伊岡瞬のレビュー一覧
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北陸の岩森村を舞台に、失踪した駐在警官を追う調査官・樋口が、村に隠された深い闇へと近づいていく物語。
穏やかに見える村の裏では、児童養護施設や老人ホーム、病院などを備えた巨大施設が存在し、“行き場のない人たち”を受け入れる代わりに、新薬の臨床実験に関わらせるという恐ろしい実態が隠されていた。
視点人物が多く、最初は少し整理しながら読む感じだったけれど、二日間に起こる出来事の密度がとても濃く、最後まで緊張感が途切れなかった。犯人探しというより、「なぜこんなことが起きたのか」を追いかけていくミステリで、少しずつ全体像が見えてくる面白さがあった。
現在の事件だけでなく、17年前の樋口の過去も大き -
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昨今の高齢ドライバーによる事故の問題を
提起した作品かと思って読んでいたら、
高齢ドライバーの事故によって、普通の家庭が
崩壊していくサスペンスだった。
敏明は父親を心配しているように見えるがそれは
保身からであり、妻の香苗に詳しい事を話さない。息子の幹人とはうまくいっておらず、息子は自分とは口もきかない。そんな息子は実は祖父と仲が良く、祖父の武は幹人のやりたい事をひそかに応援していることなど、敏明は全く知らなかった。
敏明が後に、大きな分岐点があったとしたら
渓谷でそれらしきものを見つけた時、武に訊かれて「何もない」と答えてしまった瞬間だったと述べて
いるが、実はその前から家族内の崩壊は始 -
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ネタバレ父は出ていき、母はアルコール中毒で入退院を繰り返す不安定な家庭の中で暮らす美緒と充が足の不自由な元検事の丈太郎に出会う第一章、一人娘の瑠璃が誘拐され、その足取りを掴めないまま過ぎる丈太郎の検事時代を描く第二章、丈太郎の死を受けて瑠璃の事件の真相を追う第三章と、過去の話を途中に挟むことでストーリーが単調にならず、すいすいと読み進めることができた。瑠璃の事件の真相というよりは、丈太郎の妻・初枝が犯すことになってしまった罪と、美緒、充の弟・穰の死の真相が終盤の柱となり、若干尻すぼみ感もあったが、ラストの決断に美緒の精神的成長を感じ、明るい話ではないものの救われた気持ちになった。持ち前の明るさで兄弟を
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ネタバレ序盤は中年男性、フリーター男性、高齢女性などそれぞれのストーリーが描かれ、サトウミサキという女性が軸となり繋がっていることがわかるも、その真相は見えない。後半では、宮下と安井という刑事コンビの視点からある殺人事件の捜査を追うが、これが前半のそれぞれの人物、そしてサトウミサキに結びついていき、ある意味解決編のような形で、ラストに近づくに従い一気に読んでしまった。
サトウミサキによる、弟をいじめていたメンバーへの敵討ちのような格好だが、その関係は複雑に絡み合い、ミサキ自身にも抗えない「本性」があることが伺えるなど、ストーリーの奥底に潜む黒いものが見え隠れする点は、「代償」にも通ずるものがあると感 -
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伊岡瞬が描く、クズの本性にスーパースターの仮面をかぶせた男。
練り上げられた素性と経歴。
生まれ持ったビジュアル。
それらを武器に、テレビをはじめとする報道の世界で彼は輝き始める。
だが、この物語で仮面を持つのは、主人公のクズだけではない。
被害者も、刑事も、それぞれが他人に見せる顔を持っている。
本人が作る仮面と、本心としてのもう一つの顔。
そして、その断片から社会が作り上げてしまう虚像。
読みながら、いくつかの実際の事件を思い出していきます。
学歴詐称が暴かれたコメンテーターの騒動。
身体的な障害を詐称していた音楽家。
被害者本人が映画化まで踏み込んだ、あの事件。
本作が特定の事