あらすじ
男が電車に飛び込んだ。現場検証を担当した鑑識係・工藤は、同僚の拳銃を奪い自らを撃った。電車の運転士も自殺。そして、拳銃を奪われた警察官も飛び降りる。工藤の親友の刑事・永瀬遼が事件の真相を追う中、大手製薬会社に脅迫状が届く。「赤い砂を償え」――自殺はなぜ連鎖するのか? 現代(いま)を映し出した書き下ろし傑作!
『代償』50万部突破
『悪寒』30万部突破の著者が放つ
感染症×警察小説
国立疾病管理センター職員、鑑識係、
運転士、交通課の警察官――4人の死の共通点は、
「突然錯乱し、場合によっては
他者を傷つけ、最後は自殺する」こと。
彼らに何が起きたのか――?
感情タグBEST3
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ならば、この「アレナ・ルブラ」が宿主の脳を破壊して、別の宿主に広がろうと試みても、不思議なこととはいえないでしょう。一般の人は『宿主を殺してはウイルスだって生き残れない。元も子もないじゃないか』と言います。しかし、死ぬ前に『炸裂』のような行動にでれば、それはそれで伝播のひとつの方法ではあります。211ページ
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すごく引き込まれる作品。
主人公が真面目すぎず人間らしい刑事であり、周囲の人物も“嫌な奴”が居ないので、ストレスなく読めた。
ウィルスに関係する話であり、出版が2020年であったことから、コロナ禍に考えたのかと思ったら、あとがきで語られた執筆時期で驚いた。
専門分野への知識が無くても非常に分かりやすく、話の展開も面白かった。終わり方もとても好き。
Posted by ブクログ
初めてコロナが発生した時ってこんな感じだったんだろうなあ、と思える作品。
ある男がホームに来た電車に飛び込んで自殺する、という衝撃的な場面から物語が始まる。その処理に関わった人間も連鎖的に自殺してしまう。自殺した人間に共通点はあるけど、はっきりした事は言えない。同僚の自殺に納得がいかなかった刑事の永瀬は、真相を探ろうとする。そして、題名にもなっている"赤い砂"と呼ばれているウイルスが関係してるのではないのか?と考える。このウイルスがとても恐い。ウイルス全般怖いんだけど、"赤い砂"は最後は自殺するっていうのが恐い。読んでて思い出したのが同僚との会話。コロナ禍初期ぐらいの時に、「ウイルスに色がついてればいいのにね。そうすれば対策が出来るのに。」という話をしてたな。それが出来てたら、こんなにみんな困ってないんだけど。フィクションなんだけど、今の世の中、実際あるのでは?と思ってしまう。
そしてもっと恐いのがやっぱり犯人。サイコパスっていう事なんだろうけど、考え、行動がどうしても理解できない。そう思うと人間が一番恐いかな。
このウイルス関係で製薬会社が出てくるんだけど、これにイラッとする。身勝手な利権争いや責任の押し付け合い。あとは警察庁と警視庁。(私はこの二つの組織の違いがよく分からない)この二つの組織も隠蔽だの派閥争いだので、またまたイラッとする。こういう上の人たちの身勝手な考えのせいで、一般人がいつも犠牲になるんだよね。
私は本庁から来た刑事、長谷川が好き。永瀬の相棒なんだけど、いい人だと思ってたけどなかなかの人だった。野心あり、おいしいところは持っていってしまうしたたかな刑事。それでも私はなぜか好き。
最後、永瀬と事件の関係者、有沢美由紀がどうなるのか?気になる終わり方で、そこがモヤっとしてしまう。どうかハッピーエンドでありますように。
伊岡瞬さん。私にとってハードルがあまりにも高くて今まで手が伸びなかった。でもこの作品は、レビューを読んでどうしても読みたくて思い切って伊岡瞬の世界へ飛び込んでみました。結果は飛び込んで良かった。面白かったです。
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最初はえらく突飛な設定かと思ったが、今の世の中絶対にあり得る話しだと思ったし、後書きを読んで20年近く前に書かれた作品だと聞き、そのアイデアの秀逸さに驚いた。
刑事モノの主人公のすべてを仕事に捧げる使命感には毎度驚かされるが、ホントにそんな感じなのだろうか、と疑問には思う。
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伊岡瞬さんの作品が好きなので作者買いの一環として買った今作品。
なんかちょっといつもと雰囲気が違う?と思いながらもウイルスによる自殺の連鎖という設定が面白くてどんどんと読み進むことができました。
あとがきを読んでなんとデビュー前の作品と知り驚愕。
最後の終わり方が個人的に衝撃的で人生で初めて読み終えた瞬間「えっここで終わるの?」と声が出た。
スルスルと読んでいたので唐突に終わったように感じたのですが、作品の余韻に浸ったあと、もう一度最後の方を読み、敢えて結末をハッキリ書かない、読者側に想像の余地を持たせる終わり方もそれはそれで好ましいなと思えた。
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安心安定の間違いのないストーリーだった。
中でも真相を追う主人公とその周辺人物との心理的なやり取りが、とても読み応えがありました。
様々な視点もあったが終始テンポが良くて読みやすく、散りばめられた伏線(多少は無理もあるが)もしっかり回収していって、最後はほどよく読者の想像に委ねる感じで、読後はとても気持ち良かった。
ただし、一気読みしてしまったので完全に寝不足になり日常生活を犠牲にした。
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単純に、臨場感があって作品として面白かった。COVIDというより、ホラー的なゾンビウイルスのように感じてしまった。数年前の、製薬会社の陰謀論も思い出され、ないけどありそうな話だと思った。永瀬の運命が気になるけれど、あのラストで良かった気もする。ラブロマンス要素は要らない気がした。
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ラスト、そこで終わるの?
と思ったが、どっちになるのかをはっきりさせなかったのは正解かも知れない。
映像化したら、どっちになるんだろう。
誰かしてくれないかな〜。
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ある日突然新種のウィルスであるコロナが世界中に蔓延し、パンデミックになった現実を体験しているのでこの小説はとても恐ろしく感じました。
ウィルスに感染してから2週間後、最初は風邪症状、その後錯乱状態になり発狂し自殺するなんてゾッとします。
ある男性が線路へ飛び込んだことから始まった自殺の連鎖。その事故の時の鑑識官が突然自殺した事に納得がいかない同僚刑事の永瀬がその原因を追い続けるうちにあるウィルスが関係している事を突き止めます。
企業や組織の思惑、隠蔽…。上からの命令に背き捜査をやめられない永瀬。危険な目に遭い病院に入院していた永瀬の身に再びピンチが。永瀬が無事でいてくれることを願わずにはいられません。
これが書かれたのが20年程前であり、伊岡さんのデビュー前の作品であることも驚きです。
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初読み作家さん!まあまあ面白かった!
まず文章が読みやすい!かと言って軽すぎるわけでもなくちょうどいい塩梅で良き。他のも読んでみたくなったー!!
想像していたウイルス系の話ではなかったけどそれもまた良かった。
登場人物もキャラが立ってて良かった。武井さんが結構好き。
作者のあとがきもあってとても興味深く読んだ。デビュー前に書いたお話だそうで!すごい。
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面白かった!
感染すると風邪症状の後、狂乱し自殺するというウィルス。RNAウィルスであり変異も激しい。
しかしHIVウィルスの増殖を止める作用もある。
とまた専門的な内容もあり。
実際にこういうウィルスは存在しそうだし
面白かったです。
Posted by ブクログ
2024.06.27
この本はアフターコロナの今、一読し、あとがきを読むと著者の先見性というかつきに恵まれたというか、この一冊が出版されるプロセスに惹かれる。
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ええええーー!!ここで終わりなのー!はー。ショック…。このあと、どうなってしまうんだろう…。続きがめちゃくちゃ気になる感じで、、終わってしまった。書いてない。ページをめくっても…続きが…ない(笑)
主人公の永瀬に好感が持てる。読みながら全力応援してた。(結局は美人が気になっただけかーい!と少し思ったけど)構成もよかった。怖いウイルスが広がる話はたくさんあるけど、序盤はそんな展開だなんて思わなかった。で、あっさりとある程度の種明かし?みたいなのがなされて、ポンポン進んでいく感じ。でも、後半はここからどうやって追い詰めていくの!?を読んでいくのが楽しかった!!
枕を高くする/何の不安もなしに寝る
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警察組織、ウィルス感染、専門用語、様々な方向からの思惑が入り乱れ、登場人物多数。
要素がたくさんあって、ペースが軌道に乗るまでちょっと時間かかっててしまったけど、ペースに乗ったら先が気になって一気読み!!!
まさか、あの人とそういうことに?!
そこで終わるんかい!!!
と予想外なことも多くて最後まで気が抜けず、楽しめました。ただ主人公の暴走にオイオイ・・・もっと要領良くできんか?という気持ちは抱き続けました(⌒-⌒; )そこがいいのかもしれませんが。
Posted by ブクログ
感染した人を自殺に追い込む恐ろしいウイルス。しかも固形粉末化され、長期保存が可能。液体に溶かせば、感染力を持ったウイルスに戻るという。こんな物が盗まれるなんて、セキュリティ甘すぎ。刑事モノの形をとっているが、永瀬刑事一人で解決って、無理でしょう。などと書いてますが、面白かった。
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自殺、ウイルス、黒幕探し
ウイルスや細菌の話が好きな人には持ってこいの本でした。
みんなが工藤の錯乱をもみ消してなかったことにしようとしている中、自分の勘と友人工藤の人柄を信じて処分を受けながらも捜査を続けていた永瀬の執念深さがすごかったです。だから、もう少し永瀬を讃えてほしい!と思いました。
最後がどうなったのか…欲を言えばハッピーエンドまで描いて欲しかったです。
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読みやすかった。
コロナのときに発刊された本だそうだけど、実際に書かれたのは2000年代前半とか。いまでは常識のウィルスと細菌のちがいも、当時は常識でなかったから説明的に書かれてる。
恋愛要素も刑事要素も、警察内部の力関係もバランスよく配分されてた本でした
Posted by ブクログ
伊岡作品にハズレはあまりないですかね。どの作品もなかなか楽しめました。
本作は連続した自殺に不審を抱いた主人公の刑事が真相を追っていくというストーリー。背後には「赤い砂」と呼ばれるウィルスが…。
デビュー作以前に書かれたという本作(2003年)ですが、古臭さが全く感じられません。むしろ現代的とも思えます。
文章も読みやすくサクサク読み進められました。
結末はご想像にお任せします的なオチですが、それもアリかなと。嫌いな展開ではありません。事件の犯人や犯行の動機に薄さを感じたので、もう少し深みが欲しかったかなと思います。
Posted by ブクログ
いや〜おもしろかった!ウイルスと言えばやっぱりコロナ(もう今5類になったが)を思い出す。
ウイルスの見た目が『赤い砂』に似ていることからそのタイトルなのか、なるほど。
ウイルスによって無念の死を遂げた作中の人達を思うと辛いし、感染後に自殺させるウイルスに恐怖と恐ろしさも感じました。
最後なぁ〜これ読者の皆様のご想像にお任せします的な感じっぽくて私は絶対永瀬さんは大丈夫やと信じたい!!!!
美由紀さんと2人で笑って何も起こらかったねぇっていうストーリーで終わったことにしとく笑
Posted by ブクログ
コロナの時代の今、危険なウィルスを取り巻くストーリー。読み進めているうちにあの小説に似ている?と思うものがいくつか浮かんできましたが結局はどれも違っていてこの『赤い砂』が単純に面白かった。
ただ、リドルストーリー的なオチはちょっとモヤモヤでした。
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出版から17年前にかいたという本。風邪症状から始まるウイルスと連鎖する自殺。その当時ならもっと衝撃があったのかと思うけど、長くてつまらなかった。登場人物や設定も浅く、結末も惜しいなと思った。星2.5
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⚫︎まあまあとうか、他の作品に比べたら全然ダメ。
⚫︎やっぱりいくらちゃんと調べたからといっても、こういうウイルス流出系は出涸らし。ストーリーが読めすぎるし、しんどい…
⚫︎鉄板みたいにヒロイン出すのもらしくないよ。陳腐すぎるよ…なんで最後は逃避行してんのよ…
⚫︎やっぱりなあ、小説で書ける限界ってあると思うのよ。興醒めしちゃうんだよなあ…
⚫︎まあ、自分が書けって言われたらそりゃ厳しいけどさあ…でもなんか素人くさいんだよなあ…
⚫︎とは言え、やり取りはさすが作者って感じで垢抜けてはいた。なんというか、無駄がない。
⚫︎とりあえず、医療ネタなら手術ミス隠蔽、薬害訴訟とか、そこらへんの規模感なら絶対面白いの書けると思うので期待しています!
Posted by ブクログ
連鎖する自殺。赤い砂とは何なのか?
後半ちょっと暴走しすぎな気もするけど、概ね面白かった。
結末はどうなったのか気になるけど…意外と幸せな時間を過ごしたかもしれないな〜。
Posted by ブクログ
伊岡氏がコロナウイルスが蔓延する遥か前、しかもデビュー前に書いたという作品。
「赤い砂」の発想と、それを利用したり隠蔽したりする勢力の思惑はいかにも警察ものという感じがして、また1人のまだ若手といっていい年齢の刑事の個人プレーなどは個性に欠けるものの、書かれた時期を考えるとしっかりした作品だと思います。
最後は予定調和にして欲しかったけどな。
Posted by ブクログ
始まりは男が電車に飛び込んで死亡したことだった。
その後、現場検証を担当した警官が錯乱し、同僚の拳銃を奪い取って自らを撃った。
電車の運転士も自殺し、拳銃を奪われた警官も飛び降りて死ぬ。
相次ぐ関係者の死亡は何故なのか。
永瀬はその真相を探るべく動き出し、原因はウィルスではないかと突き止める。
次の展開がどうなるのか、ハラハラドキドキしながら読み進んだ。
けれどもラスト近くになって、恋愛がらみの描写が出てくるあたりからドキドキ感は無くなった。
甘ったるい描写は私には合わなかった。
Posted by ブクログ
途中まではドキドキしながら読んだが、犯人が分かってからは急に萎んでしまった。この作者の特徴かもしれない。楽しませようといろいろやってくれるのだが、かえって話がピンぼけてしまう。最後の終わり方も結論が分からず、スッキリしなかった。
Posted by ブクログ
怖。
本当にこんな感染が起こったら恐ろしい。
コロナは終息というか、もうそれありきの生活になりつつあるけれど、こんな風な感染症が発生したら普通の生活には戻れない。
著者が書かれたのは、コロナよりずっと前、いろんな感染症が起こる前。
今回、その昔に書き留めた作品が日の目を浴びる事になった。
ミステリーと言うよりも、ある意味ホラーだよ。
Posted by ブクログ
古本屋で売っていたのを見てとりあえず買った一冊。
ウイルスの話でした。
脳にも関連する話で難しい話になるのかなと思ったが、頭の悪い自分でもわかりやすくよめた。
最後がスッキリしなかった
事件解決後の事も書いてあるので主人公がどうなったかまで書いて欲しかった。
感染し発症すると自傷行為に走る
怖いウイルスですね
コロナのおかげでウイルスについてちょっとは知っていたつもりだったが、あとがきを読み改めて知った事もあった。
薬でウイルスは殺せない
ワクチンは薬ではない
どうもそうらしい。
ウイルスの怖さが改めて分かった小説でした。