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社会福祉の大胆な切り捨てで経済大国に返り咲いた近未来の日本。警察の経費削減で捜査を委託された元刑事の幸祐は、孫娘の女子大生・愛芽と共に、老婆の死亡事故が起こった山奥の福祉施設を訪れる。単なる事故死のはずが、閉鎖的でクセのある施設の人々と接するうち幸祐の勘が騒ぎだして……スモールタウン・ミステリの傑作。
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Posted by ブクログ
荒唐無稽とも言い切れない近未来の日本のド田舎が舞台設定のスモールタウンミステリ。勿論ミステリの筋も一級品なのだが、樋口氏の絶妙な会話の妙が堪能できる。幸祐と夜宵、幸祐と愛芽、由希也と蛍子、の関係性を本線に、幸祐が捜査していくうちに明らかになっていく驚くべき事実を伏線に、人生の意味や社会の矛盾を鋭く描...続きを読むきつつ、全体的には軽妙さを忘れない表現で、幸せな読後感を与えてもらった。幸祐の夜宵への淡い恋心が切なさも感じさせてくれる。
樋口作品、ノンシリーズ。 犯罪者の島流しと、生活保護者の強制集中居住という極端な方法で治安も経済も安定した近未来日本が舞台。 福祉施設の中にいる青年と、外から来た爺さんを中心にストーリーは展開していく。 筆者にしては大胆な舞台設定だが、中身はいつものごとく、シニカルでハードボイルドな社会派風味のミス...続きを読むテリ。 元々雰囲気、作風は大いに好みであるが、今回はミステリ小説としてよく出来ていた。 ユーモアを織り交ぜた人物間の探りあい・小競り合い、人間臭いホワイダニットを軸とした謎解き、大いなる諦観と僅かな救済を織り交ぜた着地…あたりは樋口有介真骨頂であるが、これがよく活きていたと思う。 2014年上位作。ゴリで推したいエンターテイメント作品。 5
生活困窮者の収容施設『希望の家』で老女が深夜に階段から落ちて死亡した件で、委託を受けた元刑事の『幸祐』が調査に向かう。 事故としてかたをつけようとした矢先、今度は施設の職員が刺殺体で発見され、さらには燃やされた人骨がででくる。 国家事業である『希望の家』の闇が顔をのぞかせる・・・。 一件の死亡事...続きを読む故をきっかけとして紆余曲折しながら数々の事件が暴かれていく様は、読み手だけに明かされる真実、事件の落とし所、各登場人物の思惑などが絡み合い読み応えがあった。 一番の驚きどころは、この造られた日本の社会制度。刑務所を閉鎖し犯罪者は島流し。生活保護を廃止し自活できないものは施設に収容する。それらの政策により多額の国家予算が削減され、消費税を廃止して好景気に沸く日本。これを推し進めるきっかけとなったのが北朝鮮がミサイル攻撃というのだから。こんな政策世論が許さないと言うはずだが、近隣諸国との軋轢や、現在日本が抱える諸問題に対する世論の風潮などを見ていると、あながち非現実と言えないのではないかと思えてくるので笑えない。何より怖いのが、極論ではあるがあんがい妙案なのではないかと思ってしまう自分がいること。もちろん自分は一般市民として暮らしていけるという自負があってのことなんだけど。 自由な社会と言うのは弱者に無理を強いる社会であり、逆を言えば格差は無理をしなくて済むという官僚の言葉にレトリックを感じながらも共感してしまったりして。勿論助け合える社会は理想だけれども・・・。 それでもやはり『希望の家』で暮らす少年に付きまとう閉そく感と言うか諦めに馴れた感じというのは悲哀を感じた。
寡聞にして全然聞いたことがなかった作者さんなのですけど、タイトルに惹かれて手にとってみたら大当たりでした。読みやすいしどのあたりに着地点設けているのか掴めないから飽きずに読めた。結末にカタルシス求めるひとには物足りないかもしれないけど。
どこかの市長さんの目には、理想に見える世界観の下でのミステリー。 パラレル・ワールドかと思うと、笑いも引っ込む。 ただ、訝しく思うのは、せっかくのこの設定は、はたして謎解きには必要だったのかということ。
不思議 不思議な感覚の本 今の時代から ありえそうな仮定のミステリー 善人 普通の人 犯罪者 社会不適合者 区別をして社会を構築する 面白かったんだけど 感動とは違う 何かを感じた
12月-11。3.0点。 近未来が舞台。収入の少ない家庭は、生活保護が廃止され、 希望の家というハウスへ。 そのハウスで、老婆が死亡。用務員が誰かに押されたと目撃証言。前の用務員も変死。果たして殺人なのか。 うーん。広げた風呂敷がイマイチ回収されていない。 あの女子中学生の、もっと深い事情やその後...続きを読むが必要かな。
生活保護法は廃止され、刑務所が激減された代わりに島流し制度など、架空の設定でのミステリー。廃校を利用した、元生活保護者が生活する施設で起きた1人の老婆の転落死。事故死で片付けられた事故から、日本を揺るがす大事件へ発展する展開がとてもおもしろかった。ただ、全体的に間延びした雰囲気で、スピード感がなかっ...続きを読むたのが残念です。探偵役のおじいちゃんと孫娘の会話が楽しかった。
生活困窮者の施設、希望の家が舞台。恵まれない環境で育った主人公の由希也と階段から落ちて亡くなった老婆の事件を捜査しに来た捜査員の孫娘、みんなに愛されて東大に通う明るい孫娘とどうなるのか気になったけど、キーパーソンは由希也を思い続けてる妹のような蛍子。恋愛もふわ〜としたままミステリー性もふわ〜としたま...続きを読むま。樋口ワールドでした。
生活保護法が廃止されるなど、社会福祉を大幅に路線変更した近未来の日本。生活保護の対象となっていた人々は「希望の家」なる福祉施設へ集められていた。そこで起こった老女の転落事件。ただの事故で片づけられるはずが、突き落とされると主張する職員が現れたことで、元刑事(とその孫娘)が呼び寄せられることになる。 ...続きを読むという導入から始まる、ミステリ…というより、仮想のこの設定をもとに、「歪んでいる社会」を照らし出した物語、といいましょうか。 祖父と孫娘のミステリという売りのようでしたが、それを期待するとあらあらという方向へ物語が進みます。途中、施設の少年と孫娘のふれあいがあってしんみりするのですが、それも途中でぶつ切り感があって…あえてぷっつりと断つことで、置かれた立場の違いを表しているともいえるんでしょうが…。 話のコアは、極端な福祉政策を取り「みんなが幸せとなるような社会」となって経済大国となった日本の、同時に抱えているいびつな幸せの裏側を照らし出すことにあります。状況はあくまで仮想下ではありますが、格差社会といわれている現代社会のリアルにおいても、まったく起こりえないとはいえない真相がそこにはあり、ぞわりとした嫌な感覚を持たせます。 装丁から感じ取れる爽やかさ切なさをもとに読み始めると意外に重い終盤の展開に沈むかもしれませんし、謎が解決してすっきりという話でもないので、ぱっと見より重たいし人を選ぶ物語だと思いました。 個人的には老(元)刑事と所長の恋物語…的な要素はあまりどうかなあと…。よほど先に書いた、少年と孫娘の出会いと別れをもっと書いてほしいなと思いました。
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