馳星周のレビュー一覧

  • 夜光虫

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    ネタバレ

    冒頭から、主人公・加倉の転落の描写の歯切れのよいこと。これで物語にスムーズに入っていくが…。
    ”主人公”であっても良心の人でも正義の人でもなく、一般的な基準で言えば、どうしようもない悪党。そんな言葉が生易しくなるほどの犯罪者となっていく、その軌跡をつづった物語と言っていい。
    しかもバイオレンスも性描写も短いながら、フラッシュのように情景を切り取り、映し出し、嫌悪感すら覚える。

    それでいて読み続けるのは、加倉の想いや本能にどこか共感を覚えずにはいられないからだろう。デフォルメされ普通の人だったら抑制される臨界点を軽々と超えて行くところだけが違うのであって、金・欲に対する欲望自体は変わらないのだ

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    2017年10月19日
  • M(エム)

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    かなり久しぶりの馳星周。繁華街舞台にドンパチ繰り広げなくても揺るぎ無いノワール感。住む世界は違うのだけど起き得ないことでは無いと言うか。表題作のMに関してはトラウマに支配されている物語りだろうし、近い感覚がある。
    眩暈の主人公には「しっかりしろよ」って突っ込みたいけど。。

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    2018年01月22日
  • 生誕祭(下)

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    4.0 この作品は馳星周の最高傑作。不夜城、夜光虫を凌駕する疾走感と破滅に向かう絶望感。もっとこういう作品を書いてくれ。

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    2017年09月23日
  • 生誕祭(下)

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    バブルってホントにこんなに弾けちゃってたの~!?経験したい気もするけど、逆に今の時代に生きてて良かったとも思ってしまう。

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    2017年09月20日
  • 夜光虫

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    加倉昭彦は日本のプロ野球で活躍したが,故障が続き台湾のプロ野球に転ずる.台湾では八百長が横行しており,放水と呼ぶ.通訳の王東谷は戦前の日本統治下で山村輝夫という名を持っていたことなどから,昭彦に良くしてくれた.同僚の台湾人・張俊郎と懇意になるが,真面目な俊郎が放水を警察に密告することから話が展開する.昭彦は王國彦や袁,陳らの取り調べに対して放水はやっていないと供述するが,黒幕が順次登場する.徐栄一からは様々な飴や鞭を受ける.昭彦は経営しているバーの女 リエ(温晶晶)を良い仲だ.徐から高級時計をもらったところを俊郎に見られ,彼を殺してしまう.リエにアリバイ工作を依頼し警察の追及を逃れるが,俊郎の

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    2017年08月31日
  • 生誕祭(下)

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    ネタバレ

    『稼ぎたい』『儲けたい』お金に執着する熱に圧倒されます。二度とやっては来ないバブル時代、経験してみたかった。

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    2017年08月13日
  • 煉獄の使徒(上)(新潮文庫)

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     只今、下巻も読みすすめている真っ最中、上下巻で1600ページとはいい加減にしてほしい(読む先は絶望しかない)このクソの様な展開が現実なんだから恐ろしい、政治家、警察と教団の癒着があったとしたら世も末だ。TVを賑わす暴言・暴力の豊田真由子議員しかり、映画『日本で一番悪い奴ら』を観ても亡国の危機であることは間違いない。詳細レビューは下巻にて

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    2017年07月08日
  • 復活祭

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    馳星周『復活祭』文藝春秋。

    『生誕祭』の10年後を描いた続編。ひたすら大金を追い求めることに執着する男女を描いたクライム・ノヴェルである。続編であるのだが、馳星周の描いた小説だけに、最初から泡沫のような黄金の夢は儚く消え行く運命にあろうことは大体予測がつく。

    バブル崩壊で全てを失った堤彰洋と齋藤美千隆と共に再起を賭け、IT産業に参入する。IT関連企業を起こした彰洋と美千隆は株価を吊り上げるために優良企業のM&Aを目論むが…狂ったマネー・ゲームの勝者は誰なのか。

    続編というよりは『誕生祭』の返歌とも言うべき作品だった。勝者への賛辞は贈れず、虚無感だけが残るラストだった。

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    2017年06月10日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    だめだー
    会社の昼休みに読むものではない。
    号泣してしまった

    犬を通じてさまざまな人間の日常を描き出すオムニバス。

    読んでいて、初めは犬好きが喜ぶファンタジーのように思えた。
    どの短編にも犬と、犬を愛し理解する人々が登場する。そして彼らは(往々にして人間関係にはどこか問題を抱えているが)犬との深い絆がある。

    普通そんなに犬のこと理解して対応できる人いないよ、というのがひとつ。
    それから登場する皆さんがあまりにわかりやすく人間関係には問題を抱えているので、そういう人がそこまで犬と完璧な関係を築けるかね?というのがもうひとつ。
    そんなわけで、これは著者の犬好きが高じて書いたある意味ファンタジ

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    2017年05月11日
  • 弥勒世 上

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    なんだか分からないけれど読み進めてしまう、
    今回も馳星周らしさを出した破滅的な作品。

    沖縄というタブーなエリアに踏み込みつつも、
    遠慮することなく破滅的な道を突き進む内容は、単純に凄いと思います。
    沖縄人を(勝手な?)定義付けしちゃったりとかw

    もう少し削れるでしょ?とか色々と感じることはあるけれど、
    同時に作者の沖縄への迸る想いもひしひしと感じました。
    パワーは凄かったです。さすが。

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    2017年02月26日
  • 走ろうぜ、マージ

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    本当に可愛らしいマージ。ボスに愛され、最期まで側にいてもらって幸せだったと思う。軽井沢にまた行かせてあげたかった。

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    2017年01月06日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    丁寧に、良い話。
    でも、私にはまだ辛くて読めなかった。
    たぶん号泣してしまう。(ワンコ飼ってたので)

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    2017年01月04日
  • 暗闇で踊れ

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    KAさんのお勧め。

    この著者の作品は、代表作であり出世作でもある「不夜城」ぐらいしか読んだことがないが、
    上手くなったというか、練れてきたというか。
    大変僭越ながら、成長したな、という感じがした。

    「不夜城」は荒々しく鮮烈で、それが人気の理由でもあったのだろうが、
    個人的には、追う側と追われる側両方の内面を細かく描き出したこの作品の方が面白かった。
    まだ、人物設定に納得のいかないところはあるが。

    ストーリー展開も、既視感がありつつも、意外な展開があって面白かった。
    結末も。

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    2016年12月17日
  • ラフ・アンド・タフ

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    馳星周『ラフ・アンド・タフ』講談社文庫。本当に馳星周が書いたのかと思うような作品で、これが木内一裕の作品と言うならば納得が出来る。決して面白くないという訳ではなく、作品の風合いに少し驚かされた。ポップで、ワイルドで、面白くも、哀しくもあるノワール・バイオレンス小説。ムショ帰りの脇田健一は相棒の浩次郎と共に一攫千金を夢見て、賞金稼ぎならぬ、ヤミ金融の取り立て屋になる。やがて健一と浩次郎は借金を踏み倒して逃げ回っていたデリヘル嬢の早紀子と出逢うが…男たちの孤独な渇ききった心と、女の強さの描写は馳星周らしい。

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    2016年12月16日
  • 帰らずの海

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    函館を舞台にしたノワール警察小説。

    さらりと読める小説であるが、すっきり感は無い。少し入り組んだストーリーでありながら、結末まで上手くまとまってはいるように見えるものの、細部には粗さを感じる。すっきり感が無いのは登場人物の善悪がはっきりしてないためか。

    かつて暮らした函館に赴任した刑事の田原稔は着任早々、殺人事件を捜査する。被害者は田原のかつての恋人、水野恵美だった。少しずつ明らかになる田原の哀しみと苦悩に包まれた過去と事件の真相…

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    2016年08月07日
  • 長恨歌 不夜城完結編

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    久々に不夜城を読みたくなりました。
    虚無感、凄いです。

    誰も幸せにならない結末。。
    だけれどもついつい引き込まれてしまいます。

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    2016年07月14日
  • アンタッチャブル

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    いわゆるエンターテインメントって感じなのかな。でも暗い過去とか復讐とか麻薬とか血とか、そういうのがいつ出てくるんだろうと思ってたらちっともなくて(まあ復讐はあるにしてもなんかテイストが違う)、馳星周節みたいなものを期待して読むと肩透かしを食らうというか「こんなんじゃない!」になっちゃうんだろうな。こういう小説と思えば面白く読めたけど、それって逆に言えば馳星周じゃなくてもいいんじゃない?ともなっちゃうけど・・・でも、ホント、テンポいいしキャラも立ってるし、素直に面白かった。

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    2016年07月12日
  • M(エム)

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    生々しいまでの性描写の中に迫り来る恐怖とのコントラストがなんとも言えない焦燥感を与えられます。

    どっちのドキドキ!?!?


    と、思うような。なんとも言えない身近な恐怖。

    テレクラに堕ちる主婦。

    SMに堕ちる男。

    息子。


    隣の家族との秘密。いろんな短編なんですが。どれもこれも追い打ちをかけてきます。生々しい性描写に油断しているとやられます。

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    2016年05月31日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    電車で読んではいけません。という帯をつけたくなった。
    前作に違わず、読んで涙が止まりません。
    学生時代に、マンションのドアを開けると仔犬が尻尾を振っていたことがあった。茶色のその仔犬は人懐っこく、かといって、ひとり暮らしで飼うわけにもいかないので、大学で自宅生の知り合いに片っ端から電話をかけて、その仔犬の貰い手を探したものの、叶わず、途方に暮れたことを思い出した。当時はバブル真っ只中。東京で庭つきの持ち家に住むことは夢物語だった。結局、今、終の住処となりそうなマンションはペット禁止なので、犬との生活は叶わないまま、老いさらばえてしまうのだろうか。ソウルメイトとは巡り会えそうにない。

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    2016年02月24日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    新聞の広告で見てずっと気になってた本。
    様々な犬種の犬たちと人間との絆を描いた短編集。犬好きとしては、どの話も涙なしでは読めなかった。2月頭にして1年分の涙を出し切ったような気持です。
    すでに最初の詩から号泣。フラットコーテッド・レトリーバーのエマの話が、以前飼っていた犬のことを思い出して一番泣きました。フレンチブルの話もよかったなぁ。
    以前飼っていた子たちも、今の子も、みんな魂で繋がっている。いつか別れの日が来ることを思って泣いたりもするけど、そう思うと少しだけ救われる気がする。
    1冊目も読みたい。

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    2016年02月07日