【感想・ネタバレ】プラスチック・ラブ 柚木草平シリーズ8のレビュー

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Posted by ブクログ

高校2年生の木村君が主役の短編集。
いつも作品の冒頭付近に登場する独特の風景描写や、高校生にしては枯れ過ぎている木村君の性格、必ず登場する個性的で魅力的な女性たちなど、短編集であるぶん作品ごとにこれでもかと溢れる樋口節の凝縮に、ファンの私は大満足。
木村君のプライベートが矛盾だらけでも、そんなことは気にならずに楽しめます。早く読み終わってしまうのがもったいなくて、ゆっくり熟読しながら味わいました。

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2012年09月03日

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著者が苦手と称する短編集。

高校生・木村時郎を主人公にした八編の連作短編。

著者の代表作・柚木シリーズと共に紡がれ、ミニ柚木とまで呼ばれる時郎の活躍をお楽しみ下さい。


個人的には、是非、次の短編集を!!

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2010年08月25日

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 読み終えるやいなや、またこの作家の短篇を読みたいと思った。物語世界を包む空気感が、特に気に入ったポイントだ。本書は、高校二年生の木村時郎を主人公に据えた、ハードボイルド風青春ライト・ミステリの短篇集。8篇を収録している。軽妙洒脱な会話、勝気でかわいい女の子たち。そしてなにより高校生でありながら世の中を達観しているかのような主人公・時郎が生意気でいい。文章の心地よさもプラスポイント。街の風景、鳥や植物をさりげなく描写する文章が、読者をやさしくストーリー世界へと誘ってくれる。それから、女心の描き方が憎らしい。作者の樋口さんは1950年生まれの男性。年配のしかも男性の創造が書かせた女心なのだから、読者が同じ男性ならウケがよいのも当たり前といえなくもないが、それにしても小生意気な女の子たちが実に魅力的で小憎らしい。それから、本書にはストーリーとは関係のないところで、いくつか謎も仕込まれている。これも本書のお楽しみのひとつである。・主人公の時郎は高校二年生のとき、いったい何人の女の子と付き合ったのか? 各篇ごとに登場する女生徒達がみんな違うから、ちょっと面食らう。・主人公の時郎は高校二年生のとき、いったい何度引っ越したのだろうか? 各篇ごとに時郎の住む町が違う。堀切、葛西、多摩川、吉祥寺、調布、飯能、雑司ヶ谷、幡ヶ谷という地名が出てくる。どんな意図があるのだろうと考えてしまう。そして、とびっきりのお楽しみが。樋口ファンなら喜ぶに違いない、「柚木草平」の登場である。時郎の目を通した柚木の姿が書かれている。彼の外見の描写は他に1冊あるだけで、結構貴重なんだよね。以上、お手並み鮮やかで、ファンサービスも忘れなかった、素敵な短篇集でした。

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2011年09月30日

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高校生・木村時郎が関与した八つの物語を、季節の移ろいと共に綴る異色の青春ミステリー。
日本には四季があって毎日の景色も変わってくる。日々に同じ顔がないように、人間もそれぞれの個性を持ち、同じ人物も昨日の自分とは違う。木村に関わる人たちの変化は、当たり前と言えば当たり前のことであり、それをあえて物語にした作者の実験に、やっと時代が追いついた。

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2018年01月14日

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「木村くん」は、いつも彼を取り巻く彼女たちにひっぱり回されている。

中学から高校までの、閉塞した日常の中でおきるちょっと不可解な出来事たち。

青春モノといえば、甘くて、すっぱくて、やるせなくって、そして少し熱いというのが相場だが、
木村くん自身の、人を見る目の皮肉っぽさ、目線の乾き具合で、この作品はどこか、ハードボイルドっぽい。

1編だけだけど、柚木草平の登場が嬉しい。

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2017年09月03日

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帯に柚木草平シリーズとありますが…ちょっとねぇ8作の短編のうち、柚木が出て来るのは1作のみ。いくらシリーズ番外編と書いてあってもどうかと思います。
それはさて置き、本書は青春小説です。著者の他作品では殺人事件が起きますが、本書では一作のみです。ほとんどはありふれた話ですが、そのありふれた話を読ませるのが樋口作品でしょう
読んでいて甘酸っぱくなるそんな短編集です。

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2012年01月03日

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再読。
短編集は苦手という作者。
人生を達観したような、作者の人生観のような台詞がちらほら。
女子高生が語る退屈な将来と自分は全然違うが、少しは客観視すると楽になるかも。
ちなみに、気の弱い女性は世の中に一人もいないらしい(笑)

2011.9.3
高校生の木村くんが主役の短編集。
青春物というのか、ミステリーは少ない。
高校生でも妙に老成しててシニカル、語り口はハードボイルド中年男と同じなんだけど。
この作者のファンだから面白いのだと思う。

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2014年09月28日

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高校生の木村くんが主人公の短編集。元警察官のフリーライターも登場するが、あくまでも脇役。ハードボイルドな高校生活を送る都立高校生の物語。連作なのかと思ったら、時期がかぶっているのに彼女らしき人物の名前が違っていたりと、主人公の名前が同じなだけで基本的に短編の関連性は低い。それで面白くなくなっているということはないと強調しておこう。青春ミステリーとは一線を画しているのが特徴か。作者自身が指摘するとおり、スポーツ万能でもなく頭脳明晰でもない、ただの高校生が主人公。だからこそずっと同じ彼女というわけにもいかなかったのだろうなと想像。普通の高校生にずっと付き合ってる彼女ってあんまりいないからね。

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2011年06月27日

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“「木村くん……」と、ペンギンハウスを出て、細かい雨に傘をさしかけたぼくの腕に、軽く指を突き刺して、夏帆が言う。「レジにいた女の子、新しい子だったよねえ」
「気がつかなかった」
「信じられない」
「どうして」
「だって、奇麗な子だったじゃない」
「そうだったかな」
「そうだったよ。知ってたくせに」
「………」
「木村くん、彼女の顔、じっと見てたじゃないの」”

木村時郎くん視点の短編集。
女の子をひっかえとっかえな木村くんの性格がつかめない。

“「あなた、疲れるでしょう」
「はい」
「どこかに逃げる場所が、あるの?」
「いえ」
「やっぱり諦めて、我慢をして、最善をつくすの?」
「ほかに方法がありますか」
「どれかひとつに決めたら?」
「はい?」
「人生を諦めるか。ひたすら我慢をするか。それともただ無心に、最善をつくすか」
「考えてみます」
「疲れるわね。まだ高校生なのに、可哀そう」”

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2010年03月08日

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◆あらすじ◆
公孫樹の枯葉がふりそそぐ十二月、中学時代の同級生・竹田寛子が、ラブホテルで殺害された。
高校2年生の木村時郎は、寛子の最近の様子が気にかかり、彼女の高校の同級生を訪ねた。
そして寛子が、"プラスチック・ラブ"という謎の言葉を残していたことを知る。
その帰り、時郎は事件を取材している柚木草平と出会う───。
四季の移ろいと事件を綴った、青春私立探偵シリーズ番外編。

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2009年10月12日

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