あらすじ
北陸地方にある村の駐在所から、警官が失踪した。県警本部から派遣された調査官・樋口藤吾は、後任の駐在・島崎巡査部長と共に失踪の謎を追う。そして、過去に発生した事件や事故が、村に存在する大型複合医療施設に関係していることに気づいた。だが、さらに凄惨で、不可解な殺人事件が発生してしまう……。慟哭の警察小説。〈解説〉大矢博子
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Posted by ブクログ
7年前に読んでいた・・・
全然記憶にない・・・・
主人公がカッコいい、シリーズものかと思う描写があるが1作しかないようだ。続きが出たら読みたい。
最後のシーンは鳥肌が立った。おすすめ
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物語の初めの方は登場人物が多く、場面がコロコロ変わるから話に入り込むのが難しいかったが、終わってみれば600頁が短いと感じるほど没入していた。面白かった!
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安定の作品だった。
登場する人物が多く、また組織、国の思惑もあって最後までどうストーリーが転んでいくのか分からなかったが、中盤で動きが加速し最後もうまくまとめられて読後感も大変良いものだった。
できれば、透吾のその後も知りたかったですし、また伊岡作品で登場してくれたら嬉しい。
フィクション作品だがこの作品は日本の未来または、自分が無知なだけで今の日本の現実を描いてるのかもしれない。
Posted by ブクログ
ハードボイルドの傑作です。ちょっとオカルトじみてる所もいい。
主人公は樋口ですが構成は群像劇のような形で、10人近い登場人物の視点で物語が進みます。
そんなに多様な視点で、ページ数600を超える大作、読みにくそう。と思われるかもしれませんが全然そんなことはなく、すらすら一気に読めてしまいます。
終わり方は大団円と言って良くモヤモヤ感が残りません。すっきり全部解決してくれます。
Posted by ブクログ
日本海沿いにある小さな村の駐在所から警官が失踪した。後任として駐在所に着任した島崎巡査部長の下に、県警本部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。過疎の村にふきだまる欲望! 巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。そして、樋口の正体とは!? 一気読みの警察小説巨篇!
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なかなかの超大作。
確かに風邪に悩む村では、こんな利権にまみれた補助金目当ての人体実験もあるかも、と思えた。
クスリの力が人を安易にコントロールしてしまう、そんな世界も大いにあり得て、ちょっと薄ら寒くなった。
Posted by ブクログ
最近流行っている怪しい村ものと思いきや製薬会社のありそうな治験の話だった。若干、MナイトシャマランのOLDという映画に似ていた。途中まで面白かったが、最後が少し興醒めする感じだった。登場人物のキャラクターが立っていてその点は面白かった。
Posted by ブクログ
読み初めは登場人物の多さに『登場人物の説明』を確認しながら読み進めたが、後半は全て頭に入り物語に没入していった。
実際にこんな利権だらけの施設があれば恐ろしい話だが、日本が抱えてる社会問題をまとめて解決などといえば簡単にだまされそうでもある。
登場人物の樋口調査官が魅力的で辛い過去を背負う影の部分とそれでも消えない正義感が事件解決へと導く過程が飽きない。
警察小説とあるが、主となる警察官は元警察官と田舎の巡査官でよく目にする警察小説とは全く違う。
2日間起こった事件を軸に様々な登場人物の視点から展開させ、スッキリと終着させたさすが伊岡瞬である。
Posted by ブクログ
語り視点がコロコロ変わり始めは断片的であった物語が結びついていく。大きなものが影で蠢いているのを感じながら、畳み掛けるようにストーリーが進み飽きさせない。
Posted by ブクログ
子供が攫われる事から始まる。次々と展開する事件や政治的な流れと登場人物の多さに、読む方が混乱して行く。
ショッピングセンターでの殺人辺りから急速に一つの方向に収束して行く。後半は読むスピードが増して来る。並行して、攫われた子供のエピソードも復活し、期待が高まる。事件の原因はそうだろうなと分かって来るが、主人公と子供の邂逅は・・!
Posted by ブクログ
現代を最大限に風刺したような作品。
薬、政府、老人問題、いじめ問題などさまざまな観点を関連づけている。
特に、特効薬を老人や子供たちを実験台にして行っているというのは無きにしも在らずといった問題なのではないだろうか。
Posted by ブクログ
●多視点の描写とよくわからない不穏さはさすが。
●しかし、ラストに一気に幕引き、回収の感じが否めない。バタバタすぎて…
●まあなあ…風呂敷広げすぎな気もするけれど、ここまで広げてくれないと話が小さすぎるし…
●政官財はもう少しリアルに描いてくれないと、それに詳しいと冷めちゃうんだよなあ…
Posted by ブクログ
600ページ弱の長編。
ちょっと登場人物が多すぎたのと、視点があっちこっちいって、最初は頭の中がごちゃごちゃしましたが、後半からやっと名前も覚えて、人物像がはっきりしてくるので読みやすくなりました。
村に存在する大型複合医療施設をめぐる事故や事件の真相が明らかになっていく最後は時間を忘れて読んでいました。
調査官樋口シリーズがあってもよさそう。(あるのかな?)
Posted by ブクログ
面白かった。最後は怒涛の伏線回収だったけど。
あとがきにもあったように伊岡瞬さんはとても読みやすい。(リーダビリティがある)
たくさん登場人物が出てくるが、一人一人がしっかり描かれているから、彼ら彼女らのドラマを感じ取りやすい。
また、この一冊にいろんなテーマが凝縮されているが、とくにぐちゃぐちゃになることもなく、結末へと誘うのは本当にお見事です。
いや、すっかりファンだな、、いつからだろう笑
Posted by ブクログ
舞台は北陸の過疎の村 比山、岩森、青水
かんぽの宿の跡地に、3年間、岩森の丘という複合型ケアセンターができた。通称「施設」。にじ、みらい、かもめ、病院から成る。にじは、民間児童養護施設。みらいは、青年更生施設。かもめは、アルツハイマー専門の介護付有料老人ホーム。今までに入所者の老人2名が崖から転落死している。運営は中国の大手製薬会社。センター長は元官僚の天下り。
数年前は賑わっていたが、隣町の比山に新設された大型ショッピングモールに客足を奪われ、閉鎖された岩森の大型ショッピングモール「タウン」。土地の売買で揉めているようす。
8月16日夏祭りの夜、青水駐在署の北森が失踪した。北森は公安として任務についていた。
調査官の樋口は、北野の行方を調査する任につく。
過疎の村の闇がじわじわと明らかになっていく展開で、ストーリーに引き込まれる。話のトーンは全体的に暗め。そして登場人物が多い。
樋口透吾 48歳。某組織の調査官。元刑事。17年前に3歳の息子をさらわれた。長身、二枚目、鋭い目つき。北森の行方調査にあたる。
島崎智久 29歳。北森の後任として青水駐在署に赴任。妻と3歳の娘との3人家族。「タウン」での殺人事件の捜査中に襲われ、拳銃を奪われてしまう。
<にじ>
桑野千晶 37歳。主任職員。最近「施設」が栄養剤として投与している薬に疑問を持ち始め、懇意になった深見に施設の情報を渡す。
貴 小学6年。母子家庭だったが母親がいなくなり、養護施設に入所している。遥と仲が良い。伸を兄のように慕う。
遥 小学6年。にじでは優等生で通っている。可愛らしく皆に好かれている。
康介 小学6年。虐待を受け、施設に入所している。おとなしい性格だったが、最近「アルゴル神」「覚醒」に魅了され、攻撃的な性格になった。
<みらい>
小笠原 58歳。元県警本部生活安全部長で、施設の保安担当。
玲一 20歳。幼い頃親の元からさらわれ、全学連の組織で育てられていた。組織壊滅とともに養護施設に入所。施設で妹のように可愛がっていた少女に乱暴した大学生4人を半殺しにした為、青年更生施設に入所
カイト 19歳。手先が器用で頭の回転が速い。学生の頃にいじめていた相手の目をカッターナイフで切り刻んだ
守 20歳。ロリコン嗜好で遥にちょっかいを出す。「タウン」で遺体が発見された。鎌で30箇所以上も刺されてから2階から突き落とされた。
伸 20歳。体格が大きく強靭。学生の頃に絡んできた酔っ払いをボコボコにした。見た目は怖いが、貴を弟のように可愛がる
<かもめ>
熊谷有里 23歳。介護職員。両親は「タウン」でラーメン店を営んでいる。
赤石隆一郎 72歳。岩森村の前村長。古くからこの地域一帯のローカルフィクサー
中条俊一 52歳。鷺村薫の施設秘書
鷺村薫 大物国会議員。次期総裁を狙う。厚生労働省、郵政に顔がきき、かんぽの宿岩森を中国の大手製薬会社が格安で購入できるよう都合した
上野 40歳。中国の大手製薬会社星河の日本総支社営業課長。タウンの地上げ、購入を模索。
深見梗平 政治家と企業を繋ぐブローカー。鷺村の遠戚にあたる。星河のスタンドプレーを阻止
中国大手製薬会社の星河が運営する施設は、施設収容者に投薬の治験をしていた。治験により精神のバランスを崩す子供たち。極度の操状態となり、老人や北森を崖から突き落としていた。付近の海岸線は波が荒く、遺体は岸につくか、遠くに流されるかのどちらかという環境。そんななか、タウンで守の死体が発見された。何者かに襲われ銃を奪われた島崎駐在員。にじの子供たちの不審な行動に気づくみらいの若者たち。失踪した北森の行方を調査する樋口は、この町の黒い部分に気付く。樋口に出会った玲一は、自分と同じ目をした樋口が、実の父ではないかと気づく。
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大人って汚い、、
三つの福祉施設をくっつけた複合施設。
100%の善意でそんな事業をやる人はいなくて、何かしら、どこかしらに利益があってやっていることなのだなと感じ、悲しく思った。
利益が発生しなければ生きていけないので、仕方ないのはわかっているが、利益の出し方よ、、
子どもたちや、真面目に働いている施設の職員は報われないと思った。
最後の息子(?)との再会が胸熱だった。
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消えた警察官、怪しすぎる施設とどこかおかしな子供たち、裏で行われる権力者達の取引など不穏な要素がいくつも絡み合って何が起こるのかワクワクぞわぞわした。
主人公はかなりキレ者のようだったが、組織には上司や他のもっと有能な者もいるような描かれ方をしていたのが意外だった。
子ども達が薬漬けにされていたのは少し衝撃を受けた。気付かぬうちに薬物依存に陥り人を殺していただなんてさすがに同情を感じざるを得ない。
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私の読書人生史上1番の長さだと感じる。
メインは2日間だけの出来事を描いているのだが、風呂敷を広げに広げ超大作へと昇華している。
ラストは少し呆気なさを感じだが、キャラクターそれぞれの個性がハッキリしていて思わず笑ってしまう部分もあり楽しめた。
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社会問題に対する大胆な解決策へのチャレンジはかなり興味深く、田舎の権力者、国政の有力者、中国資本というせめぎ合いと面白いけれど、いかんせん長過ぎて中弛みが読みづらくて残念。
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伊岡瞬さんの作品、これで何冊読んだかな?
今回は600ページ近い長編。
色んな問題が絡み合って、読ませる作品だった。
登場人物も多くて、途中分からなくなりそうだったけれども、ワクワクと読めた。
人体実験されてるんじゃないかという件からの展開も、そういう風に絡めるんだと。
スリリングな展開もあって楽しめたけど、僕の中の伊岡さん作品で、上位には来ないかなぁ。という感だったかな。
Posted by ブクログ
登場人物一覧を見たとき覚えられるか不安になったけど、意外とスラスラ読み進めることができて不思議だった。利権まわりが少しややこしかったけど、こういうことはよくありそうだなと思ったし、こういう施設も実はありそう。
登場人物も多いし、なんだかんだスケールがデカめなので仕方がなかった部分もあるかもだけど、もう少し子供たちひとりひとりの章があると良かったなーと思った。伏線回収が結構ざっくりしている印象を受けた。
犯人とオチは途中からなんとなくそうだなと思いながら読んだ。終わり方は救われる感じで良かったし幸せになって欲しい。
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裏表紙に慟哭の警察小説と書いてあったのが気になり買った一冊。
汚い世界と人体実験の話でした。
けっこう厚い本でしたが、スラスラと読み終えました。
いろんな登場人物の視線で話が進んでいき、登場人物も多いがわかりやすかった。
薬で人をコントロールするって怖いですね。
でももう今世の中ある程度薬でコントロールされてるかもしれない。
慟哭
声をあげて激しく嘆き泣くこと。
うーむ
そこまではいかなかったが、ラストが良かった小説でした。
Posted by ブクログ
大人の計画に無害な子どもが犯罪に手を染めてしまった、なんとも気味の悪い話しでした。
個人的にレイイチくんとカイトくん好きかな、最後は期待した終わり方で良かった!
Posted by ブクログ
警察小説あるいはハードボイルド小説として考えると、最後までドキドキできて、スピード感があって、ついでに主人公が魅力的なので星四つでした。
ミステリー小説と考えると、結末がある程度予想できて、どんでん返しもないので星二つでした。
Posted by ブクログ
冷たい檻、ほんとに檻やった。大どんでん返し!とか、まさかの!っていう展開じゃなかったけど、じわじわ、確実に、ひんやり怖かった。他の伊岡瞬の裏切られまくる展開を思ったら、ちょっと平坦な流れではあったけど。あ、これ2日間の出来事なんか、と思うとびっくり(笑)
memo
子どもは理解が足りない分、想像力と好奇心にかまけて、無邪気に残酷なことをするわ。そしてそれを残酷と思ってない。いや、でもこの場合は子どもも被害者なんだけど。
Posted by ブクログ
刑事である樋口が、久々の休みに家族で遊園地で遊んでいた時幼い息子が、目の前で誘拐される。
その17年後、北陸の過疎の村で公安と噂される駐在警官が失踪する。彼の失踪理由を追求のために樋口はこの過疎の村に滞在、失踪した駐在警官の後釜と一緒に調査する。この過疎の村で、タダ同然で経営されてる幼児施設、老人ホーム、青少年の施設で事件が続いていることに違和感を感じる。
かんぽの宿だったところを、かなり安く中国系製薬会社が
買い受け、そこを先の3つの施設をまとめたものに変える。育児放棄された幼児、犯罪傾向のある青年に向精神薬的なものを栄養剤と称して与えたり、老人ホームはアルツハイマーの方優先にしてあり、人体実験的にも使っていた。
登場人物がかなり多く、怪しいブローカーや、元村長、などは、あまり登場した意味を感じられなかった。
途中、なんとなく樋口の誘拐された息子は?などつかの間ホッとするところもあったが、風呂敷を広げすぎ、収集つかなくなっている感があった。