伊岡瞬のレビュー一覧
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おもしろかった。
浪人生の堀部一平はバイト先の同僚(お爺さん)が職場で倒れ、部屋まで送り届けるところから運命の歯車が狂いだす。
ぼろっぼろのアパートへ送り届けると、どう見ても親戚などではない女性3人と男の子が集まって来て、側から見ても奇妙な宴会に参加させられる。
その人たちの不可思議な関係に疑問を持ちながらも、なんだか興味が湧き一平と奇妙な住人たちとの交流が始まる。
しかしこの奇妙な住人たちにはさまざまな過去があり、とある縁から一緒にある事件について水面下で行動を起こしていた。
ミステリーではなくサスペンス。
最初から犯人もわかっている状態だったが、最後のまとまりもよく、ちょっとした寂しさを -
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高齢ドライバーの危険運転が招く事故は最近、頻繁にニュースで取り上げられる。この作品は、それをベースにしたミステリーであり、家族崩壊までの様子がリアルなタッチで描かれている。
主人公の大槻敏明は私立高校の教師で妻・香苗と息子・幹人の3人暮らし。同じ市内で一人で住む父親・武はまもなく80歳。中学校の校長を務めた後、再任用も退き、現在は生涯学習センターの講師をしている。そんな武に認知症と思われる症状が現れ、運転する車のキズが絶えず、敏明や香苗は免許証返納を望むものの、頑迷な武は受け入れようとしない。
さらに、武は講座の受講生である65歳の女性と時々ドライブに出かけていることがわかってくる。
そして、 -
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東京の武蔵野の山中で、東村山のパン屋の妻である宮崎璃名子が白骨死体で発見されたことから物語は始まる。
そして璃名子の友人である新田文菜も行方不明となっていた。
この『 仮面 』では、人間の本性は何処にあるのかを問うている。
人の心は複雑怪奇な面がある。
本人にさえ理解していない一面が、突如現れてくる可能性がある。
信じていた友に裏切られたり、長年生活を友にしていた家族でさえ理解不能の行動に出られたりもする。
本人さえも自覚できない「仮面」を、人は心に備えているのだろう。
この『 仮面 』に登場する7人の人々も、二面性や三面性を擁しているがために、本人でさえも予想外の行動に出ることになり、その -
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『翳りゆく午後』の「午後」とは、人生の午後だろう。
高齢者による交通事故のニュースを見ては、またか!といつも憤慨している一人である。
しかし、家族がいくら言っても本人が頑として免許を返上しないという事情も知っている。車がないとどこにも行けないという事情も分かっている。
だが、人の命には代えられないのではないか。
運が悪かったら、最悪こういうことになるんだよ、という小説である。
元校長の父親・武(たけし)には世間から重きを置かれる地位にいた人間特有の頑固さとプライドがあり、屁理屈を振りかざすのが得意で、最初は主人公の敏明に同情していた。高齢の親に手を焼いた自分自身の体験から、感情移入もしてい -
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ネタバレ最後まで一貫して思ったのは、
優子さんは本当に心の底から恨んでたのかな?ということ。
お姉さんへの甘えだっただけじゃないのか。
子供は親にどこまで許されるか試すことがあるという。それが甘えだと。
家族から愛されないと感じる優子は、倫子を憎みながらも、受け入れてくれることに甘えていたのではないか。
一方倫子も、自分だけが血が違うことから、家族として必要とされているということを、優子をかばうことで感じていたのかも。
優子は倫子が羨ましかった。
お金や権力になびくことのない実直な旦那がいて、無条件に愛されている。
本当に血のつながった家族を作っていく様子。
すごく幸せに見えたに違いない。
そんな