馳星周のレビュー一覧
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馳星周『復活祭』文藝春秋。
『生誕祭』の10年後を描いた続編。ひたすら大金を追い求めることに執着する男女を描いたクライム・ノヴェルである。続編であるのだが、馳星周の描いた小説だけに、最初から泡沫のような黄金の夢は儚く消え行く運命にあろうことは大体予測がつく。
バブル崩壊で全てを失った堤彰洋と齋藤美千隆と共に再起を賭け、IT産業に参入する。IT関連企業を起こした彰洋と美千隆は株価を吊り上げるために優良企業のM&Aを目論むが…狂ったマネー・ゲームの勝者は誰なのか。
続編というよりは『誕生祭』の返歌とも言うべき作品だった。勝者への賛辞は贈れず、虚無感だけが残るラストだった。 -
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だめだー
会社の昼休みに読むものではない。
号泣してしまった
犬を通じてさまざまな人間の日常を描き出すオムニバス。
読んでいて、初めは犬好きが喜ぶファンタジーのように思えた。
どの短編にも犬と、犬を愛し理解する人々が登場する。そして彼らは(往々にして人間関係にはどこか問題を抱えているが)犬との深い絆がある。
普通そんなに犬のこと理解して対応できる人いないよ、というのがひとつ。
それから登場する皆さんがあまりにわかりやすく人間関係には問題を抱えているので、そういう人がそこまで犬と完璧な関係を築けるかね?というのがもうひとつ。
そんなわけで、これは著者の犬好きが高じて書いたある意味ファンタジ -
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電車で読んではいけません。という帯をつけたくなった。
前作に違わず、読んで涙が止まりません。
学生時代に、マンションのドアを開けると仔犬が尻尾を振っていたことがあった。茶色のその仔犬は人懐っこく、かといって、ひとり暮らしで飼うわけにもいかないので、大学で自宅生の知り合いに片っ端から電話をかけて、その仔犬の貰い手を探したものの、叶わず、途方に暮れたことを思い出した。当時はバブル真っ只中。東京で庭つきの持ち家に住むことは夢物語だった。結局、今、終の住処となりそうなマンションはペット禁止なので、犬との生活は叶わないまま、老いさらばえてしまうのだろうか。ソウルメイトとは巡り会えそうにない。 -
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花形の捜査一課にいたのに、事故を起こして全く畑違いの公安、しかも警察全体の厄介者の下に移動になった宮澤。
慣れない公安のやり方にあたふたしながら、つい一生懸命にやってしまう、なかなか愛すべきキャラ。
唯一の上司、頭がおかしい椿警視は奥田英朗さんの描く精神科医、伊良部を彷彿させる。
北朝鮮工作員によるテロは本当に起こるのか起こらないのか、椿は頭がおかしいのか何かとんでもない事を企んでフリをしてるだけなのか。
500ページを超える本だけど飽く事なく読んだ。
酒乱だけど呑まないと理想の彼女、椿家の執事、おばあちゃん活動家と、周りの人達もすごくいい。
結局どうなるのかと思ってたらこう来たかー!っ -
Posted by ブクログ
2015年上半期の直木賞候補にあがった作品だ。
「アンタッチャブル」とは、なんとも不思議なタイトルだが、
「触ってはいけない」という意味だという。
なるほど。作品内容はまさしくタイトル通りだった。
主人公である警視庁捜査一課の宮澤は
事故を起こして警視庁公安部外事三課へ異動命令がだされた。
上司は公安の「アンタッチャブル」。
かつては将来の警察庁長官と有望視されていたのに、
妻の浮気・離婚を機に、
「頭がおかしくなった」と噂されている椿警視だ。
宮澤の本当の使命は、椿の行動を監視・報告することだった。
捜査一課の「落ちこぼれ」と公安部の「アンタッチャブル」。
憎めない凸凹コンビが、爆破テロ事