伊岡瞬のレビュー一覧
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警視庁捜査一課の真壁と高円寺北署の宮下が、神田川に流れ込む排水口で拷問を受けた痕跡のある遺体が見つかった事件を追う。
警察幹部から大学生の姪が論文を書く為に、宮下と真壁に同行する事となってゆく。
が、彼女は暗渠や地下水流に意外な知識を持つのは何故か?2人の刑事の違和感はそこから大きく残忍で救いようのない問題へと繋がってゆくのだった。
後半で明かされる事実の為に、少し長めの特殊詐欺犯と高齢女性との件や、発見された遺体の身元に関する事実は、読者をある方向へ誘導させるが本作の結末には意外な展開が用意されていた。
予測を覆された事が満足感を充足させてくれた。 -
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感想
筆者の作品は子供時代から始まるものが多いように思う。その手間があって作り込んだキャラが立つのだと思う。
母の従姉妹の薫さんが明るくて、良い人なのが唯一の救い。
あらすじ
小6の美緒は、アルコール中毒の母に愛想を尽かし、小3の弟の充も疎ましく思っていた。母親の従兄弟である薫に面倒を見てもらう。
薫の紹介で一人暮らしの元検事の永瀬丈太郎と出会う。充は永瀬にジオラマ作りを教えてもらい、美緒は永瀬の亡き妻の書斎で本を読むことが好きだった。
やがて物語は永瀬が検察時代に、県議の収賄事件を担当し、その間に娘の瑠璃がどのようにして誘拐されたのかについて書かれる。
永瀬は、家が火事になり、瀕死 -
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『八千代アドバンス』に勤める畑井は、制作部の次長から突然、総務部長に昇格するのだが、これは解散前の作業を無理矢理押し付けられ感が否めないのである。
覚悟などできないまま、「わかりました」というしかない。
「やはりわたしには、無理だと思います。考え直してください」や「そういうことでしたら辞めさせていただきます」という言葉は、口から出せないまましぼんでいった…。
解散後も清算業務をあたってもらいたいと言われ「は?」である。だがそれも受け入れてしまう畑井。
少人数での清算中に負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。
何もわからないまま上層部に言われることしかできない畑井。
やがて傷害事 -
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少年犯罪や少年法をテーマにした作品を好んで読むことが多い。守るべきは被害者や遺族なのに、蔑ろにされる描写はどの作品であっても心苦しくなるしやるせない。
過剰に保護される加害者たちは、少年法を逆手に取り、反省など微塵もせずに犯罪を重ねていく。
この作品に登場する少年たちもまさしくそれで、生きてる価値すらないクソ共が!!と読んでる間本当に腹立たしかった。
伏線もしっかり回収されてるし、犯人もまさかな人物で面白かった。
いなくなった人は二度と戻らない、犯した過ちも無かったことにはならない。そう思うと一縷の望みを感じるラストではあったが、モヤモヤしてしまう。