伊岡瞬のレビュー一覧
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先日の「代償」がとても面白く、また伊岡瞬さん読みました。こちらは、また全然違った風合いの作品。
楓太の章と、春輝の章が、順繰りに語られていきます。
楓太は、お調子者で、ちょっとだらしないが、悪人というほどではない。
楓太の章は、私的には、荻原浩さんの文章を思い出すような、軽妙な面白さがあり、危なっかしいけれど、明るくもがく様子が描かれます。
春輝は、真面目で心優しい少年なのに、人にはないちょっとした力を持っていたがゆえに苦しんでいきます。このあたりがもう…辛い。今作の中で、最初から最後まで嫌いだったのが、春輝の友達(といえるのか?)の尚彦。こいつ、ホント大嫌いだわ‼︎ 上手くいかないことは、何 -
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オリンピック前の話なんで、まさか延期とかは考えんわな(^◇^;)
オリンピック景気はね…
自分に特殊な能力がある。
そんなに大層なものではないかもしれんけど。
こういう主人公だから、その力を有効というか、お金の道具にせずに、めっちゃしないから…
何かその生き方に好感持てるけど、何かやり切れんもんがあるなぁ〜
能力を隠すけど、昔の記事でバレてツライ目に…で、逃げる。
新しい生活始まって、ええ感じ!で、バレる。の繰り返し。
ある出来事で人を助けて、ええ感じになって来たのに…
「ひとりでいるのが好きなのに、困っている他人が気になってしょうがない。そうして気を揉んでは、己の至らないところを見つけて自 -
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軽〜!なんちゅう…
ウェットに富んだ会話っていうんかな?屁理屈多いけど、嫌いではない。むしろ、好き!飄々としてて、実は!って人好きなんで、主人公には好感持てる。実際に隣りにおるとどうなるか知らんけど。
軽口叩く元プロ野球選手、今は、便利屋(兼探偵?)が、付き添い作業とかのトラブルの短編集。短編といっても、繋がってるんで、テレビドラマ風かな。
でも、人間性か、必要以上に首を突っ込む。それがええ方向に向かって行くんやろうけど、こら、商売には苦労するわ!助けてくれる人には困らん感じやけど。
話的には、それぞれのお仕事のエピソードが繋がって、ラスト!って、まぁまぁ面白かった!
重た〜いのを期待してる -
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ネタバレ読みやすく痛快でとても面白い作品だった。事勿れ主義が蔓延りどこか保身に走る教師たちとは裏腹に、複雑な人間関係に揉まれながらもしっかりと自分の意思があった子どもたちが描かれているのが皮肉じみてて良かった。
昔塾の先生に「教師は真面目じゃ務まらない」という言葉を聞いたことがある。仕事など探せばいくらでもある職業だからこそ真面目に根詰めると死んでしまう。だから教師はちょっと道から外れてるくらいがいい、と。そんな言葉を思い出しながら、森島こそ教師に向いているのではないかと思った。我流が過ぎる部分もあれど、誰よりも子どもたちと真摯に向き合っていた彼の姿は、結果として子どもたちを惹き付けたのだ。
「教師」 -
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ふ〜ん。伊岡さん、こんなんも書かはるんや。
いつものミステリーとは、一味違う。
小学校の熱血?アルバイト教師の話。
なので、「飛び出せ青春」(古る!)ではなくて、「熱中時代」(これも古い…)って感じの現代版かな?
+ミステリー風味。
上のテレビドラマには、あんまりモンスターペアレントはいなかったような…
最近の小学校は、大変や。知り合いに保健の先生いるけど、めっちゃ忙しいらしい。私の頃は、楽やったと思うけど、今は、満員御礼らしい。
何か、学級崩壊、いじめと色々事件が発生して…させてもあるけど 笑。
アルバイト教師は、終了して、ピアノの生かして、楽団へ!
…でも…やはり…
《好きなら、それで -
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ネタバレ平凡な家庭に育った小学生の圭輔は、彼にとって不幸な事件のため、遠縁で同学年の悪魔のような達也の家で暮らすことになる。読んでて辛くなる(何でここまで卑屈なの?)。
その後長じて弁護士となった圭輔のもとに、逮捕された達也から弁護の依頼が来る(何で卑屈を引きずったまま断れないんだ!)。そして達也の巧妙な罠で裁判でも翻弄される。
450ページの長編の内330ページくらいまでは、圭輔の弱さと達也の悪魔的な巧妙さで人間の醜さとそれに屈する弱さから来る無力感にイライラする(結構「吉田修一」っぽい)。
しかしその後、332ページ目くらいから友達の寿人の友情により巻き返しが来て最終的にほホッとする(勧善懲悪的な -
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ネタバレ前半(1部)は少年圭輔が達也と出会い、そしてどん底に突き落とされていく読みは進めるのが辛い悲惨な少年時代が語られている。何度も涙腺が緩んでしまった。後半は成人した圭輔が弁護士となりそして再び達也と絡んでしまい、過去の事件を紐解いていく。
圭輔の人生で両親を早くに亡くすのは悲劇に違いないけど、寿人と出会えたことが最大の喜びでありその幸運はその後感謝してもしきれないだろう。2人の友情が暗い物語に明るい材料になっている。
冷静な圭輔が弁護士の資格をその明瞭な頭脳だけでなく適正もあると思える。まだまだ感情をコントロールしきれない駆け出しの弁護士を先輩女性弁護士という存在も少なからず明るいエッセンスとな