伊岡瞬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ深く複雑で壮大
過去から現在にかけて2人の人生が近づいていく。
裕二には幸せになってほしい。
坂井隆はきっといい人であってほしい。
そう願いながら読み、裏切られ、
それでも助かった子供がいるならいいと思った。
「わたしはお母さんの子だけど、お母さんのための子じゃないんだよ」
この言葉はとても心に刺さった。
母の思いと娘の思いは時にすれ違う。
それは相手のことを思うからこそだろう。
私自身、この言葉は忘れずにいたい。
裕二の産みの母、昭代の長い長い20年、
庭に立て看板を立てた思い、
再会できた時の気持ちは想像すらできない。
千遥の父の苦しみも
時枝の苦しみも。
様々な要素が絡み合 -
Posted by ブクログ
初めてコロナが発生した時ってこんな感じだったんだろうなあ、と思える作品。
ある男がホームに来た電車に飛び込んで自殺する、という衝撃的な場面から物語が始まる。その処理に関わった人間も連鎖的に自殺してしまう。自殺した人間に共通点はあるけど、はっきりした事は言えない。同僚の自殺に納得がいかなかった刑事の永瀬は、真相を探ろうとする。そして、題名にもなっている"赤い砂"と呼ばれているウイルスが関係してるのではないのか?と考える。このウイルスがとても恐い。ウイルス全般怖いんだけど、"赤い砂"は最後は自殺するっていうのが恐い。読んでて思い出したのが同僚との会話。コロ -
Posted by ブクログ
『この世に神の慈悲などない。ただ、まっ白な闇が広がっているばかりだ。』
この一行に震えました。
小学六年生の少女・朋美が誘拐され殺された。しかし、捕まったのは少年3人で、彼らは少年法に守られ、再び世に放たれた...
4年後、少年たちの1人が転落死する。果たして、遺族による復讐なのか?
朋美の元担任・北原 香織は、ある秘密を抱えながら、真実を求めて転落現場に向かう。
様々な謎がいく層にも重なり、真実は闇の中ですが、少しずつベールが剥がれていきます。
ジャーナリストの秋山と、元担任の北原の2人が眼にする真実とは?
そして、最後に北原が取った決断とは?
本当に神の慈悲は無いのか、分かりません