伊岡瞬のレビュー一覧
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恥ずかしながら伊岡作品を読むのはこれが初めてで、なのにどうして『代償』や『悪寒』などといった、作者を語るうえで欠かせないあれこれではなく本作を手に取ったかといえば、青春ミステリーが読みたかったからで、帯に「最も残酷で美しい青春ミステリー」とあったからです。
ですが、こんなに人生でも指折りの忘れられない読書体験になるなんて誰が予想できたでしょうか…
「泣ける!」と言われれば泣かないひねくれものですが、読みながら勝手に泣けて仕方がなかった。
その涙は、大きな物語の荒れた海の中に突き落とされたと思えば激しい波に揺られ続け、時折しょっぱい水を飲まされ、咽て、苦しい思いで這い上がった先にまた次の苦しみ -
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『瑠璃の雫』罪と赦し。2つの家族の物語。
【本書の特徴】
『瑠璃の雫』は、著者伊岡瞬氏による3作目の作品です。子供が誘拐され、行方不明になった夫婦と父親が蒸発、母親がアルコール中毒という家庭に育った姉弟の物語です。
タイトルの「瑠璃」は、行方不明となった子供の名前です。
誘拐した犯人グループは誰なのか?その動機は何なのか?というミステリー要素よりも、被害者家族の気持ち、そしてその家族と出会う姉と弟の気持ちの描写に重きが置かれている小説です。
【物語のはじまり】
幼稚園児が公園で遊んでいたそのとき、近隣で精神異常者が暴れます。その暴動の裏で、園児が1名誘拐されました。園児の父親は「検事」です -
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序章
十万光年の花火
清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(四歳~八歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/津村裕二(八歳~十二歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/
坂井裕二(十二歳~十六歳)/
清田千遥(一九八八年三月)/坂井裕二(十六歳)
海の扉
清田千遥(一九八八年七月)/坂井裕二(十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/坂井裕二(十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/
坂井裕二(一九八七年十九歳)/
清田千遥(一九八八年七月)/
坂井裕二(一九八八年十九歳~二十歳)
終章
時が行きつ戻りつしながら千遥と裕二の世界がはっきりしてくる。序章の世界はどこにどうかかわるのかを推測しながら読んだ -
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この物語の展開と読ませ方‥好きです(告白?)。何というか、帯にある「最も残酷で美しい〜」の惹句に勝手に同調してしまいました(結構センチで一人で感動する傾向ありです)。
台風による土砂災害の「奔流」と毒親に狂わされた人生の「奔流」。荒れ狂ったように速く激しく流れるこの2つの「奔流」、その描き方と繋がり方に引き込まれ、心を深くえぐられました。
坂井裕二にとって記憶のある、4歳〜20歳までの物語に、現在の清田千遥の物語が交互に展開し、少しずつ交差し繋がっていきます。豪雨と毒親に翻弄された哀しい運命を辿るほどに、驚愕を覚え痛みを伴う読書体験でした。苦しいけれども読むことを止められない‥、この -
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押し屋や!
押し屋!
しかも、ムスコを!クルマに向かって押すの?
あっ!当たり屋やな。
一度は、偶然かもしれんけど、味しめてやるか?普通…
はい!コイツ!クズ確定!
父親失格!人間失格ですな…
そんなヤツがいっぱいいて、そこから脱出して、養子となって幸せになる。
しかし、周りにも同様の子らが…
という訳で、クズ親オンパレード!
ハァ〜 なんなん!コイツら!
死んだらええねん!
まぁ、死ぬんやけど…
ちょっと穿った見方かもしれんけど、過去を探る行為も今が恵まれてるからかもしれんね。
もう、今が幸せならええやん!
将来も約束されてるようなもんやし。
今の親もヤバい事してたとはいえ、そのヤバさ、 -
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『人は運命に抗うことができるのか』
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、乳飲み子を抱えながら 親戚の家への避難を決めるが…
後に「千里見の七夕崩れ」とよばれた大型台風は、多数の死者と行方不明者を出した。
それから20年後
千里見町の旅館『清風館』の娘 清田千遥は、自分をこの町から連れ出してくれる「白馬の騎士」を待っていた。 東京の大学への進学が決まっていた矢先に 父親を轢き逃げで亡くし 旅館は閉店休業状態。精神的に不安定になった母親を一人残して上京することも出来ずに -
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ネタバレ深く複雑で壮大
過去から現在にかけて2人の人生が近づいていく。
裕二には幸せになってほしい。
坂井隆はきっといい人であってほしい。
そう願いながら読み、裏切られ、
それでも助かった子供がいるならいいと思った。
「わたしはお母さんの子だけど、お母さんのための子じゃないんだよ」
この言葉はとても心に刺さった。
母の思いと娘の思いは時にすれ違う。
それは相手のことを思うからこそだろう。
私自身、この言葉は忘れずにいたい。
裕二の産みの母、昭代の長い長い20年、
庭に立て看板を立てた思い、
再会できた時の気持ちは想像すらできない。
千遥の父の苦しみも
時枝の苦しみも。
様々な要素が絡み合 -
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初めてコロナが発生した時ってこんな感じだったんだろうなあ、と思える作品。
ある男がホームに来た電車に飛び込んで自殺する、という衝撃的な場面から物語が始まる。その処理に関わった人間も連鎖的に自殺してしまう。自殺した人間に共通点はあるけど、はっきりした事は言えない。同僚の自殺に納得がいかなかった刑事の永瀬は、真相を探ろうとする。そして、題名にもなっている"赤い砂"と呼ばれているウイルスが関係してるのではないのか?と考える。このウイルスがとても恐い。ウイルス全般怖いんだけど、"赤い砂"は最後は自殺するっていうのが恐い。読んでて思い出したのが同僚との会話。コロ -
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『この世に神の慈悲などない。ただ、まっ白な闇が広がっているばかりだ。』
この一行に震えました。
小学六年生の少女・朋美が誘拐され殺された。しかし、捕まったのは少年3人で、彼らは少年法に守られ、再び世に放たれた...
4年後、少年たちの1人が転落死する。果たして、遺族による復讐なのか?
朋美の元担任・北原 香織は、ある秘密を抱えながら、真実を求めて転落現場に向かう。
様々な謎がいく層にも重なり、真実は闇の中ですが、少しずつベールが剥がれていきます。
ジャーナリストの秋山と、元担任の北原の2人が眼にする真実とは?
そして、最後に北原が取った決断とは?
本当に神の慈悲は無いのか、分かりません