樋口有介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
矢口敦子の『償い』を読んで、ホームレス探偵という設定に興味を持って、こっちにも手を出してみた。この主人公は元敏腕刑事で、やっぱり過去に家族を亡くすなどという過去を持っていて、ホームレスになったっていう設定。このホームレス探偵のうちが面白いと思うところは、ホームレスらしからぬ言動に、まわりがびっくりしたりするところですかね。まぁホームレスらしいって何やねんっていえば、そうなんですが。話の展開も、二転三転し、ぜんぜん犯人がわかりませんでした。事件が二つあるんですけれど、どっちもなかなか確信持てなくて。そんな犯人でいいんか!?っていうのが正直な気持ちですがね。会話も面白いし、けっこう一気に読めてしま
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Posted by ブクログ
文庫本裏面の紹介文を読んで、興味を思った。「『誰もがなりたくないと思い、それでいて誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな』。代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは?ハートウォーミングな長篇ミステリ」警視庁きっての優秀な刑事だったのに、ある不幸な事件で世を捨ててホームレスになった男が主人公、という設定が良かった。で、読んだ。当たりだった。優れたハードボイルドには、良いセリフ・良い会話(お洒落orクスッと笑える)、ほどよい感傷、主人公独特の哲学がある。