樋口有介のレビュー一覧

  • 雨の匂い

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    ストーリーは全然おもしろくないけど私は好きだ。偏屈な主人公が大好きだ。ただその歳で何の躊躇いもなく人の死を傍観するのは…どうなのかな…人にはお薦めしないけど自分は読みたくなっちゃう、そんな樋口有介。(09.08.07)

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    2009年10月04日
  • 誰もわたしを愛さない 柚木草平シリーズ6

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    コミカルでハードボイルド調のライトなミステリ小説<柚木草平シリーズ>の第6弾。でも当初は4作目だったそうだ。その訳は解説に書かれているが、どうせ草平は永遠の38歳、前後しようと大勢に影響はない。春。桜の花びらとともに訪れた出版社の新人担当は、草平担当ということで肩に力の入りすぎたメガネ美女・小高直美。追う事件まで出版社に指定される始末。わずかな原稿料アップにつられ、重い体を引きずって調査に向かう。事件は、渋谷のラブホテルで起きた女子高生殺人事件。刑事時代のコネを使って、コツコツと調べていく。お馴染みの別居中の妻、娘の加奈子、警視庁の吉島冴子、法医学教室教授・田原今日子、人気エッセイスト・麻生

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    2011年09月30日
  • 刺青白書 柚木草平シリーズ4

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     びっくり! 主人公が女子大生だ。本書は<柚木草平シリーズ>の1作。これまでに3作読んできたが、本書は趣がガラッと変わってかなり本格的。あらかじめ張っておいた伏線を、最後に落としてみせる展開の切れ味は、前3作を軽く凌ぐ。巻末の解説をみると、やはり「特別篇」と位置づけている。これまでの厳格なまでの1人称視点ではなく、3人称視点で語られている。その上、主人公がかわいい女子大生で、中学生時代の同級生が連続して死んだ謎を追う設定なのである。柚木はほとんど脇役に近い。それでも、決めるところは決めるのは、さすが。恰好いい。興味を惹かれたのは、今回は3人称視点なので柚木の姿が描写されているということ。「脂っ

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    2011年09月30日
  • 初恋よ、さよならのキスをしよう 柚木草平シリーズ2

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     中年オヤジが読むには勇気がいるタイトルである。でも、主人公の柚木草平は38歳の刑事事件専門のフリーライター兼探偵。ストーリーはハードボイルド・タッチに進行する。娘と訪れた草津のスキー場で、高校時代の初恋の女性・卯月実可子と出会う。しかし、1ヵ月後彼女は殺される。実可子は娘・梨早に「自分に何かあったら柚木さんに相談するように」と言い遺していた。この作品は柚木草平シリーズの第2弾。今回は柚木が高校の同級生に捜査のため接触する。柚木が背負っている重荷を振り返る。読者に過去の一部を覗かせる。ふだんは、減らず口や憎まれ口ばかりのシニカルな男であり、美女には歯の浮くような世辞を欠かさない軽い男を演じてい

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    2011年09月30日
  • 彼女はたぶん魔法を使う 柚木草平シリーズ1

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     好みど真ん中の作品だった。本書は1990年に出版された。なんと19年前。その頃、知らずに横を通り過ぎてしまっていたのは惜しかった。作者のあとがきを読むと、『ぼくと、ぼくらの夏』でデビュー後の、創作に苦しんでいた時期の作品らしい。息の長い作家を目指すにはシリーズものだ、ということで誕生したのがこの<柚木草平シリーズ>ということだ。本書を読むと、日米のハードボイルドやミステリ作品を研究した、作者の努力が窺える。探偵に美女たち。気障な台詞に洒落た言い回し。減らず口。ストイシズム。そこに樋口有介さん独自の人物造形、ユーモア、ひねり過ぎない事件、鋭すぎない推理などが加えられ、独特の軽やかさ、爽やかさを

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    2011年09月30日
  • 枯葉色グッドバイ【新カバー版】

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    刑事が単独行動はしないから、ホームレスに仕事を依頼ができるわけないとかいわないの。
    前提が多少違っててもいいじゃん。

    推理が組み違い前後賞的に外れてみたり、今までぜんぜん出てこなかった人がイキナリ犯人だったり、
    多少無理はあるような気がしたけど、それをさっぴいても十分あたしは楽しめた。

    考えるホームレス、と、名付けられた主人公はひねくれた言い回しながら、ときに鋭く、ときに醒めていて、なかなか面白いキャラ設定。

    後半一気に加速するからね、途中で止めようってのはあきらめて。
    開いたら最後まで行った方がいい、この加速度はなかなか、よいです。

    最後がハッピーエンドじゃないという意見もあったけど

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    2009年10月04日
  • 木野塚佐平の挑戦だ 木野塚佐平シリーズ2

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    ハチャメチャなナンセンス・ハードボイルド・ミステリ長編。経理一筋で警視庁を定年退職した木野塚佐平、60歳。海外ハードボイルド探偵を崇拝する氏は、裏新宿に探偵事務所を開設した。本書はその『木野塚探偵事務所だ』に続くシリーズ第2弾。前作でケニアに去った秘書兼助手の梅谷桃世が半年後に帰ってきた。またまた、木野塚・桃世コンビに出会え、嬉しくなった。さて、ストーリーはどうだろう。冒頭、現職の総理大臣の死亡から始まる。こんな大事件の依頼が来るのか? と訝しく思いながら読み始めた。きっと木野塚は相変わらずの妄想ばかりで、事件のあらかたは桃世が解決するパターンだろうと思いきや、実はちょっと手の込んだミステリ仕

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    2011年09月30日
  • 枯葉色グッドバイ【新カバー版】

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    「誰もがなりたくないと思い、それでも誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな。」


    元刑事のホームレスが現職刑事に日当で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。

    そんなありえそうも無いお話ながら、人物描写が優れている為、いつの間にか作品世界に没頭。


    表紙の写真に惹かれて良かった!!

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    2009年10月04日
  • 雨の匂い

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    2007/11/09地味だけど、好きな作家。コンスタントに出版されるので安心して読める。に、してもこの作品は数ある樋口作品の中でも群を抜いて地味な気がするんですが…
    足を骨折して以来寝たきりの祖父と末期癌の父の介護に追われる主人公が引き連れる死の連鎖。淡々と進む物語に一切の救いが無い。それでも、読むのを止められない。地味なのにはっとさせられる比喩や美しい日本語が散りばめられたこの人の文章が好きだ。

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    2009年10月04日
  • 誰もわたしを愛さない 柚木草平シリーズ6

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    柚木草平シリーズ6弾
    樋口有介って、なんとなく買ってしまう
    買い集めるわけではなく。
    2007.09

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    2009年10月04日
  • 刺青白書 柚木草平シリーズ4

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    女子大生・三浦鈴女は、中学時代の同級生が相ついで殺害されたことに衝撃を受ける。彼女たちは二人とも、右肩に刺青痕があった。刺青同様に二人が消したかった過去とは何か。第一の、アイドル殺害事件のレポートを依頼された柚木草平は、鈴女たちの中学時代に事件の発端があるとみて関連性を調べ始めた―。鈴女の青春と、柚木のシニカルな優しさを描いた傑作、初文庫化で登場。

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    2010年05月24日
  • 枯葉色グッドバイ【新カバー版】

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    なかなか核心に迫らない会話も退屈しないで楽しめた
    家も家族も仕事も持たず考えることを拒む椎葉が不幸だとは思ってないけど、それでも社会へ戻って元の生活をと願ってしまうのは、椎葉が生きることを選んでいるからなのかな…

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    2009年10月07日
  • 探偵は今夜も憂鬱 柚木草平シリーズ3

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    元刑事でフリーライターの主人公。
    今回は「○○の憂鬱」と3つの短編集。エステクラブの美人オーナーから義妹の事で依頼を受けるが、翌日美人オーナーは自宅で殺害されてしまう(第1話)芸能プロダクションの社長からの依頼は、失踪した有名女優の捜索(第2話)雑貨店の美人オーナーから死んだずの夫から届いた手紙について調査の依頼がくる(第3話)・・・シリーズ第3弾

    どの短編も意外な展開で、ストーリー展開も早いのでとても読みやすい本だと思います。

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    2009年10月04日
  • 枯葉色グッドバイ【新カバー版】

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    ホームレスの元刑事が、警察時代の教え子から殺人事件の謎解きを依頼され、日給2千円でアルバイトすることに・・・。
    主人公達の会話が楽しく、どんどん引き込まれていきます。

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    2009年10月04日
  • 海泡

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    小笠原 という 東京都でありながら 船で二十六時間も隔てられている いわば閉ざされた空間。
    いつも通りののんびりとした亜熱帯の風景、代わり映えのしない日常、不自由さ。
    その中に外から持ち込まれた厄介事。
    言ってしまえばそんな話なのだが それだけではない。

    閉ざされた世界には 閉ざされているが故に抱える 憂鬱さがあり 諦めがある。
    島の風景描写が語る 長閑さと倦怠と退廃、そして たくましさは 魅力に富んでいる。

    目新しくはない事件が この島ならではのスパイスで 一風変わった風味になっている。

    樋口有介氏には 一作読むごとに 惹かれてきている。

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    2009年10月07日
  • 彼女はたぶん魔法を使う 柚木草平シリーズ1

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     本書(創元推理文庫版)は2006年発売であるものの、元となった単行本は1990年と、その時代ならではのゆる~いトレンディドラマ風な(ファジーと書いた方が分かりやすいか)雰囲気の中、著者の樋口有介さん当時の年齢である38歳という設定で描いた、元刑事でフリーライターの「柚木草平」が私立探偵として活躍するシリーズの第一弾です。

     読んでいくと、どうやら草平はハードボイルド風に気取りたいのかなと感じたものの、それもオープニングが娘の加奈子(小4)に遊園地に付き合わされる場面だったことによって、却って人の良さが滲み出てくる感覚は、特徴的な主人公を確立させる手段として上手さを感じられた上に、彼は妻の知

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    2025年08月23日
  • 木野塚佐平の挑戦だ 木野塚佐平シリーズ2

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    樋口有介の長篇ミステリ作品『木野塚佐平の挑戦だ(英題:The Challenge of MR.Kinozuka)』を読みました。
    樋口有介の作品を読むのは初めてですね。

    -----story-------------
    現職の総理大臣が急逝し、世間は大慌て。
    しかし、ケニヤに桃世が旅立ってから、傷心(?)の木野塚氏は、テレビの中の美人ニュースキャスターとの不倫を夢見る日々。
    それが、一本の電話で覆される。
    オタク男からの奇妙な依頼から、いつの間にやら木野塚探偵事務所設立以来の大事件へと巻き込まれることに。
    ケニヤ帰りの桃世とともに難事件に挑む、木野塚氏の活躍? 
    乾坤一擲、欣喜雀躍、元警視庁経

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    2025年08月13日
  • 初めての梅 船宿たき川捕り物暦[2]

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    時代ものでも風景描写は樋口節。
    これから先が楽しみな展開なのに、この続きが読めないのが残念です。
    それにしても田沼意次が賂好きなのは一般的にそう言われているから良いとして、男女両刀のロリコン扱いは流石に気の毒かも。

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    2025年04月26日
  • 不良少女 柚木草平シリーズ7

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    ネタバレ

    久々にトレンディな気分になりたくて読みました。
    柚木さん健在。相変わらず会話がオシャンティ。
    そしてボケてるようで押さえるところは抑えちゃってる、そんな柚木さんにみんなメロメロですね。
    会話のあちこちで『ヒュ〜♪』と口笛のひとつも吹きたくなるよなこの会話の応酬。これが読みたかったの。久々に。

    不良少女のユカちゃんと、最後の多佳子はちょっとかわいそうだったな…

    それにしてもなんでしょうね。
    柚木さんは心の中で女性が助けを求めてるのが聞こえるのかしら。それもまたトレンディ。

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    2025年03月24日
  • 彼女はたぶん魔法を使う 柚木草平シリーズ1

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    樋口有介の初期の作品。概ね発表順に読むとモチーフがほぼ一緒に感じられる。気に入れば期待を裏切らないけど、変化も感じられない。謳い文句が推理、青春とか宣伝されてるけど、主人公が中年なので、違和感がある。基本はやっぱりハードボイルドだと思うので、会話の妙みたいのを楽しめるかどうかが作品の良し悪しだと思う。

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    2025年03月15日