伊岡瞬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最後まで一貫して思ったのは、
優子さんは本当に心の底から恨んでたのかな?ということ。
お姉さんへの甘えだっただけじゃないのか。
子供は親にどこまで許されるか試すことがあるという。それが甘えだと。
家族から愛されないと感じる優子は、倫子を憎みながらも、受け入れてくれることに甘えていたのではないか。
一方倫子も、自分だけが血が違うことから、家族として必要とされているということを、優子をかばうことで感じていたのかも。
優子は倫子が羨ましかった。
お金や権力になびくことのない実直な旦那がいて、無条件に愛されている。
本当に血のつながった家族を作っていく様子。
すごく幸せに見えたに違いない。
そんなお姉さんを羨み、憎みながら、その気持ちを昇華させられず、こういった事件に至った。
羨ましい、という気持ちは妬む気持ちと紙一重。
特に女性のその感情は怖いと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ男女学生のグループが日常から隔絶された環境に出向いて身を置き、そこで生命の危険を脅かすトラブルに次々見舞われていく…という、古今東西で頻々と使われてきた類型を敢えて採用する挑戦的な構え。
"弟切草"をモチーフに据えるという点も、ホラーにカテゴライズされる創作物においては典型の一つと言っても良い。
津山の事件を想起する向きもいるであろう、土着的な因習が放つ民俗臭を強く纏うエピソードを絡めるあたり、雰囲気はある。
懐かしの「13日の金曜日」を彷彿とさせるパニックホラーが展開された第一部に対し、第二部では後日譚の体裁をとり、各登場人物とのダイアローグ等の手法を交えいわゆる謎解き=答え合わせが淡々と繰り広げられていく。
プロットが思った以上に趣向が凝らされていて、どちらかというと惰性で読んでいた身をぐっと引き寄せられた感があったので、ぎり星4つに昇格相成った。
ただ、年齢錯誤の仕掛けは本当に必要だったのか甚だ疑問で、「葉桜の季節に君を想うということ」の効果には遠く及ばない。 -
Posted by ブクログ
人間の醜さと怒りを力強く描いたサスペンスミステリー、疾走感と緊張感でドキドキが止まらない! #追跡
■あらすじ
東京の住宅街で火災が発生、その家に住む老人と息子夫婦の遺体が発見される。通常の火災事故と思われたが、発見された遺体は刺されていることが判明、さらに現場から少年が失踪していたのだ。警察は捜査を開始するのだが、この事件の背後には隠された秘密があるようで…
■きっと読みたくなるレビュー
スピーディーでドキドキが止まらないドエンタメ小説、もうこの本そのまま脚本で映画にできちゃいそうですね。
伊岡瞬先生は粘り気のある警察小説のイメージが強かったのですが、本作はノンストップサスペンス。まず構成力が素晴らしいんですよ、たぶんプロットの段階で既に優勝レベルの出来と見た。読者を惹きつける力はさすがですよね。
さて物語の内容はタイトルの通り「追跡」していくストーリー、何よりテンポがイイ。さくさくと読み進められ、ハリウッド映画を観てるみたいに次々お話が進んでいく。
追跡というくらいなので、逃げる人と追いかける人がいるのですが、これがハラハラして手に汗を握る。そもそも、なぜ逃げているのか、なぜ追いかけているかが良く分からんというところが惹きつけるんすよね。
そしていつものとおり人間性を切り取るのがお上手、醜さや怒りをふつふつと伝わってくる。悪人だけじゃなくて、やっぱり警察も人間なんだよなーと思わせてくれるんです。そりゃ警察官だって人の子ですよ、正義感が強い人もいれば、出世したい人もいれば、他人を信じない人もいますよね。
登場人物のイチ推しキャラは、やっぱりアオイですね。本作のキャラはみんな謎めいている人たちばっかりなんですが、最たる人がアオイ。強く優しく頭が良い、そして美人(たぶん)。もし映像化される際は、誰が演じるか注目するに違いない。
全編にわたって切った張った大立ち回り、駆け引き裏切り騙し合いばかりなんですが、物語のコアとなる動機の部分には温かみを感じることができます。ちょっとホッとしますね。ぜひ続編で主要キャラたちを再演させて欲しい!面白かった~
■ぜっさん推しポイント
あらためて世の中には悪党やクズが存在することを認識させられますね。陰謀論、闇組織、裏社会、上級国民… 本作みたいに派手じゃないにしろ、現実にありそうでマジで怖い。政治家のお偉いさん、自分や友達の利益ばっかりじゃなく、未来ある子どもたちのために住みやすい日本にしてあげてください。