【感想・ネタバレ】林檎の木の道のレビュー

あらすじ

高二の暑い夏休みのある日、以前つき合っていた宮沢由実果が、千葉の御宿の海に身を投げたとの知らせを受けた広田悦至。事件当日に悦至は、渋谷にいた彼女からの呼び出しを断っていた。渋谷にいたはずの彼女が、なぜ御宿の海に?だれもが自殺と納得している由実果の事件を、幼なじみとともに調べ始める悦至。由実果の遺留品の中に、封を切っていない下着があったことを知り、彼らは事件が殺人だったと確信する。次第に明らかになる事件の全貌と由実果の姿に、困惑する二人・・・・・・。切なくも爽やかな夏の日々の描写が秀逸な、青春ミステリの傑作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

例によって(^ ^;
韜晦した高校生男子が主人公(^ ^;

この作品は、一つ前に読んだ「雨の匂い」とは違い、
読み始めて「すぐ事件が起きる」(^ ^;
しかも、元カノから『渋谷にいるから出てこい』
と誘われて、面倒くさいのでそれを断ったら、
翌日その元カノが自殺したと知らされる、
というショッキングなスタート。

顔を出した通夜で、知らない女子から投げかけられる
思いがけない呪詛の言葉。
当人は全く身に覚えがない。

...という、なかなかに引き込まれるオープニング(^ ^

結局主人公は、この「謎の少女」と組んで
元カノの死の真相を探り始める。
その結果浮かび上がってくる、意外な「裏の顔」や
複雑な人間関係、意外なつながり...

探偵としては、終盤に犯人を追い詰めるも、
そこからまた意外などんでん返しが(^ ^;
例によって詳しくは書けませんが(^ ^;

登場人物が、みな一癖も二癖もあり、
事件や謎解きがなくても展開が面白そう(^ ^

惜しむらくは、「雨の匂い」と同様
「これじゃ警察がアホ過ぎるぜ」と
ツッコみたくなることかな(^ ^;

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2014年11月26日

Posted by ブクログ

主人公の少年のクールさと暑さが不器用に混在しているところ、淡々としているのに妙にストーリーとマッチする風景描写、登場する勝気な少女の存在感、もの悲しい事件の真相など、樋口作品の魅力が十二分に堪能できる作品でした。
今まで読んだ彼の作品の中でNo.1かも。

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2013年01月18日

Posted by ブクログ

1996年の樋口有介作品で、この2007年創元推理文庫版は中公文庫版に加筆した再文庫版。

樋口氏のデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』と同路線の、男子高校生が夏休みの間に女子高校生の死の謎を解く、というストーリー。
ですが、『ぼくと、ぼくらの夏』と比べて、だいぶハードボイルド風味が増しています。男子高校生・広田悦至が「ぼく」という一人称で語るスタイルがまずハードボイルドですが、新宿に近いやや寂れた街『梅園銀座商店街』という架空の街を舞台に、クールな主人公とその主人公を取り巻く個性的な人々を配置、ということからわかるとおり、私立探偵が男子高校生に置き換えられたハードボイルド小説、という雰囲気です。
ただ、男子高校生・広田悦至を取り巻く人々の騒がしい雰囲気に引っ張られること無く、クールな変人キャラである広田悦至君が持つ雰囲気が終始作品を支配していて、暑い夏休みであるのにどこか陰鬱な作品になっています。

文庫本の内容紹介にあるような、「青春ミステリ」という言葉からイメージする甘酸っぱさより、だいぶ苦めの味わいでしたが、自分にはこの苦さが快い読み心地となっていました。

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2019年11月26日

Posted by ブクログ

20190407
ぼくは友崎涼子の平べったい尻にたっぷりとアジシオをふりかけてやり、葡萄棚の影を吸い込むつもりで、大きく深呼吸した。飛んでいたヘリコプターは姿を消し、風が欅にかすかな葉音をひびかせていた。
友崎涼子が休戦を宣言するのは妥当として、ぼくのほうがいつ宣戦を布告したのか、ぼくには思い出せなかった。

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2019年05月26日

Posted by ブクログ

再読。
でも以前はそこまで面白いって感じなかったんだけどなー。
どこを面白く感じたのかって、主人公と女の子の軽妙洒脱な会話。

もちろん樋口有介センセの作品はそこが魅力のものが多いんだけど、今作のリズム感はその中においてでも白眉なのではないかと再読で感じた次第。

また、他作で米澤穂信センセが指摘されていた「主人公の臆病さ」というのも、これは逆に軽妙洒脱が過ぎるがゆえに強く表れているようにも感じた。
心の内を隠すために、言葉が多くなる…みたいな。

自分にはそうした主人公の気持ちが強まっているように感じられるところも、今回再読して面白いって思えたのかもなー。

あと今作はそれなりに推理ミステリの体裁を整えようとしたのかなーって印象も。
それが功を奏しているという意味では無く、ちょっとムリクリ感が浮かび出てしまったかなー…というマイナス面。
ギミックがね、ちょっと大味な感。
それでいてハウダニットを証明させようと、樋口センセらしからぬ主人公が強く探偵色を出しちゃってるかなー…て。

まあしかし、それでも樋口センセの「夏」らしい作品ではありましたなー。

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2018年12月01日

Posted by ブクログ

樋口有介のエッセンスを詰め込んだような作品。ミステリ部分のつまらなさと幼稚園の同級生という繋がりの弱さがなければ、代表作たりえたのでは。

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2011年04月14日

Posted by ブクログ

長いので、一応あらすじを。
夏休みで暇を持て余していた主人公・悦至は、ある日電話でかかってきた彼女(はっきり付き合っていたわけではない)からの誘いを断る。その後、彼女が自殺をしたことを知った悦至。その理由を探るべく、幼馴染である涼子と共に行動していると、自殺ではなく他殺だったことに気付く。二人は事件の真相を知ろうとするが――。

今まで読んだ樋口先生の作品の中で、一番ラブラブだったような。とにかく恋愛要素のイベントがけっこう入っていて、個人的にかなり好きです。小説のクオリティも高いし、好きだけど、なんだろうな。主な登場人物に個性がない。今まで読んだ樋口作品の青春ミステリの設定が、ほとんど似ているせいもあるし、それだけじゃなく主人公の生意気さとか性格も似ている。それほどヒロインに魅力も感じなかったし、前半は★2つの感想でした。

ただ、いろいろと問題のあるマツブチくんを利用し、作者の偏見だけで成り立つような物語にならなくてよかった(ネタばれになるので、遠まわしな言い方です、すみません;)。
それと主人公の母親が語る理論にも興味があります。読んでいて面白かったし、考えさせられました。小説というのは読んで面白いだけじゃなく、考えることも大切だと思っているので★4つ。

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2010年01月27日

Posted by ブクログ

ピースが衝撃的だったのでファンになった作者の青春小説。バナナや屋上の池など世界観、タイトルの理由など全体的に少しモヤっとした作品。

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2016年04月15日

Posted by ブクログ

終わってみればトリックは単純。確かに伏線が用意されており、どんでん返しがそこに繋がっていたが、期待ほどのインパクトはなかった。作者の特徴である季節感もなぜかいつもほど伝わってこなかった。炎天下の中で穴を掘ると言う行為に共感が持てなかったからか。登場人物も今一つ。ただバナナ研究者の母親と言うキャラクターが忘れがたい印象を残してくれた。

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2011年12月24日

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