樋口有介のレビュー一覧
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中学生が自殺する。そして「自殺ではない。柚木に調べさせろ」という電話が編集部にかかってくる。
前の「誰も私を愛さない」もそうだったけど、大人の事情というか欲望というか、勝手に振り回される子供の悲劇なんだろう。冒頭の柚木と娘のやり取りが、普通ではないはずなのに、読み終わったとたん、普通に平和に思い出されて泣けた。
どれだけ体が大きくなり、生意気な口をきくようになっていても、子供は子供で、無力なのだ。
大人が、その無力さを守ってやれないなんて。
とはいえ、柚木もまた無力なのである。
が、それは子供のそれとは別の、多分狡猾さといえるものなのだろう。
大人が、あえて目を閉ざすそれ -
Posted by ブクログ
柚木草平シリーズの第6弾。
女子高生がラブホテルで殺され、そのレポをすることになった柚木。相変わらず女性に翻弄されますww
優等生だったという女子高生がなぜラブホテルで、っていうのがカギになって、二転三転としていくんだが…。
結論としてのタイトル、よーするに読者はこのタイトルへと誘導されていくわけだ。が、なんなんだろうな。このあっけなさ。
柚木の知りえるリアルを考えば、これ以上はあり得ないし、以下もないのだろう。
が、それが悲し過ぎる。
「誰も愛さない」と断定してしまう悲しさ。
不条理。
なのに、柚木は傍観しているだけだ。
ま、どこまでいっても傍観者であるところが -
Posted by ブクログ
鈴女ちゃん 21歳大学生 の周りで高校の同級生が二人殺される。
二人の事件の関係性は? てことなんだけど、鈴女ちゃんの父は雑誌の編集長で、そこのライターが柚木氏。そういう繋がりですね。
身近で二人も殺されて、偶然はないやろ~と素人も思うわけです。
でも、それは同級生だと知っているから、、なのね。何にも知らないところから接点を見つけるのは相当な偶然と、根気と刑事のカンってやつが必要なのでしょうねぇ。
今回は鈴女ちゃんがいたので、なんだか新鮮だった。
にしても、なんだか疲れた21歳ばかりだった。
もっとはじけて、尖がってるように思うんだけど。。。そういう21歳もいるってことか。