馳星周のレビュー一覧

  • 光あれ

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    敦賀の原発問題を背景にその地で生きる徹の中高時代〜30代までの生き様を描く。閉鎖的な土地で流れに任された知人/友人の死、女性との関係の中でもがき、諦めて行く人生が寂しい。女性遍歴は、旧友事故死後の妻との関係でその妻が自殺、それが原因での離婚はきつい。徹は、最後に何を悟り、何を糧に生きるのかな?

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    2015年08月14日
  • アンタッチャブル

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    馳作品だからものすごぉ〜〜くハードボイルドかと期待したら、ハートポイルドか?(笑)と思うほど拍子抜け(笑)
    何考えてるんだかわからない椿氏はまるでバチスタシリーズの白鳥氏かと思うくらいのよくわからない人物(笑)
    その椿氏に振り回される宮澤が可哀想すぎる(笑)

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    2015年06月28日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    襞に突き刺して気持ちいい。
    あれから健一は強くなった。
    やたらとちんこばかり攻撃するのは反則。

    ああ、だから鎮魂歌なのよね。

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    2015年06月18日
  • 漂流街

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    馳星周って不夜城以降、どーも人のグロ臭さがだけが目に付くイメージだったんだけど、展開も人物設定も設定の作り込みを含め、アタマん中が痺れた。すげー面白かった。個人的にひさびさの大ヒット作だわ。不夜城以上に面白かった。この作風は、馳星周以外に描ける作家は居らんだろうな。

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    2015年03月20日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    面白かった。
    今回の主人公は秋夫と滝沢だと思うのだが、2人とも最後には死んでしまう。
    やん爺と健一の2人が狂言回しみたいな立ち位置か。
    話にどこまでも裏があって面白い。

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    2014年10月05日
  • 殉狂者 下

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    ETAに身を置き、テロリストとなった吉岡良輝と吉岡とマリアの息子アイトールの数奇な運命…テロリズムに人生を翻弄され、斃れていく人びと…

    1970年代を舞台にした吉岡良輝の物語と2005年を舞台にしたアイトールの物語が、同時に終わりを告げるとともに30年間の大きな謎が明らかになる。

    なかなか面白い構成であり、壮大なドラマを秘めたノワール小説である。読後は、遣る瀬無い思いと喪失感に包まれる。

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    2014年09月28日
  • 殉狂者 上

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    『エウスカディ』の改題、文庫化。

    1971年、スペインとフランスの国境のバスク独立を目指す過激派組織ETAに派遣された日本赤軍の吉岡良輝。2005年、自分の父親がテロリストであることを知る吉岡の息子、アイトール・ヨシオカ・アランダ。過去の亡霊がアイトールの背後に忍び寄る。

    馳星周としては珍しく、海外を舞台にしたノワール小説である。父と息子の時を超えた邂逅と謎が複雑に絡み合い、なかなか真相が見えて来ないせいか、少しもどかしさを感じる。

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    2014年09月28日
  • 光あれ

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    読後、棄民と云う言葉の意味を考えた。

    国から捨てられた人。

    故郷を捨てざる得ない人々。

    帰る場所を失った人。


    故郷に心を踏みにじられた人。

    気が付いたら生贄になっていたと感じる人。


    何もかも失ってもそこで生きていかなければならない人々だって棄民かも。

    何かと引き換えに心を売り渡した人。

    思考を放棄した人。

    放棄させた奴ら。
    棄民を作り出したような連中が勝ち組と持てはやされる。

    目を背けて生きていく。
    気付かないふりにも慣れてる国民。
    自由より甘い服従。

    光射すは誰の使命なんだろうか。

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    2014年09月03日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    ネタバレ

    泣きました。犬の話は涙なしにはムリだわ。心を覆う鎧がバラバラになって、魂が剥き出し、無防備になるから。
    馳星周という作家はずっと前から知っていたが食わず嫌いで読んだことなかった。同郷で年も近いというのも、読まなかった理由のひとつだったのかもしれない。
    朝、公園をランニングすると何匹の犬たちとすれ違う。飼い主と犬は表情だったり雰囲気が似ていて微笑ましい。朝から、心まで美味しい空気に満たされるのだ。
    今のマンションで犬を飼うことは禁止されているので、この本を読んで、余計に犬が愛おしくなる。

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    2014年07月22日
  • 煉獄の使徒(下)(新潮文庫)

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    某新興宗教団体をモチーフにした群像サスペンス後編。ハルマゲドンや非合法活動、サリン散布計画等、どこかで聞いた記号がもりもり。金と欲と権威と死の連鎖が、煉獄のカタストロフィを彩ります。新興宗教も国家権力もコワい。この作品、ゴイスー。

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    2014年06月29日
  • 美ら海、血の海

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    日本で唯一地上戦となった沖縄。
    沖縄線では兵士、島人関係なく銃撃を受け、多くの人が命を落とした。
    また日本兵は島人より食料や壕を奪った。
    そして生き残った島人たちもお互いにそうするしかなくなっていく。
    みんな生きることに必死だった。
    戦争は人の命だけでなく、心までも大きく蝕んでしまった。
    憎しみを生み、残酷さを露にさせた。
    沖縄には深い哀しみがあることを、私たちももっと知るべきだ。

    2014.6.29

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    2014年06月29日
  • 光あれ

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    原発に支えられた町で生まれ育ち、そこから離れられない主人公。原発があることへの不安や不景気の中、寂れゆく地方都市に暮らす人達の鬱屈さがよく書かれていた。どこにでもいそうな男の物語だけれど全く退屈せず一気に読めた。今後の馳星周作品にも期待。

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    2014年06月27日
  • 光あれ

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    原発以外何も無い田舎街で生まれ育った男の人生。珍しく殺人暴行ヤクザ悪徳警官無しの物語。著者にしては刺激が少ない内容なのにグイグイ引き込まれるのは、自分はおそらく主人公の生き方に感情移入してるからではないだろうか

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    2014年06月10日
  • 光あれ

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    最近の馳星周の小説は明らかに変貌した。以前は、今…この瞬間に視点があったが、『美ら海、血の海』や本作では、遠くを見つめるような、未来を見つめるような視点に変わってきている。

    錆びれゆく地方都市、駿河を舞台に相原徹の今と過去を行き来し、希望と現実が描かれる…

    何度、哀しく、辛い別れが描かれたのだろう。友人の死、浮気相手の死…救われない現実の中に微かな光が見える。

    ピカレスクを期待する読者には物足りなさを感じたかも知れない。

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    2014年02月08日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    タイトルから魂で繋がれた義兄弟が歌舞伎町で大暴れするような内容を想像してたんだけど、全然違って感動系の犬の話だった。短篇集なんだけど、いつどこでバイオレンス炸裂な短編が出てくるかと思うと油断はできない。ボルゾイ出てきた時は愚鈍な人間どもを狂ったボルゾイが殺戮するストーリーを予想したけど全然違った。だがまだわからんぞ。いつ猟犬やらが出てくるか。。。。などと考えながら読んだけど、結局そういう展開は無かった。どれもちょっと傷ついたようなうまく生きられないような人達が犬達に少し癒やされたり一緒に泣いたり笑ったりするような、素敵な話が多かった。犬と暮らしてみたくなったけど、この本で何度か描かれた別離も必

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    2013年12月13日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    ネタバレ

    「魂の伴侶」ソウルメイト

    犬と人間の7つの短編集です。

    好きだったのは、離れて暮らす父親の元に、暴れん坊のジャックラッセルテリアのボスとなるためにひと夏を過ごす少年のお話。
    そして最後のバーニーズマウンテンドッグ、不治の病に冒された飼い犬を看取る夫婦のお話です。

    そうか、言葉を持つ人間同士より言葉を介さない犬が人間の心をを理解してくれるのか~。

    たくさんの犬のこころが見えてくるような短編集でした。

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    2013年11月06日
  • 弥勒世 下

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    弥勒世(みるくゆ)とは仏教用語にて神々に祝福された豊穣の世界の事。舞台は返還以前の沖縄。特徴は沖縄に纏る史実の裏に隠された県民の心の闇、葛藤を主人公の新聞記者を通して忠実に再現した事。改めて沖縄はかつて琉球王国であったという事を強く感じいる。筆者得意のノワール文学と相まって最後まで強く引き込まれました。

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    2013年11月02日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    ワンちゃん好きな人はぜひ読んでみて欲しいですね。ワンちゃんの寿命は、短いですよね。別の本に書いてありましたが人間の目を見て、目だけで通じるのは犬だけらしいです。

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    2013年10月07日
  • 美ら海、血の海

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    何を 
    何を言葉で表せばいいのだろう。
    どの感情が私の中には流れているのだろう。

    言葉が、一つ一つが、
    重く、何かを残していく。
    しかしこれは生きた声ではない
    「字」を通して伝えられたものだ。
    しかしこれはフィクションではない
    「字」を通して人から発せられた生きた言葉なのだ。

    矛盾しているだろうか。
    これが戦争を知らない
    私達に必要な体験なのだとすれば
    私達は避けずに受け止めなければならない。

    でも、
    でも…
    受け止めた後、その後
    どうしたらいいのかがわからない。

    確かにそこに現実があった。
    しかし私の今、目の前にはない。
    確かにその場所は今もある
    けれどそれはもう違う場所となっている

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    2013年09月30日
  • 煉獄の使徒(下)(新潮文庫)

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    しんどい
    だれもが自分を守ることばかり考えている
    でもすべてを否定できない
    悔しくも、苦しくも飲み込んでしまうだろう状況を理解してしまう

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    2013年08月31日