あらすじ
『痣』の名コンビ宮下刑事&真壁刑事が帰ってきた!
【著者からのコメント】
真壁、宮下という〝無茶〟な刑事コンビが初登場した作品が『痣』(徳間文庫)でした。
その後、この2人に人気が出て、わたしの作としてはめずらしくキャラがひとり歩きし、版元をまたいであちこちの作品に登場することとなりました。(少しでも顔を出している作品の総部数は80万部を超えます)
あの二人組が、本作『水脈』で、堂々〝主役〟として戻ってきます。
そして、シリーズものを書かないわたしとしては、初の「続編」チャレンジになります。
今回は、エリート血統の帰国子女という「お荷物」のお守りをしながら、未知の闇に挑みます。
事件を解決するのか、ぶち壊すのか。最後まで流れゆく先がわからない『水脈』をご堪能いただければと思います。
【あらすじ】
神田川の護岸に設けられた排水口から、遺体が発見された。
台風の雨で増水した影響で、遺体は地下水路の「暗渠」を通って流れ着いたようだ。死後数日経過しており、猛暑で一部は腐敗も始まっていた。
和泉署に合同捜査本部が立てられ、宮下は久しぶりに真壁と組むことになるのだが、そこには“お客様”も加わることになった。
暗渠に妙に詳しいその客は謎に包まれていた――。
この事件は濁流のひとつにすぎない。
地底には、見えない「水路」が無数に広がっている――
【主な登場人物】
・宮下真人 警視庁高円寺北署、刑事課所属。奥多摩分署時代、真壁と組んでいた。
・真壁修 奥多摩分署から警視庁捜査一課へ引き抜かれる。現在は特務班所属。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
殺人事件の捜査と、一人暮らしの老女ととある母子のふれあいの双方の物語が展開されていき、最終的には悲惨な事件となってしまう…
物語の主題は特殊詐欺
世間を騒がせる犯罪の背景や闇がリアルに表現されており、なんだか酷い時代になってしまったな、と読んでいて少し憂鬱になりそう
特殊詐欺のような犯罪が起きてしまう社会の病態を水脈に例えてるのは、なるほどよく纏まってるなと思った
Posted by ブクログ
捜査と犯行状況を交互に描写。二場面にタイムラグあり。事件の隠蔽を画策する警察や半グレ強盗らに怒り心頭。宮下&真壁コンビ復活が霞む。過疎化、空き家問題、独居老人、闇バイト…様々な社会問題が絡むミステリ。
Posted by ブクログ
真壁警部と宮下のコンビが久しぶりに復活!
「痣」の奥多摩時代から、「仮面」で大きく成長した宮下と、鋭さは相変わらずで少し丸く?なった真壁がコンビを組んで活躍する姿が見れて嬉しい!
テーマは暗渠、特殊詐欺、公安捜査など
Posted by ブクログ
増水した水路から遺体が発見され、暗渠から流れ着いたらしいのだが、遺棄地点の特定に難航する捜査陣。所轄刑事の主人公は、大学院の研究のため、捜査に同行している警視庁幹部の親戚のお供をしている捜査1課の遊軍刑事とともに調査を始めるが・・・
捜査の章と並行して語られる、ある女性のエピソード。時間軸をずらすことで、事件の謎が解明したときの爽快感は増しているなとは思いますが、不幸な未来が見えているのに、そこに至ってしまうのが辛いところ。
あと、犯人の登場の唐突感もありますね。矛盾はないのですが。
このまま主人公の2人を「相棒」にはめ込んでもドラマにできそうです。
Posted by ブクログ
途中まではとてもよかった。連載だったらしいが、打ち切りになったのかと思うほどラストがはしょりすぎ。もっと犯人についてページをさいてほしかったな。結局コンビと「お守り」を書きたかったのか?
Posted by ブクログ
宮下刑事、真壁刑事シリーズ。
本の分厚さに圧倒されましたが、続きが気になってあっという間に読み終わりました。以前の作品の方が物語のスピード感はあったような気がします。
Posted by ブクログ
「痣」の続編ともいえる宮下&真壁刑事コンビもの。「痣」以上に素晴らしいプロットで、コンビの掛け合い含め存分に楽しめるが、それだけにラストの真犯人のショボさが悪目立ちして読後感があまりよくないところが難点。。
Posted by ブクログ
都会に存在する暗渠から流れついた死体… 外れもの刑事たちが組織の軋轢と難事件に挑む警察小説 #水脈
■あらすじ
東京は杉並区の神田川で男性の水死体が見つかった。どうやら地下水脈である暗渠から流れついた遺体だった。
管轄の警察署で捜査が始まるも、真壁と宮下刑事は社会行動学を研究している女学生の捜査取材に付き合わされることに。警察官僚の姪である彼女のため、彼らは渋々ながら捜査協力をしていく。さらに第二の事件が発生してしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
都会にひっそりと存在する暗渠、水位管理のために作られた水のネットワーク。街中を散歩していると、コンクリで蓋がされている空間だったり、水もないのに古い橋があったりして、街づくりを想像できて興味深いものです。本作はそんな暗渠がテーマになっている、人込みで密かに行われている犯罪を切り取った警察小説です。
渋い警察小説ですね。警察内部に身を置く刑事たちのリアルさったらない。端から見ると仲良くやれよと思うのですが、それぞれな立場があるようで距離感の取り方が絶妙。現実の警察でも大なり小なりありそうで、ちょっと嫌だ。
そんなやりにくい状況ながらも、主人公二人の刑事がやってくれます。
・真壁
まさにベテラン刑事で、人を見るプロ、人から情報を引き出すプロ。この人には隠し事や嘘は通じない。でも独断でチームプレイを乱すことからはみ出し者、刑事ドラマに必ずいそう。
・宮下
正義感を心に秘めた、ちゃんとした公務員。頼りなさそうな感じもするけど、実は勇気と行動力がある切れ者で、こんな人が日本の治安を守ってくれると思うと安心ですね。
この二人が大胆不敵ながらも芯を突いた推理、考察に感心するんですよね~ 事件捜査っていうより、特に警察内部の情報収集や駆け引き、立ち回りには唸らされてしまいました。なんか一般企業で仕事を進めるための動きとも似ていて、どこの人間もやることは同じだなぁ。結果を出す人はコミュニケーション力が長けてますよね。
中盤以降は徐々に事件の背景や関係者が見えてくる。捜査とは別に挟まれていた、老婆と恵まれない母娘のショートストーリー展開がなんとも… 悲しくも読み手を熱くさせるシーンが強烈で、こんな社会に誰がしたんだと叫ばずにはいられない。
そして今回の事件のバックストーリーがまさに暗渠のよう。人から見えないように隠し、陰では水が流れるようにしておく。しかし何かのきっかけで水詰まりのトラブルが起きた時、どうなってしまうのか。そりゃ必要性も分かるんだけど、プライドと保身が招いた結果がコレかよって感じで許せない。
社会派映画をまるまる一本見たような、厚みのある骨太作品でした。面白かった!
■ぜっさん推しポイント
上級国民という格差社会を揶揄した言葉があります。こんな言葉が生まれること自体がやるせない。完全な平等なんて存在しないのは分かりますが、昨今あまりに社会的立場や経済格差の激しさを痛感しますね。
こういった小説を読むと、ひとりひとりの人間性の問題よりも、社会の問題なんだと学ぶことができます。隠れたところでひっそりと流れるしかない人たちを救うには、まずは居場所をつくってあげることだと思うのですが、やっぱり自分が可愛いのも理解できるし…なんとも途方に暮れてしまう気持ちが押し寄せてきました。
Posted by ブクログ
神田川護岸の排水口から地下水路を通って流れてきた遺体が発見され、真壁、宮下コンビが犯人を追う。特殊詐欺や闇バイト、犯罪組織の闇は深い。都市の地下には張り巡らされた水路があり、世の中には、人の不公平感や鬱屈した不満が湧き出て大きな流れとなった地下水脈が流れている。
Posted by ブクログ
真壁・宮下 刑事にまた会えたー!!
今回は女子大院生というお荷物を抱えての捜査で新鮮だった。
暗渠を通って流れ着いた水死体。
夫に先立たれ一人で暮らしている老婦人。
家庭内暴力に苦しむ母娘。
三つの事がどう繋がるのか、また女子大院生の謎が知りたくて一気読み。
読んでいてルフィ事件を思い出した。
連載中にちょうどルフィ事件が取り上げられたとのことでびっくり。特殊詐欺、犯罪についてやり切れない思いを感じた。
人間の不満や鬱屈が最初は小さな雫から、小川となり地下に流れやがて大きな川となる…
大きな川となってからでは流れに逆らえない。
Posted by ブクログ
警視庁捜査一課の真壁と高円寺北署の宮下が、神田川に流れ込む排水口で拷問を受けた痕跡のある遺体が見つかった事件を追う。
警察幹部から大学生の姪が論文を書く為に、宮下と真壁に同行する事となってゆく。
が、彼女は暗渠や地下水流に意外な知識を持つのは何故か?2人の刑事の違和感はそこから大きく残忍で救いようのない問題へと繋がってゆくのだった。
後半で明かされる事実の為に、少し長めの特殊詐欺犯と高齢女性との件や、発見された遺体の身元に関する事実は、読者をある方向へ誘導させるが本作の結末には意外な展開が用意されていた。
予測を覆された事が満足感を充足させてくれた。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙に引き込まれるように一気読み。間壁と宮下コンビにまた会えた喜びも束の間、現代社会の闇がキツイ。
合間の朝乃のパートに胸が痛む。優しくされたり、大事にされた記憶がいつか心に届いて、違う未来を選べるように成長してほしいと強く願う。
Posted by ブクログ
面白くて引き込まれるところと、読んでいても瞼がどんどん重くなるところがありました。最後は、私的には、少し肩透かし。ヒロインのキャラが弱いのかなあ?
朝乃さんのストーリーが、とても切なかったです。
どうやら、この本は、前があるようなので、そっちから読めばよかった!です。
Posted by ブクログ
特殊詐欺は現在の社会問題にも
なって居て、その全貌解明には
現実の警察も手を焼いている。
小説の中の警察の事件隠蔽は
見えない暗渠と同様、特殊詐欺も
元の水源を断たなければ無くならない
のが現実だろう。
Posted by ブクログ
最後の最後の数行だけホッコリしたけとその他はなんとも言えないかんじ
DVから逃げてるように見える可哀想な母子を助けたのに、それが強盗の仲間だったって怖すぎるし悲しすぎる
なんだよそれ
可哀想すぎる
公安とやらは本当に存在してやっぱり秘密の機関なのかしら?
闇深いな~と
マンホールの中とか怖すぎる
朝乃さんが不憫すぎる
犯人はなんかぽっと出というかなんというか、、、
Posted by ブクログ
真壁、宮下コンビによる刑事物。大学院生の研究のためお守りを拝命し3人で暗渠に流れついた遺体の捜査に。特殊詐欺や強盗の残忍な手口に虫唾が走る。
この作品を読んで暗渠の存在も何やら不気味に思えてきた。
真壁、宮下の付かず離れずの安定のバディ、2人の会話が楽しい。
またカバーの写真が素晴らしい。
Posted by ブクログ
悪くはないけど目新しさもない。宮下巡査部長が出て来た所でお馴染みの真壁氏も登場するだろうな的な漠然としたデジャブ感が全体を覆っていた。やたらに上層部が出てくるが隠蔽体質ばかりで残念。内容は?だが伊岡氏の誠実な文章で☆3
Posted by ブクログ
中盤を超えたあたりから、はまり込んでいった。
善良な人と善良な心が踏み躙られて
本当やだな。
人を痛めつける、どうしようもない人達、
どうにかならないかな。
Posted by ブクログ
最後まで犯人わからず わかった時もふーん…という感じ
警察がそこまで潜入させるかなぁ???
いくらなんでもちょっと…
朝乃さんの弟も犯人たちに直接会いに行くってありえない
Posted by ブクログ
同時進行してるかに見えた2つの舞台が実は時間差で、というギミックは良かった。なかなか真相がわからず、最後に犯人の独演会パターンなのは残念だった。動機も無理があった
Posted by ブクログ
真相に近づくほど、引き込まれていくが、最後の最後まで犯人像が見えず、動機がちょっと無理矢理っぽい感じが少し残念。
でも最後まで一気読みするほど面白かった。
Posted by ブクログ
宮下・真壁刑事コンビシリーズ第二弾。今回のテーマは「暗渠」。
読んでいても、なかなか没入できない面がある。読後感も余韻があるものでもなかった。まぁ普通かな。