伊岡瞬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
極度のアルコール中毒の母親を持つ小学生の美緒
母を恨み、他人を拒絶する
元検事の永瀬丈太郎という元検事の初老の男性と出会い、心を開いていく。
幸せってなんだろう
幸せな家族ってなんだろう
相手を許すことの難しさ
弟の充の無邪気さの一方で、この世で一番残酷なのは何も知らない子供自身なのでは
もし丈太郎が単に優しいだけの好々爺なら、美緒もここまで心を許すことがなかったかもしれない。不器用な優しさと適度な距離感が素敵だなと思う
子供を持っても愛せない人もいれば、不幸に遭い、どんなに愛しても会えない人もいる
伊岡さんの描く世界はどうしても、理不尽だけど最後まで読まずにはいられない
最期の方の展 -
Posted by ブクログ
ネタバレままならなさがあまりにリアルで、
序盤を読むのに時間を要しました。
読み進めていくと、登場人物の様々な方向への想いが交差していく様子に目が離せなくなりました。
幸せになって欲しいと思わずにいられない人物、
どうしてそんな事を、と思ってしまう人物、
それぞれに訪れる結末も一読者としてはままならないものでした。
それが、この一冊の本により現実味を持たせていると感じました。
理不尽な事はいつでも訪れる、日々の幸せにどれだけ自分で気づいてあげられるか、そんな分かっているようで分かっていない事を改めて考えさせてくれます。
颯太の行動が少し変わっている事に、2人の未来が明るい方向に向かうのではない