伊岡瞬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『代償』
なにがなに対してのことを指すのか。
おもしろかった。
二部構成
一部だけ読み終わった。
暗雲が垂れ込めるように、これからよくない展開が起きてしまうと、嫌な予感を抱いたまま物語はすすむ。
それを回避する術をもたない、純粋な主人公はまだたった12歳。不幸な運命に、より深くどんどん落ちていくも、信用できる大人はまわりにいない、淘汰する方法もわからない、悟った彼が自身の人生を捨ててしまっているようで、読んでいてとても苦しくなる。
幸せだった頃が日常だったからこそ、もうあのころのように戻れないと思うと辛い。
だからこそ手を差し伸べてくれる存在に出会った時は、蜘蛛の糸のように感じるのかな。
まだ12なのに。
二部
「おれたちは親戚なんだから、仲良くやろうぜ」
直近で東野圭吾さんの『殺人の門』を読んだのを思い出しました。彷彿とさせるおはなし。これだから嫌ミスはやめられない。大好物。
二部ではリーガルミステリになるのもステキ。私の好みのジャンルです。
様々な形の代償があって、読者にわかりやすく明記している。書かれていない代償もあるのだろうと、想像させられる部分も魅力的。おもしろい作品です。
2026.9.22-2026.9.27 -
Posted by ブクログ
単なる「イヤミス」にとどまらない、リアルなリーガルサスペンス
世間では「衝撃の胸糞イヤミス」として語られることの多い作品だが、実際に読んでみるとそれ以上に「法と弁護士の実務世界」が非常に丁寧に描かれており、知的な学びの多い一冊だった。
物語は二部構成で進む。第一部の少年期は、事故で両親を失った無力な主人公が境遇ゆえに言いなりになる理不尽さに納得がいく。一方で、大人になり弁護士となった第二部でも後手に回り続ける姿には、恐怖というよりもどかしさやイライラを覚える場面もある。
しかし、その葛藤の裏には「法に携わる者としての制約や職業倫理」という現実的な壁が存在する。過激なサスペンスの煽りに惑わされず、法の限界やプロフェッショナルの苦悩を描いたリーガルドラマとして読むと、非常に読み応えのある作成。
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Posted by ブクログ
ネタバレあらすじから、事件の犯人である達也に対して、弁護士という立場を逆手に取って圭輔が彼に罪を償わせるというストーリーを想像していたが、終盤で真相が明らかになり、どんでん返しがあって面白かった。
達也が他者を見下し人をいたぶることに快楽を感じるような人間になってしまった背景について説明がなく、根からの悪人として生まれてしまった達也は可哀想とも思えた。性善説など存在しないのではないかと思わされた。
真実を明らかにされてもなお少しも動揺する様子もみせず飄々としている姿が描かれていて最後まで達也らしい性格で終わったのがスッキリした。
圭輔が失った家族のために自分の弱さが招いた悲劇を償い、達也はこれまで自分の手を汚すことなく悪行の限りを尽くしてきた代償を支払う、タイトルの回収が気持ちよかった。
寿人が聖人で救われた。 -
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なんか不思議な話でした。伊岡さんの作品だから覚悟して読んでたけど、どうもいつもと違う。私は伊岡さんの作品を今までに数冊しか読んでなくてすごい知っているというわけではないのに、それでもいつもと違うと思った。
ファンタジー要素がほんのちょっとあり、読んでて昔話の『わらしべ長者』が頭に浮かびました。出会いって大切だな、みんな幸せになって結末を迎えるのかな?なんて思ってたけど、そこはやっぱり伊岡さん。闇が…。いつも登場するどうしようもないタチの悪い人間が出てきたり…。ラスボスみたいなのも出てくるし…。結局いつもみたいに"ズドン"と来るのか?と構えたけど、この作品は優しかった。
色んな事が起こったけど、最終的にどうなるのか気になり、あっという間に読めました。なんだかんだと面白かったです。 -
Posted by ブクログ
不倫、不倫、不倫、不倫、
どいつもこいつも不倫ばかりで、呆れます。
なんのために夫婦になったのか。
一生添い遂げる相手を見つけたのではないのか。
独身の私には不倫する人の気持ちは計り知れませんが、家族だからこそ外部に刺激を求めてしまうのでしょうか。。
読んでいて不快な気分になります。
でも、そんな気持ちになるのは、やはり本作品の家族の仲にリアリティを感じるからでしょうか。
思春期の子供に悩まされる妻、に他人の子供の如く任せっきりにしてしまう夫、
誰も同じ方向を向いていない家族の在り方は想像に難くなく、実情としては多いのかもしれないと思うと、とてもつらい気持ちになります。
幸せな家庭を知らないから、幸せになるための手順がわからず、不幸が次の世代へと連鎖して抜け出せないものなのでしょうか。
いまにも崩れ落ちてしまいそうな崖のきわ、首の皮一枚で繋がっている状態というのでしょうか、
そんな家族の状態に、この後の展開はどうなってしまうのかというヒヤヒヤが半分、いやもうどうしようもないでしょという諦めが半分という気持ちでした。
「少年」という存在が本作品のミステリーさを際立たせていて、とてもおもしろかったです。
ミドルティーンの証言が信憑性に乏しいことや物証も得られないことから、真実がこのまま闇に葬られるてしまうのではと思ったり。
ナツイチのフェアの中に見つけた本作品。
伊岡瞬さんの別の作品を買い漁りたくなりました。
2026.8.7-2026.8.13 -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかくエロシーンが多い
ネタバレ
サトウミサキといういくつもの男を虜にさせる魅惑の女による、中学校でいじめられて自殺未遂をした弟・浩紀の復讐劇
4人の浩紀に関わった者たちと2人の刑事の視点で物語が進む。
とくに3人目の青木繁子の章が衝撃的
認知症っぽいおばあちゃん・繁子の家に孫の嫁・茜とサトウミサキが世話しに来る
繁子は息子・一彦はどこに行ったのかと度々尋ねるが、答えは帰ってこない
繁子だと思っていた人物は実は一彦であり、一彦は繁子を殺害して地下に埋め、繁子になりきって生活していた
一彦は居眠り運転で孫を殺し、自分は生き残ったことを繁子から散々責められた(繁子は息子には厳しかったが孫にはとても甘かった)そこで精神を病んだマザコン
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Posted by ブクログ
ネタバレ一気読みしました
近年稀に見る悪役の登場と、主人公の気の弱さというか歯切れの悪さにめちゃくちゃイライラしながら読みましたが、とあるところあたりからいけ!やってやれ!みたいな気持ちになり、最後はしっかり綺麗に纏まりました。
ミステリー界のアンパンマン映画かってくらい分かりやすく読みやすく。ハラハラもあり、楽しめました。
途中、この悪役をどうやって成敗してくれるのかと楽しみでしたが、とにかくイライラしてました笑
最後にはずっと思ってたセリフが。
達也と同じような奴は他にも沢山いる
自分の周りにも達也ほどではなくても本当に理解できない人、ことってあるんです。 -
Posted by ブクログ
これまで読んだ伊岡瞬の作品の中で、本作がいちばん印象に残った。
物語は、ごく普通の日常から始まる。
しかし、その中にチクチクとした人間関係のズレや違和感が丁寧に描かれており、読み進めるうちにじわじわと不安が募っていく。そして、その違和感に気づいたときには、すでに物語に深く引き込まれていた。
本作では、妻・裕美子の心情が頻繁に描写される。
そのため私は、自然と裕美子に肩入れし、彼女を主人公のように感じながら読み進めていた。しかし、読み終えたときに残ったのは、「多くの問題の原因は裕美子にあったのではないか」という感覚だった。
中盤までは、彼女の行動に対して「状況を考えれば仕方がない」とどこかで納得し、共感しながら読んでいた。それだけに、読み終えたあと、自分が無意識に彼女を正当化していたことに気づき、少し怖さを覚えた。
これは、世界的なスポーツ大会で日本を応援してしまう感覚に似ている。特別な理由がなくても、「自分に近い存在」であるというだけで、自然と肩入れしてしまう。物語の登場人物に対しても、同じことが起きていたのだと思う。
では、現実の人間関係においてはどうだろうか。どれほど親しい相手であっても、その人が間違ったことをしているとき、自分は正しくそれを指摘できるのだろうか。あるいは、「友達だから」という理由で、甘く受け入れてしまうのではないか。
人は常に感情というフィルターを通して物事を判断してしまう。その不確かさと危うさに気づかされたという点で、本作は単なる物語以上の読後感を残した。