馳星周のレビュー一覧

  • 暗闇で踊れ

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    KAさんのお勧め。

    この著者の作品は、代表作であり出世作でもある「不夜城」ぐらいしか読んだことがないが、
    上手くなったというか、練れてきたというか。
    大変僭越ながら、成長したな、という感じがした。

    「不夜城」は荒々しく鮮烈で、それが人気の理由でもあったのだろうが、
    個人的には、追う側と追われる側両方の内面を細かく描き出したこの作品の方が面白かった。
    まだ、人物設定に納得のいかないところはあるが。

    ストーリー展開も、既視感がありつつも、意外な展開があって面白かった。
    結末も。

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    2016年12月17日
  • ラフ・アンド・タフ

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    馳星周『ラフ・アンド・タフ』講談社文庫。本当に馳星周が書いたのかと思うような作品で、これが木内一裕の作品と言うならば納得が出来る。決して面白くないという訳ではなく、作品の風合いに少し驚かされた。ポップで、ワイルドで、面白くも、哀しくもあるノワール・バイオレンス小説。ムショ帰りの脇田健一は相棒の浩次郎と共に一攫千金を夢見て、賞金稼ぎならぬ、ヤミ金融の取り立て屋になる。やがて健一と浩次郎は借金を踏み倒して逃げ回っていたデリヘル嬢の早紀子と出逢うが…男たちの孤独な渇ききった心と、女の強さの描写は馳星周らしい。

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    2016年12月16日
  • 帰らずの海

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    函館を舞台にしたノワール警察小説。

    さらりと読める小説であるが、すっきり感は無い。少し入り組んだストーリーでありながら、結末まで上手くまとまってはいるように見えるものの、細部には粗さを感じる。すっきり感が無いのは登場人物の善悪がはっきりしてないためか。

    かつて暮らした函館に赴任した刑事の田原稔は着任早々、殺人事件を捜査する。被害者は田原のかつての恋人、水野恵美だった。少しずつ明らかになる田原の哀しみと苦悩に包まれた過去と事件の真相…

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    2016年08月07日
  • 長恨歌 不夜城完結編

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    久々に不夜城を読みたくなりました。
    虚無感、凄いです。

    誰も幸せにならない結末。。
    だけれどもついつい引き込まれてしまいます。

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    2016年07月14日
  • アンタッチャブル

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    いわゆるエンターテインメントって感じなのかな。でも暗い過去とか復讐とか麻薬とか血とか、そういうのがいつ出てくるんだろうと思ってたらちっともなくて(まあ復讐はあるにしてもなんかテイストが違う)、馳星周節みたいなものを期待して読むと肩透かしを食らうというか「こんなんじゃない!」になっちゃうんだろうな。こういう小説と思えば面白く読めたけど、それって逆に言えば馳星周じゃなくてもいいんじゃない?ともなっちゃうけど・・・でも、ホント、テンポいいしキャラも立ってるし、素直に面白かった。

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    2016年07月12日
  • M(エム)

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    生々しいまでの性描写の中に迫り来る恐怖とのコントラストがなんとも言えない焦燥感を与えられます。

    どっちのドキドキ!?!?


    と、思うような。なんとも言えない身近な恐怖。

    テレクラに堕ちる主婦。

    SMに堕ちる男。

    息子。


    隣の家族との秘密。いろんな短編なんですが。どれもこれも追い打ちをかけてきます。生々しい性描写に油断しているとやられます。

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    2016年05月31日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    電車で読んではいけません。という帯をつけたくなった。
    前作に違わず、読んで涙が止まりません。
    学生時代に、マンションのドアを開けると仔犬が尻尾を振っていたことがあった。茶色のその仔犬は人懐っこく、かといって、ひとり暮らしで飼うわけにもいかないので、大学で自宅生の知り合いに片っ端から電話をかけて、その仔犬の貰い手を探したものの、叶わず、途方に暮れたことを思い出した。当時はバブル真っ只中。東京で庭つきの持ち家に住むことは夢物語だった。結局、今、終の住処となりそうなマンションはペット禁止なので、犬との生活は叶わないまま、老いさらばえてしまうのだろうか。ソウルメイトとは巡り会えそうにない。

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    2016年02月24日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    新聞の広告で見てずっと気になってた本。
    様々な犬種の犬たちと人間との絆を描いた短編集。犬好きとしては、どの話も涙なしでは読めなかった。2月頭にして1年分の涙を出し切ったような気持です。
    すでに最初の詩から号泣。フラットコーテッド・レトリーバーのエマの話が、以前飼っていた犬のことを思い出して一番泣きました。フレンチブルの話もよかったなぁ。
    以前飼っていた子たちも、今の子も、みんな魂で繋がっている。いつか別れの日が来ることを思って泣いたりもするけど、そう思うと少しだけ救われる気がする。
    1冊目も読みたい。

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    2016年02月07日
  • 殉狂者 下

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    なかなか読み進まなかった、上巻から一転。アイトールの周りで次々に起こる事件と、両親の過去からあぶり出される登場人物の誰が信じられるかわからないという、スリルで一気に最後まで読み切った。

    最後は一般的な意味で、納得のいくエンディングかは別として、面白かった。

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    2016年01月28日
  • 殉狂者 上

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    日本赤軍の日本人がバスク地方で、テロに加担する。現地で知り合った同胞のマリアと恋に落ち、生まれた男の子。
    柔道の代表に選ばれ、国の英雄として戦ったアイトール。幼くして父親をなくし、母親に育てられたアイトールが両親の秘密に迫って行く。

    最初はなかなか読み進めなかったけど、段々と面白くなって後半がたのしみに。

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    2016年01月28日
  • 淡雪記

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    どれだけ面白くても救いのないラストは好きじゃない。馳星周らしくないなと思って読み始めたけど主人公のハードボイルドな事。白痴の美女を好きにするのとカメラ使って好き勝手やるって二点がやりたかっただけなんじゃないのかな。破滅に向かう物語は読んでて辛い。

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    2015年12月22日
  • アンタッチャブル

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    花形の捜査一課にいたのに、事故を起こして全く畑違いの公安、しかも警察全体の厄介者の下に移動になった宮澤。
    慣れない公安のやり方にあたふたしながら、つい一生懸命にやってしまう、なかなか愛すべきキャラ。
    唯一の上司、頭がおかしい椿警視は奥田英朗さんの描く精神科医、伊良部を彷彿させる。

    北朝鮮工作員によるテロは本当に起こるのか起こらないのか、椿は頭がおかしいのか何かとんでもない事を企んでフリをしてるだけなのか。

    500ページを超える本だけど飽く事なく読んだ。

    酒乱だけど呑まないと理想の彼女、椿家の執事、おばあちゃん活動家と、周りの人達もすごくいい。
    結局どうなるのかと思ってたらこう来たかー!っ

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    2015年12月17日
  • アンタッチャブル

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    2015年上半期の直木賞候補にあがった作品だ。
    「アンタッチャブル」とは、なんとも不思議なタイトルだが、
    「触ってはいけない」という意味だという。
    なるほど。作品内容はまさしくタイトル通りだった。

    主人公である警視庁捜査一課の宮澤は
    事故を起こして警視庁公安部外事三課へ異動命令がだされた。
    上司は公安の「アンタッチャブル」。
    かつては将来の警察庁長官と有望視されていたのに、
    妻の浮気・離婚を機に、
    「頭がおかしくなった」と噂されている椿警視だ。
    宮澤の本当の使命は、椿の行動を監視・報告することだった。
    捜査一課の「落ちこぼれ」と公安部の「アンタッチャブル」。
    憎めない凸凹コンビが、爆破テロ事

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    2017年11月09日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    良かったです。泣いた。感動です。巻頭詩、トイプードル、フレンチブルドッグが良かった。Ⅰも読みたい。「飼い主が幸せなら、犬も幸せなんです」わかる。

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    2015年11月23日
  • 走ろうぜ、マージ

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    馳星周といえば、「不夜城」>で、歌舞伎町で暴力で暗黒社会で・・・(ノワール小説というの?!それさえ知らずにいました)
    まぁ読むことはないジャンルかな~と、ご縁薄い作家さんとして過ぎゆかなくてよかった!!

    大変な愛犬家であることを知ったのは、「ソウルメイト」という犬をテーマにした短編集に出合ったから。
    犬に対する知識の豊富さと、犬愛の大きさに、作品を通して惹かれ、ご自身の愛犬看病記実録であるこの本に、出合えました。

    癌に侵された愛犬マージとの生活を、日記形式に実に詳細に記載。
    治療に際して何を施したか、どんな食事や薬を与えたか、愛犬の様子はどう変化していったのか、何が苦しいのか、何が心

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    2015年10月27日
  • アンタッチャブル

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    作者の印象とは違う風合いの作品だった。
    奥田英朗さんの作品みたいだった。
    楽しいが、オチはどうかなぁ…

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    2015年10月23日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    はじめから、泣きそうになって、
    通勤には向かない本でした。
    犬ものには弱い人は要注意です。
    でもきゅんとするエピソードも含まれていて、ほっこり。
    背景描写がとても美しい小説でした。

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    2015年10月16日
  • アンタッチャブル

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    直木賞候補作。(受賞作は『流』)
    北の工作員を追っていく警察ものだったので、横山秀夫のイメージで読み出したら、全然違ってた。
    イメージ的には奥田英明の伊良部先生。
    軽いんだか重いんだか良く分からない間に終わってしまった感じ。
    読みやすいことは間違いない。

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    2015年10月01日
  • アンタッチャブル

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    面白いんだけど、アンタッチャブル椿警視の話し方が、精神科医の伊良部一郎とかぶって、「あれっ?」って感じでした。

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    2015年09月26日
  • アンタッチャブル

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    椿さん、恐ろしいです。狂人と天才は紙一重なのかも。渡会執事のMな性格を忘れなければストーリー後半で結末が解ったかもと思いました。
    それにしても主人公かわいそうでした(笑)

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    2015年08月19日