あらすじ
警視庁三課の刑事・神崎は大量の古美術品が市場に出回ったことから、捜査をはじめた。彼が辿りついた松涛の富豪・井上家で、身寄りのないはずの井上を世話をしていたのは、榊田恵、学の姉弟。ふたりは井上の隠し子だという。事件の臭いを感じた神崎は密かに内定を始めたのだったが、いつしか仕事を忘れ恵の身体に溺れてしまう――。
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Posted by ブクログ
恋は盲目。まさしくこの言葉がピッタリ当て嵌まる内容。若かりし頃に夢も無くバックパッカーとして世界を放浪、なんとなく警察官になり、家庭を持ち、世間的には一人前になっていったが、、家庭の崩壊を堺に人生の歯車が狂い始める。そして出会ってしまった。最後までドキッとさせられた展開に満足。
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姉弟の壊れていく様が、リアルで怖い。子供の頃のトラウマとはこんなに大変なものなんだと思い知らされる作品でした。あんなに固執ていた神埼さえも殺してあっさり引き上げる事ができるということは、一生足を洗えないんだろうなぁ。
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面白い構成と闇の奥底に堕ちていくかのようなピカレスクに650ページをあっという間に読み切った。『不夜城』の頃の馳星周が帰って来たかのようだ。
美術品窃盗事件を捜査していた神崎刑事は捜査線上に浮かび上がった姉弟の周辺を探るうちに…
第一部では神崎刑事の捜査の視点から物語が描かれ、第二部では稀代の詐欺師・榊田恵と学の姉弟の視点から物語が描かれる構成が面白い。そして、第三部…
詐欺師の姉弟に翻弄されながらも執念の捜査で姉弟の近辺に迫る神崎刑事と徐々に明かされていく姉弟の過去…
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馳星周の小説だった。
令和ではむしろあり得る様な気がする。
昭和だと衝撃なんだけどね。
不思議だな。
登場人物が持っているものがある。
「熱量」暗黒の世界Passion。
突き動かされる人間の恐ろしさと哀しみを馳星周は教えてくれる。
Posted by ブクログ
詐欺師の姉・弟、榊田恵(本名、三郷妙)34歳と榊田学(本名、三郷智彦)22歳、そして、その恵に騙されながらも惚れてしまった刑事、神崎巡査部長38歳の物語。3部構成。1部は刑事が騙されるまで。2部は、それを姉・弟の視点から。3部からが本作品の真骨頂。563頁の大作。1部、2部は読むのに時間がかかりましたが、3部は一気に読み切りました。刑事と詐欺師、それぞれが殺人を犯し、逃亡する3人、そのわずかな期間が3人にとっての幸せなときだったのかもしれません。馳星周 著「暗闇で踊れ」、2011.12発行。
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KAさんのお勧め。
この著者の作品は、代表作であり出世作でもある「不夜城」ぐらいしか読んだことがないが、
上手くなったというか、練れてきたというか。
大変僭越ながら、成長したな、という感じがした。
「不夜城」は荒々しく鮮烈で、それが人気の理由でもあったのだろうが、
個人的には、追う側と追われる側両方の内面を細かく描き出したこの作品の方が面白かった。
まだ、人物設定に納得のいかないところはあるが。
ストーリー展開も、既視感がありつつも、意外な展開があって面白かった。
結末も。