樋口有介のレビュー一覧
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強い人間と弱い人間。
いったい誰がその判定を下すのだろう。
強そうに見えていても、黒魔術に頼ったり自分を変えようともがいている人間だっている。
いつだって自分は被害者で、いつだって誰かのせいで自分は幸せになれない。
そんなふうに考えていたら、どれだけ恵まれていようが一生幸せだという実感は持てないのでは?と思ってしまった。
主人公である広也が元恋人が焼き殺された事件を調べていくという物語だ。
元恋人・千秋の実家を訪ねたり、友人だったと思われる人間に会いに行ったり、そのたびに広也は自分が知らなかった千秋を知ることになる。
本当の千秋を知ろうともしなかった広也と、自分を見せようとしなかった千秋。
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タイトルの意味がわかったとき…。
樋口氏は、すごい上手いタイトルつけるときと、おい、って時があって、今回は、おい、の方かと思ったら、失礼しましたm(__)m
自殺した警官に、風俗ライターの死。無関係に思われたそれは、ある女によってつながっていた。
たたき上げの警部補、須貝と、焼肉屋の店員、ヨシオの視点が交錯するのだが、それぞれがそれぞれの生活があってむしろそれが面白い。特にコリアン焼肉屋の猥雑さと、その中で淡々と仕事をこなしていくヨシオのテンションの落差がむしろ安心感になっている。
警察の中身がおいおい、っていうのは、警察ってろくなのいないじゃん、ってなるのでちょっとやりす -
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「木野塚探偵事務所だ」。
タイトルからして笑えてしまうのは、作品を読み終えたからかもしれない。
ハードボイルド大ファン木野塚は、定年を迎えてからようやく憧れていた「探偵事務所」を設立する。探偵事務所所長、殺人事件の依頼が来て颯爽と問題を解決していく。酒と煙草を愛好する彼の隣には美人秘書。そんな妄想ばかりしていたが、実際殺人事件の依頼など一つもこない。
「金魚が居なくなった」「犬の恋を実らせて欲しい」など変わり種な依頼がぽつぽつとやって来るのみだ。
この作品にミステリのいわゆる解決編はない。こうだったんですね、と童顔秘書の桃世が、当たり前のように解決し、わかった顔して木野塚氏が頷いて体裁を保 -
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柚木草平シリーズ、5作目。
もともと別の人間が主人公であった「ろくでなし」という作品を、柚木草平に置き換えて大幅に改稿し、改題したという異色のシリーズ作品。というのを後で知って、ナルホドなぁと思う。確かに、元の主人公は柚木にそっくりで、柚木っぽく改稿したのかもしれないけど、読んでいて何か違和感が残る。私の中の柚木さんは、ギリギリまではいくけど一線は越えない、ってところだったんだけどな。まぁ、だからこそ「38歳」ではなく少し若めの「35歳」に設定したのかな。
事件の方は、裏表紙のアクロバティックな展開とは何ぞや、と思っていたら、確かにアクロバティックでした。まさかこのシリーズでこんなSF的展 -
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柚木草平シリーズ、3作目。3編の中編集。
依頼の最初は気乗りしないが、美女と金が絡みだすと結局捜査に乗り出す草平さん。シリーズを一作目から続けざまに読んできて、更に今回は中編集。さすがにちょっと飽きてきて、途中眠たくなってしまった。まぁ、このシリーズの醍醐味でもあるので、仕方ないけど、相手が美女ばかりだからかな。色々タイプがあるとは言っても、何だかみんな同じように見えてきた。でも、いい加減な言葉ばかり吐いてそうで、やる時はちゃんとやる草平さんが好きです。ちょっと時間を置いたら、こんなキザなセリフも恋しくなっちゃってまた読みたくなっちゃうんだろうな。