樋口有介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何だろう、これは(^_^;)
6割読むまで、何も起こらない(^_^;)
架空の南の島の暮らしが描かれるのみ。
島では外国人であるアメリカ人と、
その運転手として働く現地人と、
それぞれの目線で交互に語られる島の日常が、
少しずつ違和感を増していく。
が、誰もそれを具体的には描けない。
登場人物それぞれが得る情報を、俯瞰している
読者にはストーリーが見えて来るが、
断片的な情報しか持たない登場人物は、
何も手を打てないまま流される人が多い。
最後の最後で意外な展開になるが、
いやこれは深い教訓を含むのか、
はたまた冗談なのか…悩むところだ(^_^;)
この作品、作者は自己ベストに選ぶが -
Posted by ブクログ
生活保護法が廃止されるなど、社会福祉を大幅に路線変更した近未来の日本。生活保護の対象となっていた人々は「希望の家」なる福祉施設へ集められていた。そこで起こった老女の転落事件。ただの事故で片づけられるはずが、突き落とされると主張する職員が現れたことで、元刑事(とその孫娘)が呼び寄せられることになる。
という導入から始まる、ミステリ…というより、仮想のこの設定をもとに、「歪んでいる社会」を照らし出した物語、といいましょうか。
祖父と孫娘のミステリという売りのようでしたが、それを期待するとあらあらという方向へ物語が進みます。途中、施設の少年と孫娘のふれあいがあってしんみりするのですが、それも途中でぶ -
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私立探偵・柚木草平シリーズ1作目。
おしゃれなタイトルに惹かれて読んでみました。
元刑事の柚木草平は、フリーライターで探偵もしている。
どこかのんきなタッチで、次々に登場する美女に振り回されつつ、何となく事件の真相に近づくという話。
気楽にするする読めます。
草平は妻子ありだったが、別居して長い。娘の加奈子は小学生で、幼い娘にすら振り回されぎみな様子。
元上司のきりっとした美人・吉島冴子には密かに仕事を回してもらいつつ、実は大人の関係。
島村香絵という女性の依頼で、妹の事故死について調べることになります。
轢き逃げした車のことはわかっているのに、いまだに車も持ち主も見つからないという。
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2014.10.11(土)
警視庁一筋…
ただし経理課一筋37年の木野塚佐平が定年後に選んだ職業が『私立探偵』。
ハードボイルドに憧れて、こうあるべきと決めつけて夢見る60歳。
名探偵が誕生!!?!
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樋口有介さんの小説は何冊か読んだけど
主人公が不潔でだらしなかったりするけど
本当にかっこよくて、お話のなかで恋が始まってほしいと思うほどなんだけど
今回選んだ小説は主人公が60歳。
どんな感じかと開いてみたら…
こういう小説も書くんですねという印象。
でも。途中飽きちゃったかな。
続編があるからか、終わり方も「あれ(*゚ー゚)」って感じだった。
でも、『ピース -
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「永遠の38歳」柚木草平が35歳の時の話。
これまでのパターンで行くと、
柚木草平シリーズ第○弾とご紹介するところですが...
この作品はちょっと他とは毛色が違うようで(^ ^;
...と言うのも、元々この作品はデビュー前の習作で、
以前には柚木シリーズとは違う主人公と設定で
「ろくでなし」という題で出版されたものだとか。
それを大幅に改稿して「柚木シリーズ」作品にしたので、
題○弾という順番付けが難しいような...(^ ^;
しかも巻末の解説を見ると...シリーズの「正しい」第四弾は
「誰もわたしを愛さない」なんだとか。
私は創元推理文庫の「刊行順」に
「刺青白書」を第四弾として紹介 -
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うーん、何だろうなあ、これは。
私の最も好きな作家である樋口有介。
彼が第一回サントリーミステリー大賞で、故開高健氏より「コクがあるのにキレがある」といったような表現で絶賛されたデビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」を初めて読んで以来、その独特のハードボイルド文体に魅了され、新作が出るたびに胸躍らせていた彼の最新作なのだが------。
探偵は、警察をとっくに定年退職した民間の老人。
しかも時代設定が不可解。
北朝鮮が日本に実際にミサイルを撃ち込み、そのお蔭で日本がバブル以来の好景気に沸いている時代という設定。
ラストなどは、某国軍が或る国の島に攻め入って上陸したという終わり方。
近未来小説なの -
Posted by ブクログ
ネタバレ『木野塚探偵事務所だ』に続く、木野塚佐平シリーズ第二弾。
前作は連作短編集、今回は長編。
そして、事件も何だか、でっかくなりました。
個人的には前作より、面白かったのだけれど(あとがきによると”文体”が前作から変わっているとのこと、そのため?)、前作の愛嬌のあるキャラクタたちと珍妙な事件の絡みが好きであった読者は、色々とギャップを感じてしまうだろうなと思った。
前作にもひとつはまりきれなかった私も、「あれ?こんな作品だっけ…」と思ったくらい。
総理大臣の死、それに関する妙な説。
木野塚氏の希望通り、大事件が迫ってくる。
木野塚氏が空回りしている面も今回はあるものの、けっこう彼の望みが叶っている