伊岡瞬のレビュー一覧

  • 代償

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    ネタバレ

    人間の黒い部分をこれでもかと描いたサスペンス小説。幼少期から大人へと至る過程を描くことで、過去が現在を締めつける感覚がじわじわと迫ってくる。子供の頃の傷が人格にどれ程の影響を及ぼすのか、その重さを実感させられた。胸糞展開が重なり、読むのが辛くなる箇所もあったものの、一気に読み進めさせる引力があり、強い読書体験を残す作品だった。初めての作家さんでしたが、この方向性なら他の作品もぜひ読みたい。

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    2025年12月13日
  • いつか、虹の向こうへ

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    前読んだ伊岡瞬さんの作品が、私にはずしっと重い話だったのでしばらくお休みしてました。半年ぐらい積まれたままになってたこの作品も躊躇してたけど、もうそろそろ読もうと思って手に取りました。

    主人公の尾木は罪を犯し刑務所から出てきた元刑事。警備の仕事についてはいるが、アルコールに溺れながらの生活。そんな彼の元には3人の居候がいる。石渡、ジュンペイ、恭子の3人。この3人訳あり。尾木も訳あり。そんな4人だからなのか、和気あいあいと暮らしている。まるで家族みたいに。そしてまた新たな居候が。訳ありの早希だ。早希が転がり込んできた事によって事件に巻き込まれていく。


    面白かったです。デビュー作ということで

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    2025年12月06日
  • 教室に雨は降らない

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    臨時教師の主人公。小学生相手だけどかかわり方がとても良い。クラッシクのドゥカティのバイクで通勤、チョイスがいいですよねー。

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    2025年11月27日
  • 悪寒

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    親が姉と同じ扱いをしてくれないという寂しさと憎しみ、姉の妹に対する優しさがかえって妹の憎悪を増大させる。
    子供の頃に体験した傷は大人になっても癒すことが出来ない、自分も子供の頃に抱えた傷を持っているからこそ、この点に関しては寄り添いたくなる。

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    2025年11月24日
  • 痣

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    テンポよく進んでいき、展開も非常に面白くあっという間に読んでしまった。それぞれ登場人物のキャラクターが立っていて、感情移入しやすかった。実際、捜査一課内でも人間関係の面倒くささがいろいろありそうだなとか。
    赤い砂、悪寒、冷たい檻、翳りゆく午後、乙霧村の7人等いろいろ読んだが、伊岡作品の中でもかなり好きな作品。

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    2025年11月13日
  • 残像

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    浪人生がひょんなことから前科者の女性たちと知り合い。
    大変面白く読みました。
    主人公と政治家の息子の話が交互に進む中、主人公にこのまま幸せになってくんないかなと思うところで事態が急変し、その後はもう展開が止まらない。
    こんなにやっちゃって、一体話をどう収めるのかと思ったらうまいこと着地したものです。多少片付けに入ってた感もなくはなかったですが、決して雑な終わりではなく、少し寂しくも素敵な最後。
    人の死なない平和なサスペンスだなと思いました。素晴らしかったです。

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    2025年10月29日
  • 悪寒

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    「もらわれっ子症候群」
    たったそれだけでこんなことになるとは。
    姉妹って複雑ですね。
    真実は自分が思っているよりも違うのに。

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    2025年10月25日
  • 朽ちゆく庭

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    誰しも同じ毎日が続くと思いがちな日常が少しずつ、これぐらいと目を逸らしていることが積み重なることの怖さ。
    伊岡瞬のこれまでのイメージとは違うけど、やはり伊岡瞬!読んだ後に面白かった、金額の価値がある小説

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    2025年10月13日
  • 奔流の海

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    【慟哭の傑作】
    伊岡瞬『奔流の海』:
    引き裂かれた親子の運命

    1.伊岡瞬さんへの信頼:
    購読動機
    私が伊岡瞬さんの作品を読む動機は、ひと言で言えば「伊岡瞬さんの作品だから」。

    これまで、『本性』、『代償』など数々の作品を読んできました。彼の作品には凄惨な描写もありますが、私が心惹かれるのは、事件の動機・背景、そして結末から押し寄せてくる、筆舌に尽くし難い感情です。

    彼はもはやミステリー作家というより、現代社会の「陰」と「光」を映し出す作家だと感じています。

    彼の作品を読むことは、社会の現実と向き合うことなのです。

    2.運命を分けた奔流:
    物語の始まり
    『奔流の海』は、静岡県を襲った巨

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    2025年10月06日
  • 代償

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    だいぶ前に1度読んだことがあるけど、はやく続きが読みたくてページを捲る手が止まらなかった。
    こんなに救いようがない人がもし自分の身近なところにいたら…。特に自分と関わりがなくても恐ろしい。

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    2025年09月21日
  • 翳りゆく午後

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    ネタバレ

    文章もわかりやすく
    展開もおもしろくすらすらと読めた。

    警察から電話がかかってきたり、息子が捕まったり、追い詰められていく敏明の感情がスリルがあった。

    妻はどんな時も敏明と武のことを心配し、敏明の言うことに従う、すごくできた方なんだなと思っていたけどやっぱり不満はたくさんあったんだなと、こんな完璧な人ばかりじゃないよなと安心した。

    敏明は武の人生を、
    「翳りゆくばかり」
    と表現した。
    しかし、最後の武の手記には
    家族への思いが伝わってきて
    家族の人生がこれ以上翳らないようにと願っていた。

    幹人を心配し、幹人を信じてやれない敏明を心配し、そのように敏明を育てられなかったと自身を悔いた武。

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    2025年09月18日
  • 朽ちゆく庭

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    伊岡瞬先生の作品はきついです。
    これだけズタズタにされても、なんとかしてくれると期待しながら読んでしまいました。

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    2025年09月04日
  • 仮面

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    登場人物の名前の小タイトルで物語が進んでいき、もちろん最初から面白く読み進められた。しかし、後半になって油断をしていたというか、予想を全くしていなかった人物がまさかの犯人でやられた。いい意味で期待を裏切られ楽しめた。

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    2025年09月04日
  • 不審者

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    夫が突然お客さんだと言い、連れてきた男。それは、21年前に家を出ていった兄らしい。なぜそんなにも経ってから突然現れたのか?しかも、どこか気味が悪い、不審な気がする。この男は、何のために、なぜ現れたのか??
    なるほど、、こう来たか、という感じ。本当に伊岡さんは、悪寒でも思ったけど人間の気持ち悪さというか、不気味な部分をそこらそこらに散りばめるのがうまい。なんだろう、なんかなんでもないことのようにかなり気持ち悪い部分を当たり前のようにスっと入れてくる感じ。そういうの大好きです。悪寒を読んですぐこれを読みましたが、個人的には悪寒よりこっちの不審者の方が悪寒がした。どちらかと言うと悪寒は、前半は割と難

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    2025年08月18日
  • 悪寒

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    主人公の藤井賢一は42歳の会社員。第1部の冒頭に描かれるいくつかの場面だけで、彼が満足のいく生活を送っていないことが分かると思う。東京の本社から、系列会社の営業職として飛ばされたのだ。賢一がこの状況を耐えているのは、本社在籍時の不祥事のため。出向は単身赴任で、妻からはあまり帰ってこなくてもいいと言われ、娘の香純にすら電話もしたくないから用がある時はメールにしろ、と言われる。そんな四面楚歌の賢一に、現在の会社の部下である若い女性に優しくされ、食事にも行ってしまう。そこに、妻から混乱しているようなメールが届く。ここから、本当の物語が始まる。
    第二部に入るにつれてどんどん状況が変わっていき、ころころ

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    2025年08月15日
  • 本性

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    はじめまして、の作家さんです、伊岡瞬さん。
    本屋で表紙は何度も見てはいましたが、
    表紙が重い!ハードボイルドですっ!って
    手にとることはなかったのですが、You tubeの
    読者家ノンさんのおすすめで、トライしてみました。

    やっぱり読まないとわからないよね。読みやすい文体で、サックサック読めちゃいました。
    内容もエンタメというか、『サトウミサキ』が
    クズ男をエロティックに誘って、単に騙すんじゃなくて、しっかり交わっちゃって、さぁ大変!
    相手をメロメロにしてからどーーんって、
    落とすんだけど、何か次へ次へと読ませちゃう。

    3章なんか、少し資産がありそうな痴呆気味の老婆に近づくサトウミサキ。し

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    2025年07月30日
  • 不審者

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    とても面白く引き込まれ、一気読みしました。ラスト数ページで騙され気づいた時には切なく、やるせない気持ちになっていました。
    他の伊岡瞬さんの作品もたくさん読みたいと思いますし、友人にもオススメしたいと思います。
    1回読んだあと、改めてもう1回読むと更に面白さが増すと思います。

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    2025年07月26日
  • 仮面

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    ネタバレ

    一人ずつ何の関係もない登場人物の描写が続く。
    そのうち、点と点が繋がっていく。何人かは、亡き者となるか、行方知れずになる。
    犯人は、これまでの登場人物の中にいるはずだが、誰かが殺人鬼の仮面をつけているのか、それとも殺人鬼の顔を隠すための仮面をつけているのか。
    仮面というタイトルの意図を想像しながら読み進める。
    途中、刑事が囚われ、絶望的な状況に陥るが、そこからどう助かるか、の展開もヤキモキしながら面白く読み進められた。

    誰しも、社会に適合するため、成功をおさめるために、それぞれの仮面はあるだろうけど、その下に隠されている素顔もまた、千差万別なんだと納得した。

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    2025年07月23日
  • 代償

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    読まれた方の感想を見ると圧倒的に「胸糞悪い」と書いてあります。ゾワゾワした感じが他に表現がないかと思い考えました。海岸沿いの岩肌に張り付いている藤壺とその周りにいるフナムシ。主人公にあてはまる表現は「奈落の底」達也にあてはまる表現は「狡猾」ですかね。ラストに向けての展開は読み手を引き込んで離しません。当分伊岡瞬さんの作品にハマりそうです。

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    2025年06月29日
  • 代償

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    450ページ程ありますが、一気読みでした。
    達也のキャラが凄いです。最悪最低だけど人の心を操る天才で、以前読んだ「爆弾」のスズキタゴサクとリンクしてしまいました。
    爆弾好きな方はこの小説好きだと思います。

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    2025年06月24日