馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
電車で読んではいけません。という帯をつけたくなった。
前作に違わず、読んで涙が止まりません。
学生時代に、マンションのドアを開けると仔犬が尻尾を振っていたことがあった。茶色のその仔犬は人懐っこく、かといって、ひとり暮らしで飼うわけにもいかないので、大学で自宅生の知り合いに片っ端から電話をかけて、その仔犬の貰い手を探したものの、叶わず、途方に暮れたことを思い出した。当時はバブル真っ只中。東京で庭つきの持ち家に住むことは夢物語だった。結局、今、終の住処となりそうなマンションはペット禁止なので、犬との生活は叶わないまま、老いさらばえてしまうのだろうか。ソウルメイトとは巡り会えそうにない。 -
Posted by ブクログ
花形の捜査一課にいたのに、事故を起こして全く畑違いの公安、しかも警察全体の厄介者の下に移動になった宮澤。
慣れない公安のやり方にあたふたしながら、つい一生懸命にやってしまう、なかなか愛すべきキャラ。
唯一の上司、頭がおかしい椿警視は奥田英朗さんの描く精神科医、伊良部を彷彿させる。
北朝鮮工作員によるテロは本当に起こるのか起こらないのか、椿は頭がおかしいのか何かとんでもない事を企んでフリをしてるだけなのか。
500ページを超える本だけど飽く事なく読んだ。
酒乱だけど呑まないと理想の彼女、椿家の執事、おばあちゃん活動家と、周りの人達もすごくいい。
結局どうなるのかと思ってたらこう来たかー!っ -
Posted by ブクログ
2015年上半期の直木賞候補にあがった作品だ。
「アンタッチャブル」とは、なんとも不思議なタイトルだが、
「触ってはいけない」という意味だという。
なるほど。作品内容はまさしくタイトル通りだった。
主人公である警視庁捜査一課の宮澤は
事故を起こして警視庁公安部外事三課へ異動命令がだされた。
上司は公安の「アンタッチャブル」。
かつては将来の警察庁長官と有望視されていたのに、
妻の浮気・離婚を機に、
「頭がおかしくなった」と噂されている椿警視だ。
宮澤の本当の使命は、椿の行動を監視・報告することだった。
捜査一課の「落ちこぼれ」と公安部の「アンタッチャブル」。
憎めない凸凹コンビが、爆破テロ事 -
Posted by ブクログ
馳星周といえば、「不夜城」>で、歌舞伎町で暴力で暗黒社会で・・・(ノワール小説というの?!それさえ知らずにいました)
まぁ読むことはないジャンルかな~と、ご縁薄い作家さんとして過ぎゆかなくてよかった!!
大変な愛犬家であることを知ったのは、「ソウルメイト」という犬をテーマにした短編集に出合ったから。
犬に対する知識の豊富さと、犬愛の大きさに、作品を通して惹かれ、ご自身の愛犬看病記実録であるこの本に、出合えました。
癌に侵された愛犬マージとの生活を、日記形式に実に詳細に記載。
治療に際して何を施したか、どんな食事や薬を与えたか、愛犬の様子はどう変化していったのか、何が苦しいのか、何が心