上州の名物といえばかかあ天下とからっ風。両方を印象的に使って前橋を舞台にしたミステリー。青春ミステリーと紹介されているが、青春ど真ん中と言うようなハツラツさとした明るさではなく、青春のほろ苦い後味と言った感じの重さが行間ににじみ出している。季節のせいなのか、舞台のせいなのか、挫折感を味わった登場人物が次々と現れるからなのか。その全てが理由なのかもしれないが、その重さが作品の魅力を引き出しているのは間違いない。とは言え、最後の別れは明るい青春そのもの。やるせない真相と対称的に予想される未来が、いいスパイスになっている。