樋口有介のレビュー一覧
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鈴女ちゃん 21歳大学生 の周りで高校の同級生が二人殺される。
二人の事件の関係性は? てことなんだけど、鈴女ちゃんの父は雑誌の編集長で、そこのライターが柚木氏。そういう繋がりですね。
身近で二人も殺されて、偶然はないやろ~と素人も思うわけです。
でも、それは同級生だと知っているから、、なのね。何にも知らないところから接点を見つけるのは相当な偶然と、根気と刑事のカンってやつが必要なのでしょうねぇ。
今回は鈴女ちゃんがいたので、なんだか新鮮だった。
にしても、なんだか疲れた21歳ばかりだった。
もっとはじけて、尖がってるように思うんだけど。。。そういう21歳もいるってことか。 -
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零細業界誌の編集長、高梨は、かつて勤めていた会社のトラブルに首を突っ込んでしまう。
カギを握るのは姿を消した女で、人探しから始まったそれは、次第に会社乗っ取りの策略にまで及んでくる。
ハードボイルドです。
でも、愛妻家で、義理の娘にもとっても甘い。
その相反する面がいいバランスを保っていて、高梨という男の複雑さを、明確にしている。複雑なのに明確というのは、矛盾しているようだが、この感じが物語全体のあり様にもつながっている。
失踪した女が、いい。
一向に姿が明確にならない。行方もわからない。が、存在感は匂い立つように迫ってくる。
高梨という人物造形ももちろんだけど、この長倉圭子の存在こそが、梅雨の雨の中にいるような濃厚な匂いを物語に与えている。
そして、相変わらず、樋口氏の描くオジさんは素敵です。 -
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再読。
母と姉、年上の恋人の尻に敷かれモラトリアムな毎日を送る就職浪人中の広也は、二年前に別れた恋人・千秋の死の真相を追うことになる。
彼女は、中世の魔女狩りのように生きたまま焼かれた。果たして彼女は魔女のような女だったのか・・・。
母、姉、恋人と登場する女たちが強く魅力があり、千秋の人となりが霞んでしまった感があるが、真相を含め、ミステリーとしても面白かった。
2010.10.28
いつもながらの樋口氏の世界。
今回の探偵役は就職浪人中と若めで「ぼくと、ぼらの夏」をに近い。
猟奇系に対抗して、「懸命に生きる人びとの常識を重みを大切に描いた」という著者に共感。 -
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読み終えるやいなや、またこの作家の短篇を読みたいと思った。物語世界を包む空気感が、特に気に入ったポイントだ。本書は、高校二年生の木村時郎を主人公に据えた、ハードボイルド風青春ライト・ミステリの短篇集。8篇を収録している。軽妙洒脱な会話、勝気でかわいい女の子たち。そしてなにより高校生でありながら世の中を達観しているかのような主人公・時郎が生意気でいい。文章の心地よさもプラスポイント。街の風景、鳥や植物をさりげなく描写する文章が、読者をやさしくストーリー世界へと誘ってくれる。それから、女心の描き方が憎らしい。作者の樋口さんは1950年生まれの男性。年配のしかも男性の創造が書かせた女心なのだから、読者が同じ男性ならウケがよいのも当たり前といえなくもないが、それにしても小生意気な女の子たちが実に魅力的で小憎らしい。それから、本書にはストーリーとは関係のないところで、いくつか謎も仕込まれている。これも本書のお楽しみのひとつである。・主人公の時郎は高校二年生のとき、いったい何人の女の子と付き合ったのか? 各篇ごとに登場する女生徒達がみんな違うから、ちょっと面食らう。・主人公の時郎は高校二年生のとき、いったい何度引っ越したのだろうか? 各篇ごとに時郎の住む町が違う。堀切、葛西、多摩川、吉祥寺、調布、飯能、雑司ヶ谷、幡ヶ谷という地名が出てくる。どんな意図があるのだろうと考えてしまう。そして、とびっきりのお楽しみが。樋口ファンなら喜ぶに違いない、「柚木草平」の登場である。時郎の目を通した柚木の姿が書かれている。彼の外見の描写は他に1冊あるだけで、結構貴重なんだよね。以上、お手並み鮮やかで、ファンサービスも忘れなかった、素敵な短篇集でした。
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長いので、一応あらすじを。
夏休みで暇を持て余していた主人公・悦至は、ある日電話でかかってきた彼女(はっきり付き合っていたわけではない)からの誘いを断る。その後、彼女が自殺をしたことを知った悦至。その理由を探るべく、幼馴染である涼子と共に行動していると、自殺ではなく他殺だったことに気付く。二人は事件の真相を知ろうとするが――。
今まで読んだ樋口先生の作品の中で、一番ラブラブだったような。とにかく恋愛要素のイベントがけっこう入っていて、個人的にかなり好きです。小説のクオリティも高いし、好きだけど、なんだろうな。主な登場人物に個性がない。今まで読んだ樋口作品の青春ミステリの設定が、ほとんど似ているせいもあるし、それだけじゃなく主人公の生意気さとか性格も似ている。それほどヒロインに魅力も感じなかったし、前半は★2つの感想でした。
ただ、いろいろと問題のあるマツブチくんを利用し、作者の偏見だけで成り立つような物語にならなくてよかった(ネタばれになるので、遠まわしな言い方です、すみません;)。
それと主人公の母親が語る理論にも興味があります。読んでいて面白かったし、考えさせられました。小説というのは読んで面白いだけじゃなく、考えることも大切だと思っているので★4つ。