伊岡瞬のレビュー一覧

  • 代償

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    登場人物の中には醜悪とも言える行動を起こす者がおり、その異常さを際立たせるために文体も少し端折ってる印象を受けるところもあります。

    …しかし、読む手が止まらない!

    まるで、身体に悪いジャンクフードを貪り食うような感覚だろうか。全く健全ではないのだけれども手が止まらないという…。

    学びや感性を得る作品というよりも、先述したようにまさにジャンクフードだと思う。
    たいへん胸糞悪いです!笑

    …でも、私もそんな謎の魅力に囚われて一気読みしたタチなので星は4つにしました!

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    2025年05月18日
  • 水脈

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    殺人事件の捜査と、一人暮らしの老女ととある母子のふれあいの双方の物語が展開されていき、最終的には悲惨な事件となってしまう…
    物語の主題は特殊詐欺
    世間を騒がせる犯罪の背景や闇がリアルに表現されており、なんだか酷い時代になってしまったな、と読んでいて少し憂鬱になりそう
    特殊詐欺のような犯罪が起きてしまう社会の病態を水脈に例えてるのは、なるほどよく纏まってるなと思った

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    2025年05月17日
  • 翳りゆく午後

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    『翳りゆく午後』の「午後」とは、人生の午後だろう。

    高齢者による交通事故のニュースを見ては、またか!といつも憤慨している一人である。
    しかし、家族がいくら言っても本人が頑として免許を返上しないという事情も知っている。車がないとどこにも行けないという事情も分かっている。
    だが、人の命には代えられないのではないか。
    運が悪かったら、最悪こういうことになるんだよ、という小説である。

    元校長の父親・武(たけし)には世間から重きを置かれる地位にいた人間特有の頑固さとプライドがあり、屁理屈を振りかざすのが得意で、最初は主人公の敏明に同情していた。高齢の親に手を焼いた自分自身の体験から、感情移入もしてい

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    2025年05月17日
  • 代償

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    まさしく嫌ミス。達也があまりにもサイコパスな最低野郎で、特に序盤は主人公がまだ子供なこともあり、読んでいてなかなか辛かった。その後も奈落に落とされるような展開がありながら、苦しい中にも一筋の光のような出会いがあり、主人公の人生をとてもリアルに感じられる。
    スカッとしたラストとは言えないけど、主人公達には幸せな未来が待っていてほしい。
    すごい一冊だったけど、ヘビーでボリューミーでもあり読んでなかなかに疲れました笑 面白かった。

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    2025年05月15日
  • 代償

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    ネタバレ

    一部で主人公と最大の敵とも言える相手との凄惨な過去が語られ、二部で2人は運命とも言えるような形での再会を果たす。一部は正直読みながらも胸が苦しくなるような出来事ばかりで光が差したかと思えば奈落の底に突き落とされるようなジェットコースター悲劇が起き続け正直、胸が苦しかった。その反動で二部では光を求めページをひたすら巡り続け一気に読み終わってしまった。どれだけの代償があれば、天秤は釣り合うのか。果たして釣り合うことなんてあるのか。ただ、その代償によって開けた未来に確かな光が差していることは何よりも救いだった。

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    2025年05月10日
  • 冷たい檻

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    なかなかの超大作。
    確かに風邪に悩む村では、こんな利権にまみれた補助金目当ての人体実験もあるかも、と思えた。
    クスリの力が人を安易にコントロールしてしまう、そんな世界も大いにあり得て、ちょっと薄ら寒くなった。

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    2025年05月08日
  • 翳りゆく午後

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    多発する高齢者ドライバーの事故報道から物語は始まる。
    最初は他人事だった事故も段々と我が身に重なり始める。誰の足元にもある「まさか」の落とし穴をジリジリと足で探るように進む展開。

    “今日の何処かの悲劇は明日の自分が主役かもしれない”と思うと本当に怖い内容。

    社会的制裁、老い、家族とは信頼とは?を突きつけ静かに不穏が広がる社会派心理サスペンスでした。

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    2025年05月07日
  • 翳りゆく午後

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    親子間のコミュニケーション、高齢親の認知症、運転問題と、今まさにその渦中にいる主人公の心理が迫真に迫っていて一気に読めた。決して小説の中の出来事ではない、と身につまされ人が多い事だろう。何十年と横たわってきた親子間の行き違いをどこかで修正できていたら、親の認知が始まった段階で話し合いうことができる。親の認知や運転問題の根っこは繋がっている。

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    2025年05月04日
  • 翳りゆく午後

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    ネタバレ

    まさに今自分が直面している問題
    主人公は自分本位であまり共感できなかった
    息子がところどころ怪しい動きをしていたのでもしかして…とも思ったりしたが
    犯人は想像通りだった
    現実にありそうなお話で最後までハラハラしながら読んだ

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    2025年05月02日
  • 代償

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    面白かった!正に450ページ一気読み。
    面白いと言ってももちろん楽しいという意味じゃない。
    第一部は、汚い言葉をあえて使うけど、「胸くそ悪くなる外道」が出てくる。
    面白くてサクサク読むというより、怒りに我を忘れて止まらなかったという感じ。
    こいつこのままで済むと思うなよ!!みたいな…。
    反面あまりの過酷さに「読書は娯楽なのにこんな気持ちで読んでて本末転倒では?」と思ったりもした。
    最後の解説でも香山二三郎氏が「第一部であまりの受難劇に心が折れそうになった読者も…」みたいな事が書かれてたけど、まさにその通り。
    そして第二部。弁護士になった主人公。爽快リベンジが始まるのかと思いきや一向にその気配が

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    2025年04月29日
  • 悪寒

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    ネタバレ

    最後まで一貫して思ったのは、
    優子さんは本当に心の底から恨んでたのかな?ということ。
    お姉さんへの甘えだっただけじゃないのか。
    子供は親にどこまで許されるか試すことがあるという。それが甘えだと。
    家族から愛されないと感じる優子は、倫子を憎みながらも、受け入れてくれることに甘えていたのではないか。

    一方倫子も、自分だけが血が違うことから、家族として必要とされているということを、優子をかばうことで感じていたのかも。

    優子は倫子が羨ましかった。
    お金や権力になびくことのない実直な旦那がいて、無条件に愛されている。
    本当に血のつながった家族を作っていく様子。
    すごく幸せに見えたに違いない。
    そんな

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    2025年04月25日
  • 追跡

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    伊岡さんの物語は、テンポよくサクサク読める。誰が敵で味方か、最後まで、こんがらがったが楽しく読み終えたから、マッいいか。予想外の結末も、すんなり受け入れられる。

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    2025年04月24日
  • 乙霧村の七人〈新装改訂版〉

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    ネタバレ

    男女学生のグループが日常から隔絶された環境に出向いて身を置き、そこで生命の危険を脅かすトラブルに次々見舞われていく…という、古今東西で頻々と使われてきた類型を敢えて採用する挑戦的な構え。
    "弟切草"をモチーフに据えるという点も、ホラーにカテゴライズされる創作物においては典型の一つと言っても良い。
    津山の事件を想起する向きもいるであろう、土着的な因習が放つ民俗臭を強く纏うエピソードを絡めるあたり、雰囲気はある。

    懐かしの「13日の金曜日」を彷彿とさせるパニックホラーが展開された第一部に対し、第二部では後日譚の体裁をとり、各登場人物とのダイアローグ等の手法を交えいわゆる謎解き

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    2025年04月21日
  • 翳りゆく午後

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    年齢を重ねるほど経験もあるということだから、運転をやめるという決心はつきにくいのかもしれない。でも、何かあってからでは遅いのよね。

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    2025年04月20日
  • 不審者

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    ネタバレ

    いかにも怪しげな21年振りに姿を現した夫の兄を名乗る人物。
    その兄が現れた辺りからりかこの周囲だは不審な事件が立て続けに起こり始める。
    どんでん返しだった。
    兄が実は警察官でりかこを捜査する為におとり捜査を行っていただなんてビックリした!
    夫の能天気さには終始イライラしたけど!
    お義母さんは兄のこと認識してたのかな?
    そこは明言されていなかったな。
    りかこも辛い幼少期を過ごしてきたんだろうけど、自分の平穏のためには手段を選ばず排除するところが恐ろしかった。
    突然の殺害計画には?となった笑
    突然どうしたのって笑

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    2025年06月26日
  • 追跡

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    人間の醜さと怒りを力強く描いたサスペンスミステリー、疾走感と緊張感でドキドキが止まらない! #追跡

    ■あらすじ
    東京の住宅街で火災が発生、その家に住む老人と息子夫婦の遺体が発見される。通常の火災事故と思われたが、発見された遺体は刺されていることが判明、さらに現場から少年が失踪していたのだ。警察は捜査を開始するのだが、この事件の背後には隠された秘密があるようで…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    スピーディーでドキドキが止まらないドエンタメ小説、もうこの本そのまま脚本で映画にできちゃいそうですね。

    伊岡瞬先生は粘り気のある警察小説のイメージが強かったのですが、本作はノンストップサスペンス。まず

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    2025年04月19日
  • 仮面

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    宮下刑事シリーズ。女先輩刑事がひどい目に合うのがかわいそう。この後もシリーズが続くなら出てきて欲しい。

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    2025年04月12日
  • 追跡

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    放火殺人事件発生の翌日には無事解決という、敏速な仕事ぶり。無駄がない。警察上層部と政治家の腐った繋がりを、樋口やアオイらが暴露、一掃。仕掛けられた罠や謀叛も難無く回収。暗躍する『組織』にまた会いたい。

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    2025年04月05日
  • 乙霧村の七人〈新装改訂版〉

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    第一部はパニックホラー
    人あらずものにも思われる大男に襲われる
    第二部は後日譚
    インタビュー形式で真相に徐々に近づいていく

    怖かった
    真相を色々と考えながら読んでいた
    若干腑に落ちないところもあるけど面白かった

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    2025年04月04日
  • 翳りゆく午後

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    認知症・・・・
    「もの忘れ」などの笑い話で済む問題ではありません。自分の家族に症状が見られたら・・・
    と、いろいろ考えさせられてしまいました。
    今作は、
    高齢による諸問題から、家族の問題、お金の問題、とトラブルが大きく広がり、気が重くなるイヤ〜な展開へ・・・。
    まぁ、そこが良いのだが・・・

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    2025年04月01日