ノワール小説で知られる著者が、夫人と愛犬2匹との日々を、愛情豊かに描いています。
マージは、著者が飼っていた、バーニーズマウンテンドッグという犬種の大型犬。
原産国のスイスでは、大型犬について「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」という言葉があるそう。マージは11歳で亡くなっています。
老化・病気により、食事・排せつなど、普段当たり前にしている行為ができなくなること。看取るまでの、マージと家族の苦しみを読むと胸が詰まります。
この本を読むことで、哀しみが癒されたり、いつか来る別れに向けて心構えができるかもしれません。
人が犬を想うこと、犬が人を想うこと、人が人を想うこと、愛情の素晴らしさを感じさせてくれる作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月17日
愛犬の看病記。
1年3か月前に読むことができていたらと思います。
ただ撫でてやることしかできなかったことが、悔しくて申しわけなくて。
僕はまだペットロスの中にいる。
Posted by ブクログ 2023年07月16日
犬のエッセイです
自分が14年ともに暮らしたミックスの愛犬を虹の橋の向こうに見送ってから、しばらくこの手の本を読み漁っていました
うちの子は6キロ程度の子でしたが、それでもいなくなったあとのがらんとした感じはたまりませんでした
ましてやマージはバーニーズマウンテンドッグ
でかい
精神的に占め...続きを読むる大きさはうちの子も変わらないとは言え、物理的なサイズ感は5倍?6倍?
喪失感も大きいことだっただろうと
病気がわかってからの著者夫妻のマージへの献身ぶりは、お金があるからできることだなと思いますが、それにしてもなかなか出来ることではなさそうです
幼少から一緒にいたマージが、日々弱っていく姿を見つめ、支えることは辛かったでしょう
でも犬に限りませんが、動物と暮らすということは命を見つめること
生命を見送ること
見送っても見送っても、また命を迎える
性懲りもなく
馳さんもそうてした
同じ子は二度とおらず、全然違う個性の新たな子に前の子の姿も重なる
見送った子たち誰も忘れることなく、また新たな子との暮らしをつくっていく
でも生命を見送ることの慟哭を忘れないようにしておこう
この子との毎日も一期一会なんだから
Posted by ブクログ 2019年01月20日
馳さんの愛犬「マージ」が癌に侵され亡くなるまでの日記なんですが・・・こんなん悲しいやつ読めないよ~(┯_┯)こんなに愛されて、精一杯の看病をされてマージは絶対に!幸せだったと思うし、マージとワルテルと一緒に生きる馳さんも幸せだと思う。きっと私には・・・出来てないな。。。(反省
Posted by ブクログ 2022年07月03日
11年間暮らしたバーニーズ マウンテン ドックのマージにしこりが見つかった。それから94日目。愛犬は亡くなった。馳さんは最後でマージに対して幸せだったかと問いかけているが、これほど幸せな犬はいないんではないかと思います。
Posted by ブクログ 2020年12月01日
馳星周、という作家は、なんとも興味深い人だなあ、、、ということをシミジミと感じたエッセイでした。
馳さんの小説は「不夜城」「ダーク・ムーン」しか読んだことがないのですが、すっげえ人間の暗黒面を書いて書いて書き倒してる人、っていうイメージがあります。そこまで人間のダメさを書くのかね、みたいな。人間嫌...続きを読むいなの?みたいな。
ちなみに、馳さんが、遥か昔に「佐山アキラ」名義で書いた、ゲームのウィザードリィを舞台にした短編小説「酔いどれの墓標」は、ウルトラ好きなんですよ。アレ、馳星周だったんだ!と知った時の驚きは、凄かった嬉しかった。余談ですね。
で、その、馳星周。ここまで犬が好きなのか!?という、驚愕のエッセイでした。馳さん、このエッセイの中でハッキリと「俺は人間嫌い」って自分のことを語っていますが、犬のことは心の底から好きなのね、、、ということが、シミジミとシミジミと分かります。分かりまくります。
自分は、犬も飼わないし、猫も飼わないし、ペットとの生活は全く縁のない人間なのですが、ここまで愛情を注げるってマジですげえな、って、尊敬します。いやもう、、、凄いよなあ、、、町田康の「猫にかまけて」を読んだ時の感動に近い感じ。「あっこまで人間をケチョンケチョンに描く小説を書く人が、ここまで自分の飼っている動物に愛情を注ぐのか!?」という事を知った時の感動。アレですね。馳さんと町田さん、それぞれ犬派と猫派にキッチリ別れる感じですが、めっちゃこう、話、あうんじゃないかなあ~?とかね、思った次第ですね。
愛するペットが、今まさに寿命尽きんとするときの、あの、ご飯食べてくれた嬉しさ。ウンチやオシッコをしてくれた、というただそれだけが、途轍もなく嬉しい、という感覚。うーむ。感情って、なんだか、凄い。と謎な思いを抱いてしまいました。いやもう、実際、、、そういうもんなんだろうなあ、、、っていう。なんだか凄いです。感情って。
いつか自分も、ペットを飼うような人になったら、ここまでちゃんと、愛情を注ぐことのできる人になりたいな。そう思わせてくれた意味では、とても見事なエッセイでした。馳星周、という人物。いやはや、興味深い人です。うん。
Posted by ブクログ 2020年09月05日
最期の時を迎える終盤に差し掛かるにつれて、マージの苦しむ様子と、その介護、看病で憔悴しきる馳さん夫妻の描写は胸に迫るものがある。
毎晩苦しむ鳴き声で叩き起こされ、排泄のために膀胱を押してあげる。
与えた餌を半分食べた、全部食べた、顔を背けて食べる素振りを見せなかった、そんな一喜一憂がとても切ない。
...続きを読む
犬、生き物と共に暮らすというのはどういうことなのか。犬を飼うということの責任や喜び楽しみ、そして苦しみを本当にキリキリと胸が痛むような力で教えてくれる一冊。
Posted by ブクログ 2015年10月27日
馳星周といえば、「不夜城」>で、歌舞伎町で暴力で暗黒社会で・・・(ノワール小説というの?!それさえ知らずにいました)
まぁ読むことはないジャンルかな~と、ご縁薄い作家さんとして過ぎゆかなくてよかった!!
大変な愛犬家であることを知ったのは、「ソウルメイト」という犬をテーマにした短編集に出合っ...続きを読むたから。
犬に対する知識の豊富さと、犬愛の大きさに、作品を通して惹かれ、ご自身の愛犬看病記実録であるこの本に、出合えました。
癌に侵された愛犬マージとの生活を、日記形式に実に詳細に記載。
治療に際して何を施したか、どんな食事や薬を与えたか、愛犬の様子はどう変化していったのか、何が苦しいのか、何が心痛むのか・・・などを、克明に記録してあります。
愛犬家にとっては、切なさに身につまされること多いのは確かです。
筆力あるだけに、ぐっときて涙があふれてしまう場面も多々。
けれど、細かい部分にわたっての大いなる参考書となること、おすすめです。
Posted by ブクログ 2024年01月08日
読み進めるほどに辛くなる。それだけ筆者とマージの間に絆が芽生えていたんだと思う。ここまでの関係になるのは本当に素晴らしいと思う反面、犬を最後まで飼う事と看取ることの責任の重さと悲しみを感じた。
Posted by ブクログ 2020年07月25日
馳さんは初代から四代までバーニーズ・マウンテン・ドッグと暮らしています。この本は初代マージ、二代目のワルテルについて、特に11歳のマージが癌と老化に闘いながら天寿を全うした記録、介護の記録です。バーニーズ・マウンテン・ドッグは短命な犬種で「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは...続きを読む神様の贈り物」という言葉があるそうです。目覚めると、著者が「マージ、今日の具合はどうざ?」との言葉、よくわかります。そして、マージの必死の頑張りが読者の心を打ちます。馳星周 著「走ろうぜ、マージ」、2006発行