃作
伊岡ワールドの真髄!
すべては少女誘拐惨殺事件から始まった。
娘の父 元担任教師 フリーライターが、
慈悲も正義もないこの世界で、
圧倒的暴力に立ち向かう!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いくら寅ちゃんや多岐川さんが頑張っても、愛の少年法では今の少年犯罪には対処しきれないと思います。凶悪犯罪を犯した子どもは大人と同じように処罰すべき。むしろ大人より厳しい罰で良いくらいだと思います。たとえ家庭環境が悪い子供でもです。特にこの本のような犯罪者には更生の機会など与える必要はありません。こんな奴らはどうせ更生など不可能、死ぬまで犯罪を繰り返すだけです。「赤ん坊はどの親のもとに生まれてくるかで人生の半分は決まる」まさにその通りです。子供と一緒に親にも責任を負わせるべきでしょう。
Posted by ブクログ
最後の最後で二転三転して面白かった。
やはり悪者は子どもだろうが大人だろうが更生しないものなのか。少年だろうが何だろうが、悪意と殺意を持って犯行に及んだのであれば、厳重に罰せられるべき。
しかし一夜の過ちの罪の意識だけで、我が身を投げ出せるものなのか、いつも理解に苦しむ。
エンディングに少しだけほっこりさせられたのも評価アップ。
Posted by ブクログ
『この世に神の慈悲などない。ただ、まっ白な闇が広がっているばかりだ。』
この一行に震えました。
小学六年生の少女・朋美が誘拐され殺された。しかし、捕まったのは少年3人で、彼らは少年法に守られ、再び世に放たれた...
4年後、少年たちの1人が転落死する。果たして、遺族による復讐なのか?
朋美の元担任・北原 香織は、ある秘密を抱えながら、真実を求めて転落現場に向かう。
様々な謎がいく層にも重なり、真実は闇の中ですが、少しずつベールが剥がれていきます。
ジャーナリストの秋山と、元担任の北原の2人が眼にする真実とは?
そして、最後に北原が取った決断とは?
本当に神の慈悲は無いのか、分かりませんが、今後の関係者に幸多かれと祈ります。
Posted by ブクログ
重い内容だったけど、最後に一縷の救いかな。
でも、父親と元担任は一生悔やみ続けるんだろうな。。
この手の話って、薬丸岳さんと並ぶうまさだと思う。
Posted by ブクログ
伊岡瞬作品という事で、胸糞です。
同情出来る部分がほぼ描かれない犯人たちと、同情を誘う過去を描かれた主人公が犯した罪、お互いの衝動が複雑に絡み合った結果事件に発展した、という因果に自分で落とし前をつけた事を喜ぶべきか…
完結をハッピーエンドと見るかどうかは好みが分かれると思いますが、本筋には沿わない部分なのでまあこの終わり方でもいいかな〜と思いました。
Posted by ブクログ
妹から見た姉の見えていなかった部分がどんどん明かされていくのが、ドキドキ…秘密を盗み見しているような話だった。他の誉田哲也作品も読みたくなった。
Posted by ブクログ
さすが伊岡作品。読みやすい。
少年犯罪について考えさせられた。
そんなに驚くような展開はなく、無難にまとまった感。
最後にいきなり爽やかな話題が出てちょっとびっくりした笑
Posted by ブクログ
自分の好きな題材であるが故、よくある設定だなぁ、と読み進める。捻りのある部分である、主人公の事件への関わり合いや、産婦人科の問題が後々明らかにされていく。
主人公が自分勝手で好きになれなかった。どんな理由があれ、奥さんの元に訪問はできないはず。結末も、奥さんはどう思うんだろう、とモヤモヤ。
Posted by ブクログ
小学6年の娘が少年3人に殺されてしまう。少年法が壁となり、処分は軽い。少年院送りになった子が一般社会に戻ってから数年たったころに、3人の内、2人が事故と思われる状態で死亡する。そこに引っ掛かりを覚えた人々が本当はどうなのかを調べていく。この手の話はどこかで読んだようなストーリー。主人公の女性も嫌なタイプ。でも最後まで読まされた。伊岡瞬さんらしい小説でした。
Posted by ブクログ
少年犯罪や少年法をテーマにした作品を好んで読むことが多い。守るべきは被害者や遺族なのに、蔑ろにされる描写はどの作品であっても心苦しくなるしやるせない。
過剰に保護される加害者たちは、少年法を逆手に取り、反省など微塵もせずに犯罪を重ねていく。
この作品に登場する少年たちもまさしくそれで、生きてる価値すらないクソ共が!!と読んでる間本当に腹立たしかった。
伏線もしっかり回収されてるし、犯人もまさかな人物で面白かった。
いなくなった人は二度と戻らない、犯した過ちも無かったことにはならない。そう思うと一縷の望みを感じるラストではあったが、モヤモヤしてしまう。
Posted by ブクログ
事件の内容が痛ましく、また、描写がリアルすぎて、読み進めるのが辛くなるほどのリアリティだった。
作者自身も世に出すのを迷ったと書いてあるが、あまりの写実さが与える影響などを考慮してのことだろう。
確かに言う通り、予備知識などなくても、背景を理解しやすいが、その分感情的に入り込みやすく、辛すぎる部分は多かった。いろいろと救われない中で最後に唯一の幸せな部分があり、救われた。
Posted by ブクログ
2023.11.03
救いのない現実だからこそ哀しみしか感じない。自分も40歳のときに授かった子を持つため余計にリアリティを感じる。
毎日を丁寧に生きていないととんでもない後悔をすることになるとも感じた。
Posted by ブクログ
少年犯罪の残虐さを感じた。少年法で守られた挙げ句被害者家族の苦痛も感じた。そして自分を責めて後悔し続けて生きている人たちの人生観もすごく響いた。そして笹井さんのサーカスの獣の話がすごくずしっときた。
一度人間を襲うと外にでれるとわかった獣は同じことを繰り返すみたいな話がこの物語の全てを語ってるような感じがした。重たさを感じる読み答えのある小説でした。
Posted by ブクログ
少年法とは、罰するために存在するのではない。
被告ではなく、保護されるべき対象。
【罪を犯した加害者】ではなく、保護者 社会のせいで罪を犯してしまった被害者。とされている。
これは自論だけれど、この上記の少年法理念は非常に腹が立つ。もっと汚い言い方をすればクソだ。
少年の獣にも制裁がある社会が実現できると信じたいな…
伊岡瞬さんの小説これからもたくさん読んでいきたい。勉強になりました。
奥さんの気持ちを思うと胸が痛い
読みやすく、あっという間に読了。
ただ、娘を失ったその日に夫が娘の担任と浮気していたと知った朋美ちゃんのお母さんの気持ちを思うと、胸が痛くてたまりません。
本文中に香織さんが由紀子さんに対して、直接あの日の件に関して謝罪をしている場面が無かったのが個人的には納得いきませんでした。
そのためか全く香織さんに感情移入することができず、秋山が香織にどう考えても惚れている描写や、由紀子が香織に怪我を負わせたと知った瞬間、秋山が由紀子の家を睨む描写、秋山と香織の恋愛要素などには若干の不快感を覚えました。
胸糞の悪さで有名な伊岡ワールドは好きですが、今回は個人的な都合で胸糞の悪さを大いに感じました。
Posted by ブクログ
東野圭吾さんの「さまよう刃」を思い出しました。
性悪な少年たちに胸糞悪くなる。
それでも少年法に守られてしまう加害者たち。
法の不備を感じ、やるせない気持ちになる。
北原香織も、滝沢俊彦が自分を責める気持ちはわかるが、山岡を呼び出してからの不確実かつリスキーな作戦にはまったく共感できなかった。
特に香織はそこまでリスクを負う必要があったのか。
あと、赤ちゃん取り違えは拍子抜けしたというか、うーん、違う設定にしてほしかったな。
Posted by ブクログ
もし自分の身に起こったことなら
もし自分の娘がこんな目にあったとしたら
もし犯人の少年たちの態度が
小説の中と同じだとしたら…
辛すぎる。
感動はしなかったが、かなりの問題作。
Posted by ブクログ
さすがの胸糞の悪さ
褒めてます
少年法によって守られた奴らの話
ただ最後の方はなんとなく強引感だったり出来すぎ感があったかも
伊岡瞬独特の胸糞悪さは存分に楽しめます
Posted by ブクログ
今回は、少年犯罪。
胸苦しい展開で、読んでいてムカムカしてくる。
少年法の問題は非常に難しい問題だから、こうして作品になると、また色々と考えさせられる。
なんか辛いわ。
Posted by ブクログ
辛い話だったけど、終わり方がハッピーでもバッドエンドでもなくてなんだか落ち着いた。
自分はまだ誰かの格言的な「文字」を読むのが苦手だな〜あまり入ってこない
Posted by ブクログ
あとがきにあるように少年法に訴える作品ではないのはわかる。
けど、少年法に関して色々考えさせられる。
獣のような少年はこの世に必ずいてて、その少年を改心させるのが法の趣旨なら、そんな法律は間違ってる。
小説の中にあったようなとんでもない少年は存在してるし、被害に遭ったことを運が悪かっただけと終わることなんてできやしない。
皆、当事者にならないと考えないものというセリフがあるが、この言葉が正しい。
もっと社会の不条理にも目を凝らして、考えなければいけないな。
内容は、理不尽に少女を殺した少年らが殺害されていき、その背景にある闇を元教師が追っていくというもの。
犯人の出所や山岡の存在に少し違和感を感じたけど、読み応えあり、家族の大切さも再確認させてもらえた
Posted by ブクログ
12歳の誕生日に中学入学を控えた朋美が、中学3年生3人に暴行され、橋から投げ落とされ亡くなった。3人は少年法のもと処分されたが、反省は見られない。4年後、そのうちの2人が転落死する。父俊彦の犯行か?朋美の元担任の香織とライターの秋山が行方不明の俊彦の行方を捜す…。
時代設定は2000年と2004年の時代設定。昭和の男性が書いたって感じがする作品でした。
香織が俊彦を探す理由が好きじゃなかったなぁ。
良い人と悪い人がはっきり分かれているせいか読みやすかった。
次から次へと話が展開していって、ぐんぐん読み進めることができます。
Posted by ブクログ
これは辛い、重い物語。
テーマは少年法。
薬丸岳を思い出させるテーマです。
小6の少女朋美が誘拐され殺害されます。
犯人は3人の少年。しかし、少年法に守られ、再び社会に戻ってきます。
4年後、その1人が転落死。
朋美の父親はの俊彦は失踪。
俊彦の復讐なのか?
そして、もう一人も不審死。
と、ありがちの展開ですが、ここからの味付けは伊岡流。
この事件の真相をジャーナリストの秋山と少女の元担任の香織が追うことになります。
なんで、元担任がここまでこだわるの?この香織の行動が変だなぁって思っていたら、なるほどそういうことですか。つらい。
そして、事件の真相は?
ということで、これまた辛い。驚きの展開でした。
さらに、最後、香織がとった行動が...
救われることを祈ります。
あとがきに書かれた筆者の言葉。
「この世界に神の慈悲などない。ただ、真っ白な闇が広がっているばかりだ。」
しかし、娘を持つ父親として、このような事件が起きたら、自分ならどうするか?
さらには、その事件当日に、自分がとっていた行動が..
後悔と犯人に対する憎悪。
とても、辛い物語でした。
Posted by ブクログ
「少年法」がテーマの作品は、暴力のシーンや被害者の家族が苦悩する場面があって読むのが辛くなります。
被害者の家族が復讐するのかと思いきや?!まさかの展開に驚きでした。