樋口有介のレビュー一覧
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★5つは、この文春文庫版が出た頃に読んだ時の(たぶんの)評価。
今更読んでみた評価だと、おおまけにおまけして、★4つくらいかなぁー(^^ゞ
そんな、樋口有介の『ぼくと、ぼくらの夏』。
いまさら読みたくなったのは、宮部みゆきの『ソロモンの偽証』を読んでいて主人公の担任である森内先生のキャラに、『ぼくと、ぼくらの夏』に出てきた担任の先生を思い出したから。
そんな村岡先生だけど、まぁなんと言うかw
宮部みゆきの小説に出てくる担任の先生だと森内先生になるけど、樋口有介だと村岡先生のキャラになる…、みたいな?(^_^;)
ということで、この本の感想にいく(爆)
ウィキペディアを見ると樋口有介は1 -
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ネタバレ表紙に惹かれ手に取りました。お恥ずかしながら初めての作者さんでしたが、2021年ご逝去とのこと、続編を待ち望むことは叶わないんだな、というのが読後の最初の感想でした。面白かったー!
ハードボイルド、の言葉が裏表紙にありましたがそこまで硬すぎず、かといって本格ミステリでもなかったと思います。筋としては殺人事件の新犯人捜し、なのですが、超推理や謎解きはあまり複雑に無くて、椎葉という主人公の人生をなぞるような場面が私は読んでいて心地よかった。ブレない諦念、というんですかね…30過ぎにしては人生悟りすぎでは、と思わなくもないけれど、元妻との境遇の対比が(暗に元妻が悪く描かれているような気がしなくもな -
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元刑事のフリーライター柚木草平は、山代母娘の家で鎌倉在住の薬膳研究家である藤野真彩という女性と出会う。
10年前、高校生だった真彩の同級生が失踪しており、その同級生らしき人物の目撃情報が鎌倉周辺で増えているという。
成り行きで女子高生の失踪事件を調べることになった草平だったが、関係者が殺害される事件が起きてしまう。
1990年に「彼女はたぶん魔法を使う」で始まり、本作で12弾を迎えた柚木草平シリーズ。
いつだったか、書店で手に取った縁でずっと読み続けてきました。
主人公の草平さんはいつまで経っても歳を取らずに永遠に38歳のまま。妻とは別居中で、一人娘の加奈子には頭が上がらず、そし -
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ネタバレ柚木草平が嫌いということではないんだけど、樋口有介は、やっぱり青春真っただ中な主人公が事件を探っていく話の方がいい。
それは、最初に読んだ著者の本が『ぼくとぼくらの夏』と『風少女』だからだろう(どっちを先に読んだのかはおぼえていない)。
これは主人公が大学4年の女の子ということで、そういう意味でも樋口有介っぽくって、すごく好みの話。
というかー。
柚木草平って、このポジションの方がおさまりがいいと思うんだけど?w
読み始めて、最初に感じたのが、え? 樋口有介って、こんな文学的に情景描写する人だったっけ!?ということ(^^;
たしかに、変に詩的なタイトルwとか、ムダにキザなへらず口とかw(いや -
Posted by ブクログ
ネタバレ樋口有介は、ずいぶん前。駅前の小さな本屋で、最初に『ぼくと、ぼくらの夏』、翌日に『風少女』を買って以来のファンだ。
ジュブナイルというか、青春の物語というか。ジュブナイルに毛が生えたみたいなw感じなところがいいんだと思う。
確か、2000年代の初め頃だったか? 中公文庫からポツポツ出てた頃も、本屋で見かける度買って読んでいた。
ただ、創元文庫の柚木草平シリーズの『彼女はたぶん魔法を使う』を見た時は、「あぁまだ樋口有介って書いてたんだなー」と妙に懐かしくw感じた記憶があるから、
その頃は全く読まない作家になっていたんだろう。
その後、その『彼女はたぶん魔法を使う』と『初恋よ、さよならのキスをし -
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古文書を繙くと、どうやら2015年に
一度この本を読んでいるようだが...(^ ^;
全くもって記憶に無し(^ ^;
まぁ、だいぶ加筆訂正した、とのことなので、
印象が変わっているに違いない...(^ ^;
作者お得意の「韜晦した若者」が主人公。
二年ぶりに帰省した小笠原の父島で、
様々な事件に出会い、結果的にその謎解きをしていく。
様々な出会い、別れ、邂逅があり、
「余命幾ばくもない初恋の女性」のエピソードが、
通奏低音のように悲しみとノスタルジーを奏で続ける。
やり場のない怒り、無力感、虚無感...
刹那主義的に生きながら、悩み続けている主人公。
彼を取り巻く小笠原の人々がまた良い -
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お仕事小説に分類したが、冒頭のシーンから
なかなかのハードボイルド(^ ^;
またある人物の過去を明らかにしていく過程は、
ミステリ要素でもあるし...分類が難しい(^ ^;
ジャンルはどうであれ、大変楽しく読めました(^ ^
テンポよく、乾いた文体で、所々にはさまれる
ユーモアも「ちょうど良い」塩梅で(^ ^
謎解き的要素があるので、詳しくは書けませんが、
最後の種明かしは結構な「そう来たか感」(^ ^;
続編を期待できる「含み」の残し方もあるし、
いやこれはまたおいしいシリーズになるかと(^ ^
唯一「消化不良感」が残るのは、
ターゲットの「奥さん」の正体...と言うか...
これ -
Posted by ブクログ
+★★
あまりに面白くて、星七つ(^ ^
元刑事のフリーライターで、やたら女にもて、
しかも女難の相があり...というコメディ調ミステリ。
いやまぁ、「よくある話」とは言える(^ ^;
が、文章のテンポが良く、読んでて心地よい(^ ^
軽い文体ではあるが、取り上げてる「事件」は、
根が深く複雑な展開を見せ、容疑者も二転三転、
純粋なミステリとしてもワクワクしながら読める(^ ^
シリーズ物で「お馴染みの美女軍団」も健在、
「永遠の38歳」の活躍から目が離せない(^ ^
例によって「ミステリ」なので、細かくは書けませんが、
文句ナシに読める至高のエンタテインメントです(^o^ -
Posted by ブクログ
夜間高校に通う女の子が、とある「クラブ」で初老の小説家の男と出会う。
女の子主観の話なので、まるでシンデレラストーリーなのだが…。
父はけがで働けない、母はうつ病ででもパチンコにはいっていて、生活保護をうけていて、そんなどん底にいても彼女は純粋で、というのが多分オッサンの理想なんだろう。
うん。
むしろ、これはオッサンの理想の話なのだ。
理想なので、彼女はだた自分の運命を嘆いているだけではない。行動をおこす。ただ、行動にはお金がいる。都合よく小説家の男は金をもっているのである。
とはいえ、彼女は純粋に男にひかれていくのだけど。
うーん。
ファザコンがあるのかと思ったり -
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ネタバレ*社会福祉の大胆な切り捨てで経済大国に返り咲いた近未来の日本。警察の経費削減で捜査を委託された元刑事の幸祐は、夏休み中の孫娘・愛芽と共に、老婆の死亡事件が起こった山奥の福祉施設を訪れる。単なる事故死で片づけるはずが、クセのある施設の人々と接するうちに幸祐の刑事根性が疼きだして…ノスタルジックな夏休みの情景に棄てられた人々の哀しみが滲む傑作ミステリ*
一言で表すならば「ぎっしり」。これでもか!と言うくらいに色々なネタや仕掛けがぎゅうぎゅうに詰め込まれている感じ。近未来の設定も、まさに今起こりうるような展開も面白かったし、樋口ワールドも堪能したけど、ネタが多すぎて収束しきれていないのがもったいな -
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知的障害を持つ40歳の男性、ボクさん(僕、僕と言うから)は、母親が遺してくれた全6室の小さなアパートの管理人をしています。小学生程度の知能であっても、管理人としてのボクさんの仕事は完璧。入居者やご近所さんにも恵まれて、平穏な日々を送っていました。ところが、ある日、アパートの1室で殺人事件が起こります。第一発見者はボクさん。梯子にのぼって外壁の修理をしていたとき、窓から見えた部屋の中に死体を発見してしまったのでした。驚いた拍子に梯子から落ちたボクさんは、頭を打って病院へと運ばれ、しばらく意識不明に。目が覚めたときのボクさんは、それまでのボクさんとは変わっていました。頭の使われていなかった部分がフ