樋口有介のレビュー一覧
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柚木草平シリーズ、3作目。3編の中編集。
依頼の最初は気乗りしないが、美女と金が絡みだすと結局捜査に乗り出す草平さん。シリーズを一作目から続けざまに読んできて、更に今回は中編集。さすがにちょっと飽きてきて、途中眠たくなってしまった。まぁ、このシリーズの醍醐味でもあるので、仕方ないけど、相手が美女ばかりだからかな。色々タイプがあるとは言っても、何だかみんな同じように見えてきた。でも、いい加減な言葉ばかり吐いてそうで、やる時はちゃんとやる草平さんが好きです。ちょっと時間を置いたら、こんなキザなセリフも恋しくなっちゃってまた読みたくなっちゃうんだろうな。 -
Posted by ブクログ
何だろう、これは(^_^;)
6割読むまで、何も起こらない(^_^;)
架空の南の島の暮らしが描かれるのみ。
島では外国人であるアメリカ人と、
その運転手として働く現地人と、
それぞれの目線で交互に語られる島の日常が、
少しずつ違和感を増していく。
が、誰もそれを具体的には描けない。
登場人物それぞれが得る情報を、俯瞰している
読者にはストーリーが見えて来るが、
断片的な情報しか持たない登場人物は、
何も手を打てないまま流される人が多い。
最後の最後で意外な展開になるが、
いやこれは深い教訓を含むのか、
はたまた冗談なのか…悩むところだ(^_^;)
この作品、作者は自己ベストに選ぶが、
世間の評判は最低だとか…(^_^;)
読んでみると何となく分かる気も(^_^;)
でも、資本主義も行き詰まり、
日本が「経済活動」の一環として
戦争を積極的に取り入れ始めた昨今、
この作品の持つ意味は小さくない(-_-)
もちろん極論ではあるが、
今後の我が国の進むべき道を
示唆してくれているのかも。
こりは読まないと分かるまい(^_^;) -
Posted by ブクログ
生活保護法が廃止されるなど、社会福祉を大幅に路線変更した近未来の日本。生活保護の対象となっていた人々は「希望の家」なる福祉施設へ集められていた。そこで起こった老女の転落事件。ただの事故で片づけられるはずが、突き落とされると主張する職員が現れたことで、元刑事(とその孫娘)が呼び寄せられることになる。
という導入から始まる、ミステリ…というより、仮想のこの設定をもとに、「歪んでいる社会」を照らし出した物語、といいましょうか。
祖父と孫娘のミステリという売りのようでしたが、それを期待するとあらあらという方向へ物語が進みます。途中、施設の少年と孫娘のふれあいがあってしんみりするのですが、それも途中でぶつ切り感があって…あえてぷっつりと断つことで、置かれた立場の違いを表しているともいえるんでしょうが…。
話のコアは、極端な福祉政策を取り「みんなが幸せとなるような社会」となって経済大国となった日本の、同時に抱えているいびつな幸せの裏側を照らし出すことにあります。状況はあくまで仮想下ではありますが、格差社会といわれている現代社会のリアルにおいても、まったく起こりえないとはいえない真相がそこにはあり、ぞわりとした嫌な感覚を持たせます。
装丁から感じ取れる爽やかさ切なさをもとに読み始めると意外に重い終盤の展開に沈むかもしれませんし、謎が解決してすっきりという話でもないので、ぱっと見より重たいし人を選ぶ物語だと思いました。
個人的には老(元)刑事と所長の恋物語…的な要素はあまりどうかなあと…。よほど先に書いた、少年と孫娘の出会いと別れをもっと書いてほしいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
私立探偵・柚木草平シリーズ1作目。
おしゃれなタイトルに惹かれて読んでみました。
元刑事の柚木草平は、フリーライターで探偵もしている。
どこかのんきなタッチで、次々に登場する美女に振り回されつつ、何となく事件の真相に近づくという話。
気楽にするする読めます。
草平は妻子ありだったが、別居して長い。娘の加奈子は小学生で、幼い娘にすら振り回されぎみな様子。
元上司のきりっとした美人・吉島冴子には密かに仕事を回してもらいつつ、実は大人の関係。
島村香絵という女性の依頼で、妹の事故死について調べることになります。
轢き逃げした車のことはわかっているのに、いまだに車も持ち主も見つからないという。
何か隠しているような姉は、かなりの美女。
妹の身辺を探って行く草平は、出会った女の子に話を聞いているうちに‥?
魔法を使っているのは彼女? いや、こっち?
‥みんなかも。
なんでモテるのかはっきりしないけど、好みの俳優を当てはめて軽やかで親切に振舞うところを想像すれば、ああそういうこと♪
著者は1950年生まれで88年デビュー。
感じはいいので、そのうち他の作品もトライしてみようと思ってます。 -
Posted by ブクログ
2014.10.11(土)
警視庁一筋…
ただし経理課一筋37年の木野塚佐平が定年後に選んだ職業が『私立探偵』。
ハードボイルドに憧れて、こうあるべきと決めつけて夢見る60歳。
名探偵が誕生!!?!
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樋口有介さんの小説は何冊か読んだけど
主人公が不潔でだらしなかったりするけど
本当にかっこよくて、お話のなかで恋が始まってほしいと思うほどなんだけど
今回選んだ小説は主人公が60歳。
どんな感じかと開いてみたら…
こういう小説も書くんですねという印象。
でも。途中飽きちゃったかな。
続編があるからか、終わり方も「あれ(*゚ー゚)」って感じだった。
でも、『ピース』よかった。うん。 -
Posted by ブクログ
「永遠の38歳」柚木草平が35歳の時の話。
これまでのパターンで行くと、
柚木草平シリーズ第○弾とご紹介するところですが...
この作品はちょっと他とは毛色が違うようで(^ ^;
...と言うのも、元々この作品はデビュー前の習作で、
以前には柚木シリーズとは違う主人公と設定で
「ろくでなし」という題で出版されたものだとか。
それを大幅に改稿して「柚木シリーズ」作品にしたので、
題○弾という順番付けが難しいような...(^ ^;
しかも巻末の解説を見ると...シリーズの「正しい」第四弾は
「誰もわたしを愛さない」なんだとか。
私は創元推理文庫の「刊行順」に
「刺青白書」を第四弾として紹介してたし(^ ^;
ま、ともかく本作ですが...
当人も後書きで書いておりますが、
内容が「荒唐無稽なSFチック」なネタで(^ ^;
え〜、そんな、ハードボイルドのはずが...
と言うのが、一読した正直な第一印象(^ ^;
ハードボイルドってのは、徹底したリアリズムと
「脳内のロマンチシズム」のギャップを楽しむもの、
というのが私の持論ですが(^ ^;
そこにSFが絡んできちゃうと...ちょっと興ざめ(^ ^;
元が習作と言っても、その後に描き直してあるので
文章表現とかセリフ回しとかは安心して読める。
が、やたら出てくる「謎の登場人物」のキャラ設定が
やや「薄っぺらい」印象を受けてしまう。
...ということで、今回は★三つに(^ ^; -
Posted by ブクログ
うーん、何だろうなあ、これは。
私の最も好きな作家である樋口有介。
彼が第一回サントリーミステリー大賞で、故開高健氏より「コクがあるのにキレがある」といったような表現で絶賛されたデビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」を初めて読んで以来、その独特のハードボイルド文体に魅了され、新作が出るたびに胸躍らせていた彼の最新作なのだが------。
探偵は、警察をとっくに定年退職した民間の老人。
しかも時代設定が不可解。
北朝鮮が日本に実際にミサイルを撃ち込み、そのお蔭で日本がバブル以来の好景気に沸いている時代という設定。
ラストなどは、某国軍が或る国の島に攻め入って上陸したという終わり方。
近未来小説なのか、これは?
貧しい人たちの福祉施設で起こった不可解な死亡事件。
目撃者の証言から謎は深まり、美しい施設長夜宵の存在もあり捜査にのめり込んでいく民間老人探偵一之瀬幸佑。
この施設には由希也と蛍子という幼馴染の少年少女もいた。
まず、キャラクターにそれほど魅力を感じない。
幸佑然り、由希也と蛍子また然りだ。
文章も、これだけの老人になるとハードボイルドタッチにするのも無理があるのか、作者独特のキレのいい文体ではない。
70の爺さんに色気を感じるアラサーの若くて美しい施設長というのも、
違和感ありありだ。
どことなく陰のある少年由希也と彼を慕う蛍子の心情の掘り下げも浅い。
うーむ。
最後のオチさえも、それまで張り巡らせえた伏線を、広げっぱなしにしたままで、全く回収する意図さえ見えない。
どうなんだろうね、これは。
ここ数年の作品は、どうにも今一つ楽しく読めなくなってきたのだが、ここまで来ると、もはやあきらめの境地だ。
樋口さん、沖縄に隠居したせいで年老いてしまったのかなあ。
もう一度、ヒット作の「柚木草平シリーズ」にでもチャレンジしてくれないだろうか。
さもなければ、苦しいかと思うが、高校生あたりを主人公にした青春ミステリーに。
このままでは私の最も好きな作家が消滅してしまうことになる。
時の流れとはいえ、それは悲しい。