馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
馳氏の作品を読むと、私は平凡な人生を歩んでいるんだなぁ〜と安堵感をもってしまう。作品に登場するような人には今のところお目にかかったことがないからだ。自分は札幌の中心で生まれ育ち、ススキノデビューもメチャ早く、なんとなく裏社会を見たような気になってはいたものの、ここまで凄い人々とは関わりがなくラッキーだったのかもしれない。馳氏作品を読むと恐くなる。ここまで人間って恐ろしくなれるものなんだろうかって。救いがまったくない。描写も時にはグロ過ぎて、オエ〜ってなっちゃうけれど、それでも読んでいると悲しくなってくる。もっと人間というものを信じたくなり、反面、私はまだまだ甘ちゃんなのだとも感じる。本書の主人公も、プロ野球選手にまでなり順風満帆な人生を歩んでいくはずだったのに、肩の故障ということでほされ、それでも野球から離れることができなかった。実は私の弟も将来を有望されていた野球選手だった。高校も野球推薦。だけど肩を痛め、部活ができなくなり退学した。読んでいて主人公と弟がダブるところがあり、余計に主人公にのめり込んだ。主人公が落ちていくのにはもっともっとノワールな過去があるんだけどね〜。なんか・・・やめられないんだよね〜馳作品って。今のところ3冊しか読んでいないけれど、嫌になっちゃうなぁ〜と思うのが、最低な男たちってどうして女を見下すんだろうっていうこと。どいつもこいつも女はただのセックスの道具としか考えていない。本当に嫌になっちゃう。
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Posted by ブクログ
この作者の、「黄金旅程」は非常に面白かった。主人公に主人公感を与えるためのヤクザ展開や恋愛パートさえなければ完璧であった。
さて、本作は。
競馬はロマン。地方競馬でも勝てない馬に惹かれ、種馬とし、その馬が受け継ぐ名馬の血を繋いでゆく。ファンタジーに振り切ったスタートに胸高鳴り読み進めたが、段々ラブコメ色が強くなり、中盤以降はほぼそれ、ヤクザも登場。またそれかい。クライマックスを経て、あとがきでも、ラブコメです。なーんだ。
競馬小説ではないので、ライトなラブコメ目当ての方はハマるんじゃないでしょうか。休憩、リラックスとしての読書には丁度良い読みやすさです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人は死ぬ。必ず死ぬ。時に呆気なく死ぬ。」繰り返し出てくる主人公の言葉から人はどう生きてどう死ねば満足なのか?幸福なのか?ということを考えさせられた。
ノワール作品らしいスピード感とバイオレンスとエロス描写(やや引いたが)が交錯する中、ヤクザの情婦である霧子の奔放さには少し距離感を覚えたものの、物語としてはスピード感や予想を裏切らない展開一癖も二癖もある登場人物との絡みで最後まで飽きさせない。そして、北海道の静けさと海霧に包まれながら互いを思いやる彼らの姿は、紛れもなく「幸福な瞬間」そのものだった。
「今だけを精一杯生ききって気がついたら死んでいた」という著者のインタビューの言葉が、物語全体に深く染み渡っている。生きた時間の長さではなく、愛する存在と巡り合い、その愛を生ききること。
迫り来る破滅の予感に「この時間がどうか終わらないでほしい」と祈らずにはいられなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ苦手な作家さんだと思っていたが、なんとまあ読みやすいこと!
するすると一気に読みました。
名犬多聞の旅。
犬を必要とする人間にピンとくるのか、出会う人間達を片っ端から救いまた旅立つ。そして救われた人間達のやるせなさや切なさに共感したりハッとさせられたり。
「夫婦と犬」のターン。
妻側の苛々に共感する人は多いのでは。
悪い人ではない夫。
でもバカ。
悪い人ではないが故に余計に苦しめる。
妻を思っているようで結局自分の事しか考えず、独りよがりで相手の気持ちに思い至らないあの感じ。
結末は予想外で衝撃だったが妻に幸あれと願う。何ならすっきりして少し羨ましい。
「老人と犬」の結末もやはりそうか…と少し辛い気持ちではあったが、九州に渡すいい仕事をしてくれた。
実家のご近所さんにマタギをしてる人が居り、猟友会の空気感、田舎の選挙運動のあの感じ。短い章だったが印象深いターンだった。
地べたで生き、綱渡りのような人生に区切りをつける勇気を植えて多聞は去る。
私のもとに多聞が現れたら…とつい想像してしまう。
泣くほどではないが切なさが満載。なのに読後感がとても良い。
人に勧められて読んだ訳だが、その気持ちがとても分かる。
評価の割にめっちゃ感想書いてるし(笑)