樋口有介のレビュー一覧
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異色の主人公。元ヤンキーで殺人の前科があり、16歳のときに産んだ息子を持つ32歳の女性サエ。世話になった弁護士をオヤジと呼び、そのオヤジの事務所に勤めている。表向きは事務員だけど、解錠その他、元不良らしく、さまざまな特技を駆使して、顧客の依頼に応じた危ない調査いろいろ。
著者の作品ではおなじみの、いわゆる「ワイズクラック」な話し方が今回はなりをひそめているものの、会話のテンポのよさは相変わらず。いくつかの仕事が最後に絡み合うのかと思ったらそうではなかったのがちょっと残念ですが、クールなシングルマザーのハードボイルドといった風情で飽きさせません。シリーズ化、歓迎。 -
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ネタバレ以前、燐鉱石の国・ナウルで突然通信が途絶えて「すわ、革命か!?」と騒がれた事があったけど、本作はあの事件をモチーフに書いたのかと思ったら、それよりもずっと前の作品でビックリした。
預言者か。
あと、島の原住民の訛りに上州弁を使ったのは上手いと思った。
樋口さんおなじみの切な系青春ストーリーでも枯れかけのおっさんが頑張っちゃう話でもないけど(いや、スタッド氏は枯れかけのおっさんか)、これはこれで十分面白かった。
ナウルやらパラオやらミクロネシア連邦やらの歴史をかじってから読むのと読まないのとでは、感じる面白さに差があるような気もする。 -
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柚木草平シリーズ、番外編。柚木の娘・加奈子が主人公。
巻末の著者のあとがきを読むと、主人公を加奈子に置いて描くのは結構な冒険であった様子。しかしながら、いざ読むとちゃんと柚木草平ワールドになっている。これまでほとんど草平の電話の相手として登場してきただけだが、私のイメージと合致して違和感もなく読めた。加奈子目線では柚木がどのように映っているかも、これまでシリーズを読んできただけに興味がわき、満足もできた。
そして、今作ではもう一人強烈な個性のあるキャラが登場。加奈子の友達の柚子ちゃん。正直、最初はキワモノキャラだな、と思ったのだが、これがなかなか可愛い。加奈子も可愛いが、柚子ちゃんはまた違う -
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柚木草平シリーズ。長編作。
相変わらず美女ばっかり出てくるけど、それはこのシリーズのお約束ということで。ちょいちょい美女との会話に浮かれて話が脱線してしまう柚木だが、私はその柚木の軽口がテンポ良くて、味もあって好き。ミステリとしてもちろん面白いけど、このシリーズはこの会話の掛け合いがあってこそ、とつくづく思う。
そして今回、出てくる美女たちがそれぞれ結構なえげつなさで、結末はなかなかのハードなものに。柚木さんじゃないけど、久々に読みながら犯人に対し本気で怒りを覚えずにはいられなかった。事の真相を知れば余計に怒りがフツフツと。後味の悪い事件だったけど、それがヤサグレ中年男の柚木には妙に合うの -
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著者初の時代小説とのこと。しかしながら、初とは思えないくらい、違和感なく面白く読めた(上からでスミマセン)。
ただ、やっぱり主人公の女性に対する口の上手さは時代小説においても健在のよう(笑)。どちらかというと時代モノには女性に対しては口下手な主人公剣客が多いだけに、倩一郎の人物設定は新鮮だったかも。キザったらしい言葉も様になっていて、キュンとなった。
陰謀の結末がちょっと頼りなかったのが残念なところ。これが真相なら狭量過ぎじゃない??定信よりは田沼派の私なので、ちょっと納得いかないワ。
と言いつつ、全体的には楽しめた。テンポ良く会話も進み、非常に読みやすかった。続編があるので、それも楽しみ。シ -
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柚木草平シリーズ、6作目。
創元推理文庫出版での刊行順で読んでいますが、前2作が番外編的な感じでもあったので、漸く本来の柚木草平氏に再会出来たような気がした。
いずれも一筋縄ではいかない色んなタイプの女性と交わす会話が秀逸。よくもまぁ、これだけポンポンと気障なセリフが出てくることと、作中の人物ながら感心してしまう。女性から振り回される具合が今作も絶好調だったな、と。その中で、新しく出てきた新米女性編集者。草平を取り巻く個性ある女性がまた一人増えました。最初は高飛車で鼻持ちならない感じだったけど、読み進めていくうちに可愛くなって、狸の生態研究のところで見事に撃ち抜かれました。これからも草平氏と -
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柚木草平シリーズ、4作目。
今回は柚木草平目線は少なく、三浦鈴女(すずめ)という女子大生の目線で描かれる番外編的なシリーズ作。
ハードボイルドな探偵の中年男性から女子大生の若い女の子に主人公が変わって、正直そういうのあんまり好きじゃなくて期待はしてなかったんだけど、意外とこのすずめちゃんが可愛くて、最初から楽しく読めた。不器用な恋愛模様も、ほのぼのとしてて、好印象。第三者目線から描かれる草平の姿も新鮮だった。事件の方は打って変わってドロドロした人間関係だったけど。
主人公が変わって、それまでの3作とは雰囲気が違ったけど、これはこれで面白かった。すずめちゃんが再登壇することってあるのかな。 -
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柚木草平シリーズ、2作目。
今作の被害者、および容疑者は全員、草平の高校時代の同級生。そのせいもあって、草平の過去を含めた人間性も垣間見ることが出来る。前作でもチラリと出してはいたけど、見かけによらず、なかなか深刻な過去を色々持ち合わせているらしい。口からポンポンと飛び出す草平のキザなセリフは健在。ここまで達者だとお見事。女性の天敵みたいなキャラだけど、憎めないワ。ただ、相手になる女性がたくさん出てくるけど、2作目にしてすでに似通った傾向になりがちかな。
前作もだけど、このシリーズ、青春モノのようなタイトルなのに、主人公がヤサグレ中年男であるのが笑える。 -
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大学生の木村洋介は夏休みに父の住む小笠原の父島に帰ってくる。
そこには中学、高校をともに過ごした仲間と、その仲間のひとり、丸山翔子がいる。洋介から一年遅れて、この島に来た彼女は、誰もが一目おく美人だった。その彼女が病に侵されて、死に掛けている。
元村長の娘で、同級生の一宮和希が崖から落ちて死ぬという事件がおこり、その犯人とみられ、彼女を追って島に来たストーカーと見られている男が彼女の墓場で殺される。そして、そのあとに翔子も命を尽きる。
翔子は、和希の事件をベッドのなかから、丸山一族の財力と権力を使って追っていた。
地元民である島の同級生、漁師の浩司、旅館の娘、旬子との友情、東