伊岡瞬のレビュー一覧
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ネタバレ序盤は中年男性、フリーター男性、高齢女性などそれぞれのストーリーが描かれ、サトウミサキという女性が軸となり繋がっていることがわかるも、その真相は見えない。後半では、宮下と安井という刑事コンビの視点からある殺人事件の捜査を追うが、これが前半のそれぞれの人物、そしてサトウミサキに結びついていき、ある意味解決編のような形で、ラストに近づくに従い一気に読んでしまった。
サトウミサキによる、弟をいじめていたメンバーへの敵討ちのような格好だが、その関係は複雑に絡み合い、ミサキ自身にも抗えない「本性」があることが伺えるなど、ストーリーの奥底に潜む黒いものが見え隠れする点は、「代償」にも通ずるものがあると感 -
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伊岡瞬が描く、クズの本性にスーパースターの仮面をかぶせた男。
練り上げられた素性と経歴。
生まれ持ったビジュアル。
それらを武器に、テレビをはじめとする報道の世界で彼は輝き始める。
だが、この物語で仮面を持つのは、主人公のクズだけではない。
被害者も、刑事も、それぞれが他人に見せる顔を持っている。
本人が作る仮面と、本心としてのもう一つの顔。
そして、その断片から社会が作り上げてしまう虚像。
読みながら、いくつかの実際の事件を思い出していきます。
学歴詐称が暴かれたコメンテーターの騒動。
身体的な障害を詐称していた音楽家。
被害者本人が映画化まで踏み込んだ、あの事件。
本作が特定の事 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不思議な力をもつ中年男・春輝。
北関東から上京して働いているが自分の状況の不満を抱いている若者・楓太。
タイトルの祈りというのは、物語ラストで春輝が強く祈ることだろう。
春輝の子供時代からの話がかわいそうでなぁ。
特殊な力を、唯一友達だと思っていた子に教えたら、バスケチームのメンバーに選ばれて活躍してしまったせいで嫉妬されて周囲にバラされ気味悪がられ。
マスコミに囲まれて父親もおかしくなってしまう。
中学に入り、心を許せる女子真澄と出会ったものの、能力について嘘をついてたことで仲直りできないまま死に別れ。
就職しても子供時代からの恨みで嫌がらせを継続されて職を点々として、ついには路上生活に。 -
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10年ほど前インフルエンザの特効薬タミフルを飲んで異常行動が起きる可能性があると注意喚起していたことを思い出した
コロナ禍が終着して数年しか経たないが当時ニュースで飛び交ってた集団免疫やクラスターなどを目にすると何十年も前の出来事のような気がする
ウィルス、ワクチン、免疫機能など完全に理解するのは難しいが、ここ何年かで理解が深まったからがすんなりと物語に入り込むことができた
物語は錯乱状態になった末自殺に陥る症状が人を介し連鎖していく恐ろしい展開だ
たまたま自殺した人の側にいただけで数週間後同じ症状で命を落とすとしたらコロナよりも恐ろしい
久しぶりに伊岡瞬の作品を読み、新しい作品をまた読み -
Posted by ブクログ
伊岡瞬さんのデビュー作であり、2005年第25回横溝正史ミステリ大賞・テレビ東京賞受賞のハードボイルド小説です。
主人公の元刑事である尾木がボコボコにされるシーンが多く、今度こそ肋骨が内臓に突き刺さってしまうのでは?とハラハラし通しでした。それにしても不死身な身体にビックリ。
尾木が何故刑事を辞めなければならなかったのか?そして売りに出している自宅に居候を3人も置いているのは何故なのか?
尾木自身の身の上に起きた事も何という事かと思ったけれど、居候している恭子さんは不運だけでは済まされない、加害者からの執拗な攻撃に怒りが収まりませんでした。
不死身の元刑事の人情味溢れるストーリーとヤク