あらすじ
平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。運命は一転、過酷な思春期を送った圭輔は、長じて弁護士となるが、逮捕された達也から依頼が舞い込む。「私は無実の罪で逮捕されました。どうか、お願いです。私の弁護をしていただけないでしょうか」。裁判を弄ぶ達也、巧妙に仕組まれた罠。追いつめられた圭輔は、この悪に対峙できるのか? 衝撃と断罪のサスペンスミステリ。
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Posted by ブクログ
だいぶ前に1度読んだことがあるけど、はやく続きが読みたくてページを捲る手が止まらなかった。
こんなに救いようがない人がもし自分の身近なところにいたら…。特に自分と関わりがなくても恐ろしい。
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読まれた方の感想を見ると圧倒的に「胸糞悪い」と書いてあります。ゾワゾワした感じが他に表現がないかと思い考えました。海岸沿いの岩肌に張り付いている藤壺とその周りにいるフナムシ。主人公にあてはまる表現は「奈落の底」達也にあてはまる表現は「狡猾」ですかね。ラストに向けての展開は読み手を引き込んで離しません。当分伊岡瞬さんの作品にハマりそうです。
Posted by ブクログ
450ページ程ありますが、一気読みでした。
達也のキャラが凄いです。最悪最低だけど人の心を操る天才で、以前読んだ「爆弾」のスズキタゴサクとリンクしてしまいました。
爆弾好きな方はこの小説好きだと思います。
Posted by ブクログ
面白かった!正に450ページ一気読み。
面白いと言ってももちろん楽しいという意味じゃない。
第一部は、汚い言葉をあえて使うけど、「胸くそ悪くなる外道」が出てくる。
面白くてサクサク読むというより、怒りに我を忘れて止まらなかったという感じ。
こいつこのままで済むと思うなよ!!みたいな…。
反面あまりの過酷さに「読書は娯楽なのにこんな気持ちで読んでて本末転倒では?」と思ったりもした。
最後の解説でも香山二三郎氏が「第一部であまりの受難劇に心が折れそうになった読者も…」みたいな事が書かれてたけど、まさにその通り。
そして第二部。弁護士になった主人公。爽快リベンジが始まるのかと思いきや一向にその気配が訪れない。
相変わらず気が弱くて小さくて、久々再開したモンスターに振り回されている。
ダイジョブか?この気持ちどうしてくれる?ちゃんと回収してくれるよね?と思いながら読んだ。
大丈夫でした!スッキリしました!!ざまあみろ!!
やたらと口が悪くてすみません。
まだ興奮状態かもしれません(笑)
初めて読んだ伊岡作品。面白かった!他の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
平凡な家庭で育った小学生圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに遠縁で同学年の達也家族と暮らすことに。その後達也や達也の母道子のせいで過酷な思春期を送る。でもある出会いで圭輔は救われる。
大人になり圭輔は弁護士になる。そこへ逮捕された達也から弁護依頼がくる。
裁判を弄ぶ達也、巧妙に仕組まれた罠。追い詰められた圭輔は達也とどう対峙するのか...
達也がもう本当に根っからの悪いやつ。胸糞悪いとはまさにこのこと。
達也が登場すると眉間に皺がより、険しい顔で読んでいた気がする。
圭輔の弱腰にもイライラするが、寿人の存在が救いに。
胸糞悪い展開ではあるが、どう展開して行くのかが気になってほぼ一気に読めた。
ラストはもっと代償を!とも思うところもあるが、きっと圭輔の望む形で進んでいくんだろう...と願う。
グイグイ引き込まれ、あっという間に読め、面白かった。
★4.5
Posted by ブクログ
この本を読むのは2度目でした。
本棚から出てきた時は完読か積読かわからずに、読み始めて完読した本であることに気づいたものの、なんとなくのあらすじしか覚えてなかったので新鮮に読み返しました。
あまりに不幸になった人が多くて、晴々とした気持ちというわけにはいかなかったけど、主人公の『圭輔』がやっと少しは心が救われたのではないだろうかと思ってホッとしました。
Posted by ブクログ
前半の気味の悪さ、両親が亡くなってからの辛い時期からの、裁判の場面でまだ主人公の圭輔を追い詰めてきた描写はすごかったです。
みなさんがおっしゃっている通り、最後の結末が呆気なかったですが、最後の最後まで性悪キャラを突き通せた著者の描写力はすごかったです。
Posted by ブクログ
大きく2章に分かれている。子どもの頃の圭輔と達也、大人になって弁護士の圭輔と犯罪者の達也。
最後の最後まで思い通りに人を操れる達也がどこまでもクズだったが、意外とあっけないと思う部分もあった。
最後の方になるとようやくスイスイ読むことができた。
伊岡さんらしい著書。
Posted by ブクログ
矯正できない根っからの悪
自分では手を下さず人を操り破壊していくことに喜びを覚える人間と、その人物が払う代償の話でした。
物理的なもの、精神的なものどちらも与えてきた彼には安い代償な気がしています。絶望させることなどできないのかもしれませんが、、恨んでいた主人公が幸せになることが一番かもしれないですね。
彼の悪意によって人生を壊された主人公は、代償を払わせることができたとしても、失ったものが大きすぎる。彼から逃れるため、彼の呪縛から逃れるためにもがき苦しんだことだけでも、彼の心は満たされてしまったんだろうと思います。
絶対に会いたくない、自分の周りにも自分の大切な人も周りにもいてほしくない人間だと思いました。
ずっと苦しい展開でしたが、唯一の救いは親友と新しく家族と呼べる人に出会えたこと。
もし何もなく真っ直ぐ育った場合の人格とは別人であると思うけど、どうにか主人公自身で幸せを掴んでいって欲しいです。
Posted by ブクログ
序盤から読み進めるのを躊躇うような展開が続いたが、それでも先を知りたいと思わせる文章だった。
根っからの悪と対峙し、自分を失わず真っ直ぐに進む主人公たちの奮闘は、ある種の青春物語のようでハラハラしながらも美しい戦いだった。
Posted by ブクログ
主人公の人生を、めちゃくちゃに破壊するサイコパスな少年達也に胸くそが悪くなる。心底関わりたくないという描写が続く。2部で舞台が変わり、幸せを取り戻すのかと思えば、再び人生を狂わされる。達也にどのような鉄槌が下されるのかと、ページをめくる手が止まらない。
Posted by ブクログ
冒頭は主人公の置かれた立場があまりにも酷く、辛く悲しい気持ちでした。早くこの子に平穏な暮らしが訪れますように、と祈っても、近くにいる継母、そして達也の見えない行動で狂わされていく日々。こどもは本当に無力だと感じました。主人公だけでなく、達也もこどもであり、力が無かったため、継母の言いなりになっていた部分もあるのでしょう。達也がもし、普通の家庭で成長していたら、こんな性格にならっなかったのでは?この継母の影響で、達也も人生を狂わされた一人なのかと思いました。
時は経ち、達也は悲しく辛い過去をバネにして、そしてその環境で出会った方に支えられて、弁護士に。そこでまた、達也との縁が復活します。達也からの手紙、言葉からは、なんとなく、世の中のすべてを恨むような思いや感情が伝わってきました。自分が幸せになろう、ではなく、自分より幸せなやつを蹴落とす感覚、本当に自分で自分の幸せになる方法を知らなかったのかもしれません。
主人公は育った環境もあり、自分の意思を貫くことができなくなっていました。自分が親を殺したのかもしれない、と思いながら毎日過ごすことは、自分という存在を否定すること。希望が見いだせない、という点では達也と同じ。でも、彼と達也が違ったのは、亡くなってしまったが愛情のある両親がいたこと、友人に恵まれ、ふさわしい環境導いてくれたこと。また、本を読んでいろんな考え方、知恵、そして境遇に触れられたことが大きいのではないかと思います。
Posted by ブクログ
登場人物の中には醜悪とも言える行動を起こす者がおり、その異常さを際立たせるために文体も少し端折ってる印象を受けるところもあります。
…しかし、読む手が止まらない!
まるで、身体に悪いジャンクフードを貪り食うような感覚だろうか。全く健全ではないのだけれども手が止まらないという…。
学びや感性を得る作品というよりも、先述したようにまさにジャンクフードだと思う。
たいへん胸糞悪いです!笑
…でも、私もそんな謎の魅力に囚われて一気読みしたタチなので星は4つにしました!
Posted by ブクログ
まさしく嫌ミス。達也があまりにもサイコパスな最低野郎で、特に序盤は主人公がまだ子供なこともあり、読んでいてなかなか辛かった。その後も奈落に落とされるような展開がありながら、苦しい中にも一筋の光のような出会いがあり、主人公の人生をとてもリアルに感じられる。
スカッとしたラストとは言えないけど、主人公達には幸せな未来が待っていてほしい。
すごい一冊だったけど、ヘビーでボリューミーでもあり読んでなかなかに疲れました笑 面白かった。
Posted by ブクログ
一部で主人公と最大の敵とも言える相手との凄惨な過去が語られ、二部で2人は運命とも言えるような形での再会を果たす。一部は正直読みながらも胸が苦しくなるような出来事ばかりで光が差したかと思えば奈落の底に突き落とされるようなジェットコースター悲劇が起き続け正直、胸が苦しかった。その反動で二部では光を求めページをひたすら巡り続け一気に読み終わってしまった。どれだけの代償があれば、天秤は釣り合うのか。果たして釣り合うことなんてあるのか。ただ、その代償によって開けた未来に確かな光が差していることは何よりも救いだった。
Posted by ブクログ
遠縁で同学年の友人(?)と暮らす主人公の子供時代が特に過酷で辛い。弁護士になった後も逮捕された友人に人生を邪魔される。胸糞悪い話が長く続くけれどどんどん読める。
Posted by ブクログ
全体的に胸糞悪い展開が続き、しんどいなと思いながら読んでいたが、最後はスカッとしたので溜飲が下がりました。内容は弁護士として犯人を追っていくというサスペンスになっており、最後は刑事ドラマのような展開でした。また主人公の過去に関する事件の真相がハッキリとしなかったことが逆に想像の余地があり、個人的には良かったです。
Posted by ブクログ
もう!なんでこんなやな奴を信じてやるの!?
お父さんもお母さんも紗弓も!
見るからにやな奴なのにっ!!
圭輔も!もう関わらないでよ!!
ってずっとムカムカモヤモヤして読んでた
夢中になって読んでた
Posted by ブクログ
平凡な家庭に育った小学生の圭輔は、彼にとって不幸な事件のため、遠縁で同学年の悪魔のような達也の家で暮らすことになる。読んでて辛くなる(何でここまで卑屈なの?)。
その後長じて弁護士となった圭輔のもとに、逮捕された達也から弁護の依頼が来る(何で卑屈を引きずったまま断れないんだ!)。そして達也の巧妙な罠で裁判でも翻弄される。
450ページの長編の内330ページくらいまでは、圭輔の弱さと達也の悪魔的な巧妙さで人間の醜さとそれに屈する弱さから来る無力感にイライラする(結構「吉田修一」っぽい)。
しかしその後、332ページ目くらいから友達の寿人の友情により巻き返しが来て最終的にほホッとする(勧善懲悪的な爽快感まではない)。
最後まで耐えて読めばリーガルミステリーとして非常に面白い。好きな作品。
Posted by ブクログ
前半(1部)は少年圭輔が達也と出会い、そしてどん底に突き落とされていく読みは進めるのが辛い悲惨な少年時代が語られている。何度も涙腺が緩んでしまった。後半は成人した圭輔が弁護士となりそして再び達也と絡んでしまい、過去の事件を紐解いていく。
圭輔の人生で両親を早くに亡くすのは悲劇に違いないけど、寿人と出会えたことが最大の喜びでありその幸運はその後感謝してもしきれないだろう。2人の友情が暗い物語に明るい材料になっている。
冷静な圭輔が弁護士の資格をその明瞭な頭脳だけでなく適正もあると思える。まだまだ感情をコントロールしきれない駆け出しの弁護士を先輩女性弁護士という存在も少なからず明るいエッセンスとなっている。それにしても直接手を汚さない極悪人、他人をマインドコントロールしてしまい策略家の達也みたいな奴とは人生で出会ってしまったら不幸の始まりだ。ラストはタイトルにピッタリで終わった。
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本作はなんともいえず『歯がゆい』代表作ではと感じます、本作には2人の主人公が登場しますが、この2人の性格が真逆、一方は悪魔の子みたいなキャラで一方は天使みたいなキャラなのですが完全に天使のような子が悲惨な人生を送る前半は読んでられない感じで何度か断念しそうでした、ラスト50ページまで、それが続く展開はこのまま浮かばれずに終わるのでは…と思える程です。
ラスト50ページの為に頑張って読む…そんな感じかなぁ!
Posted by ブクログ
「20世紀の終わりに、この世界は終焉を迎えなかったが、圭輔の世界は崩壊してしまった」
主人公圭輔を取り巻く「達也」という、私の理解の範疇を超える倫理観をもつ少年が次々に引き起こす展開が気になりずんずんと読み進められたが、読後の印象は、暗く、重く、しんどいものだった。
この物語は二部構成になっていて、
• 第一部では、達也との出会い、両親を火事で失った後、達也と、その継母道子に引き取られてからの地獄のような幼少期が描かれている。
• 第二部では、寿人と牛島夫婦に助け出された圭輔が弁護士となり、皮肉にも殺人事件の被疑者となった達也の弁護人となる顛末が描かれている。
純粋な悪そのものである達也がどんな意図や企てをしているのか、緊迫した展開に引き込まれた。しかし、達也と道子の下劣さ、気持ちの悪さ、不快感がひたすら腹の底に溜まっていくようで、良い気分にはなれなかった。
ラストは、達也が代償を払うという形で決着がついた。しかし、達也がこれまで多くの人にしてきた仕打ちを考えると、達也のはらった代償は少しも見合っていない気がする。というより、あれほどの行為は「代償」なんかで償えるレベルの話ではないと感じた。
最後まで読み切った達成感はあるが、ただただ胸糞の悪さが残る、読者に重い問いを突きつける作品だった。
Posted by ブクログ
スピード感のあるどうなるのか感
這い上がれる主人公と出会いと、逃亡者は北へ向かうと真反対の救いのある加減もまた。
映画っぽい感じの内容だったけど、あまりにも対比のゲス感が強い。。。
Posted by ブクログ
根っからの悪である達也に逆らえない感じがとてもモヤモヤして悔しい、気分が悪くなるような小説だった。
最後の「代償」だけでは物足りない気もする。
Posted by ブクログ
ストーリー前半はブラックでしんどいところがあるものの激しく展開する。最後の方は少し迫力とか意外性が足りなかったかな。特にオチの部分は、まっそうだわな〜、というところ。もう一捻りあれば★4かな。
Posted by ブクログ
圧倒的悪を前にしてどう立ち向かうか
人間は生まれながらにして悪人なのか
元々の素質か、環境か
その人を羨ましく思うとき
自分はきっと幸せではないのだと思う
Posted by ブクログ
何が起きるかは分かっていたので、胸糞が悪すぎて続きが読み進められなかったが、
大人になってからがどうなるのか?と一気に読めた
それぞれがどのような今後を送るのか
消化不良
悲劇は残虐な犯人と保守に走る主人公によって起こる。
圭輔がミカを達也に紹介してすぐ立ち去る場面は驚愕もので、圭輔は一生の罪を背負わなくてはいけないのに擁護するような最後。
特にミカと母の被害は口に出すのもおぞましい一方、タイトル名でもある代償が軽すぎて拍子抜け。
ただ最後までは読めた。