【感想・ネタバレ】蒼き山嶺のレビュー

あらすじ

山岳ガイドの得丸志郎は、白馬岳で大学山岳部の同期・池谷博史と再会した。卒業後、警視庁の公安刑事となった池谷は、久しぶりの山でだいぶバテている。山頂まで一緒に登ることにしたが、ペースは上がらない。下山が遅れそうだと麓に電話を入れる得丸に、池谷が拳銃を突きつけた――!! 友情、ライバル、極限の決死行。著者の新境地となる傑作山岳冒険小説!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

不夜城以来の馳星周作品。馳氏らしいノワール的な物語でもありながら、登山の魅力と理不尽さに翻弄される人間の息づかいがストレートに伝わってきました。それぞれ形の違う孤独が雪の粒みたいにキラキラ光りながら胸に迫ってきます。

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2025年07月05日

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冬山縦走がこれほどリアルに、臨場感溢れる描写に圧倒されてしまう。圧倒的な自然の中で晒す人間の悲哀の対比が物語の明瞭なコントラストを生み出す。限界を何度も超えて、理性も吹きとび、人の素直な感情だけが残ったラスト、シンプルだけど色んな意味を考えさせてくれて涙。。

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2022年10月10日

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久々に面白い山岳小説を読んだ。
物語は序盤で本題に入りスリリングな展開をしていくが、その中で過去の記憶、出会い、思惑、矜持。。。そんなものが混ざりあって読んでいて全く飽きなかったし、山や自然が見せる様々な表情の描写がとても綺麗で、まるでそこに自分がいるかのような気分だ。
その後を書いた続編を読みたいので、作者さんぜひ!

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2022年09月23日

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蒼き山嶺 馳星周さん

1.購読動機
山を見たかったからです。
身体の都合もあり、久しく山から遠ざかっています。
そこで、山を舞台にする小説に出会いたく、手にとりました。

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2.馳星周さん
初めましてです。
2021年に出会えてよかった作家さんのお一人となりました。

登場人物が少ないこと。だから、ストーリーに入りやすいです。

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3.「蒼き山嶺」
山岳の描写が力強く、美しいです。

光が差し込む。
吹ぶく。
雪解けの音が聞こえる。

五感に訴求してくる文体の臨場感。
巻末に、馳さんご自身が軽井沢に転居してから、登山に魅了されたとの談話があります。

2021年。
名刺代わりの小説10選にノミネートです。

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#馳星周 さん好きな人とつながりたい

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2021年07月11日

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よかった
寒々とした風景描写、自然脅威
読みながら凍えるし、熱くなる
人間関係まわりで、ん?と思うところはなくもないが、それは気にならないぐらいにのめり込めた
もっと伏線が張られてた気もしてたが、全て杞憂だった、素直に読めばよかった

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2021年02月25日

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最後の最後での大学時代の回想。初めて山行をした時の池谷の山に魅了された瞬間がたまらなかった。雷鳥、雲海、ご来光。山にいるときだけは全てを忘れて登山に没頭出来ていたのだろうと思うと・・・。

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2021年02月03日

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馳さんの①暗黒系×③山系で、相乗効果で壮絶な物語になっています。がっつり、馳さんワールドを楽しまれたい方には、特にお勧めします。

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2024年08月30日

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やっぱり山岳小説は面白い。自分がそこにいるような気になって、次々とページをめくりたくなる。
それに、外が猛暑の日に冷房の効いた室内で雪山登山の本を読む贅沢!

池谷に山があってよかったと思いました。

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2023年08月10日

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元山岳遭難救助隊員の得丸は、大学時代山岳部で一緒だった公安刑事の池谷と、山中で偶然にも再会する。
そして池谷から残雪期の白馬岳のガイドを頼まれるが、池谷は警察から追われ、刺客に命を狙われている事態を、徳丸は徐々に知ることとなる。
そこにもう一人の仲間であった若林の妹も偶然加わることになり、友情溢れる楽しい筈の登山から一変し、スリル溢れる逃避行のサスペンス劇へと進んで行く。

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2022年07月07日

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北アルプスで山岳ガイドをしている得丸は、体力技術不足の登山者と出会う。
それは得丸の大学時代の山岳部同期、池谷だった。
卒業後、公安の刑事となった池谷は山から離れていたため、すっかり鈍っており、得丸にガイドを依頼する。

山岳小説であり、公安がらみの事件に巻き込まれる男っぽい作品で、非常に面白かった
今作では雪の白馬岳がとてもハードなのだが、大学時代の記憶パートがまた良い。
池谷の背景を知った上で読む、山岳部での描写に特に胸打たれました。

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2021年11月20日

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山好きの自分としては、山の美しい風景、厳しさ、山歩きのメンタリティが鮮やかに描かれていて、とても面白かった。
まるで自分が登山している気分になる。

日本海に着いた後、得丸らはどうなったのかまで描いて欲しかったが、そういう終わり方もアリか。

K2に若林を捜索しにいく続編が書かれることを切に願う。

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2021年10月19日

購入済み

時間を忘れます

登山経験のない自分でも、映像が頭に浮かんできました。
事前の知識がなくても楽しめると思います。

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2021年08月31日

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同作者の『神奈備』という山岳小説を読み、本作へ高い期待を持ち読み始めた!

読んで正解の一冊となる!


山岳ガイドの得丸は、雪山で大学時代の山岳部で同期の池谷と再開する。
池谷はかつて徳丸と並ぶ程の山屋であったが久々の山登りに四苦八苦・・・
どうしても山を登りたい池谷は得丸をガイドとして雇うのだが・・・

山での出会い、池谷の焦燥、不穏な影と大自然の優雅さ、そして失われた学生時代の青春と亡くした友!?
色んなものが絡み合ってるけど何故かスッキリ?

湊かなえの山岳小説は山に登りたくなるが、馳星周の山岳小説は生半可な体力と気持ちで山に登ってはいけないと思わせる!

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2021年07月07日

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蒼き山嶺、読み終えました(^^)
とても良かったです。
山登りしてる人なら、感動する本だと思います。
やっぱり山はいいですよね。
そう思いました。

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2021年03月24日

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馳君と言えばノワール物のイメージが強いが、最近では犬絡みの物語も有り、書店で本を手に取るのが楽しみな作家の一人だ。
これも一気読みした。会話の一言一言をじっくりと味わいながら読むのがオススメ。

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2020年12月22日

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馳星周『蒼き山嶺』光文社文庫。

山岳冒険小説。リアルな山岳縦走の描写と理由も解らないままに正体不明の何者かに狙われるというサスペンス。ひたすら山岳縦走が描かれるというストーリーで、途中で謎が明かされてしまうと、それ以上の大きな展開も無く、呆気なく結末を迎えてしまう。もう一捻りが欲しかった。

警察を辞め、山岳ガイドに転進した得丸志郎は冬の終わりの白馬岳で大学の山岳部時代の同期・池谷博史と再開する。大学卒業後に山を諦め、警視庁の公安刑事となった池谷は得丸に山頂までのガイドを依頼する。しかし、突然豹変した池谷は得丸に銃口を向け、白馬岳を越えて日本海を目指す。

何故か仲間内の公安から捜索され、何者かに狙われる池谷の目的は……

本体価格780円
★★★★

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2020年12月11日

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新宿と犬と山の作家、馳星周。

後立山連峰は、北アルプス北部に連なる長大な山域で、麓は安曇野高原などの避暑地や数多くのスキー場を有する場所。
もちろん、山を歩く連中で夏は稜線もにぎわっている。が、冬山はとても厳しい。日本海からの寒気が湿気を帯びて雷とともにやってくる。

そんな冬景色の稜線を主人公達は北へ歩く。

この手のストーリーとしては目新しいものではないが、やっぱり“水戸黄門”的に見入ってしまった。
井上靖『氷雪の門』や漫画『岳』が読みたくなった。

夏に白馬岳へ登る最も一般的なルート“白馬大雪渓”……2年続けてクレバスの巨大化で立ち入り禁止となった(2023・24)。
温暖化の影響からか、年々雪渓も痩せ細って危険度が高くなっている。
また、どの山も一般登山道は踏み跡が抉れ、場所によって崩落が発生している一方で、人気の無くなった道は荒れて歩けなくなっている。

永遠と思っていた山は、現実に変わり始めている。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

山岳小説が好きだ。
どうしてそんな辛い思いまでして
山へと向かってしまうんだろう、と
毎回思うのだけれど
登場人物と共に汗をかいて息を切らしながら
読んでしまう。

この作品は山から離れてしまった男、
現在も山と離れられずに居る男、
山と共になってしまった男、
3人の山屋の物語。

山とは何とも不思議だ。

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2023年02月24日

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山岳部で同級だった今は山岳ガイドの得丸、公安警察官の池谷、K2で死んだ友人の妹だと判明するゆかり。拳銃で脅される関係になりながら、雪山で人は死なせないという信念の得丸は池谷をかばって歩き続ける。池谷が「池谷」でさえないことがわかってからも雪山を背負ってさらに歩く。少し都合よく人物が揃いすぎた気がするのであるが、都合をつけるのが小説でもあるからよしとしなければならない。ガイドとしての使命感の「公」と友情という「私」が交錯しつつ、これまであまり読んだことのない物語世界を楽しませてくれた。

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2022年03月02日

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長野県警(サツカン)、ハム~北朝鮮、大学時代の山岳仲間、K2遭難死亡の友・・そして北アルプス白馬と来るんだもの、馳さんの手にかかる調理の最高潮は確定的。
作品の3割ほど、かつての盟友若林との回想と幻影に割かれていた。
特のラストの死の影がちらつく日本海へ向けての歩きのシーンはくど過ぎる感有り・・まぁ、限界を超えて100キロの荷物を背負って死の歩みをするには常人を超えないとならないからやむを得ないかな。

同性から見ても素人レベルを超えた若い女性が若林の妹‥で、出来すぎた臭さが有った・・が設定の素材には美味しかったのかも。

10年前、雪倉から親知らずまで歩いた・・4人の仲間と・・2人はバテバテでその後 山から離れた。
美しく、自然をいやというほど知らされらツガミ新道・・忘れられないひとこま。

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2022年02月28日

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元長野県警の山岳遭難救助隊員だった得丸は現在は山岳ガイドとして白馬村観光課に勤めている
ある日、残雪の状況を確認していた得丸は無謀な登山者に出会う
それは、大学時代の山岳部の同期池谷だった
池谷もまた警視庁公安部に所属する警察官だった
卒業後二十年全く山から離れていた池谷の身体はすっかりなまっていた
そんな池谷に白馬岳までのガイドを引き受けた得丸だったが…

二十年も山から離れていた池谷が何故急に山に戻ってきたのか
何故友人である得丸を脅してまで登り続けなければならなかったのか
その理由はあまりにも衝撃的で思わずえっ!?と声が出てしまうほどでした

登山をする人ならもっと臨場感が伝わり楽しめたのだろうな、と思います
何せ、専門用語とか道具の名前とかよく分からなかったので…
そこを差し引いても充分楽しめるスケールの大きな物語でした

二人の大学時代が織り交ぜながら語られていますが、二人の同期でありライバルであり目指すべき存在であった天才登山家若林は8000メートル級のK2で命を落とし、遺体は発見されていない
得丸が若林の遺体を発見するため、K2に挑む…という続編に期待したいです

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2021年03月06日

Posted by ブクログ

登山もしない私でも、山の景色の細かい描写に読む度に心惹かれていきました。綺麗な景色と反対に繰り広げられる逃亡劇。途中までは細かく描かれていたのですが、最後にぎゅっと詰めたような急ぎが感じられました。しかし続きがあるのかな?とも思わせられたので、続きに期待したいです。

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2021年02月02日

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