あらすじ
第153回(2015年上半期) 直木賞候補作
警視庁公安部の「アンタッチャブル」と捜査一課の「落ちこぼれ」コンビが巨大テロ脅威に挑む。馳星周の新骨頂、ファン待望の公安エンターテインメント!
容疑者追跡中に人身事故を起こした捜査一課の宮澤に、異例の辞令が下った。異動先は警視庁公安部外事三課。上司は公安の「アンタッチャブル」―― かつては将来の警察庁長官と有望視され、妻の浮気・離婚を機に、「頭がおかしくなった」とうわさされている椿警視。宮澤に命じられたのは、椿の行動を監視・報告すること。椿とともに、北朝鮮のスパイと目される女の追跡をはじめるが......
疾走するストーリーに、一筋縄ではいかない人物たちが次々登場。
数多のトラップ、ラストの大どんでん返しまで一気読み必至のコメディ・ノワール!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
帯にある馳星周版「相棒」というのは言い得て妙かも。この人はなんなんだ? という椿と左遷されてきた部下の宮澤の公安エンタメ。面白いところも沢山ありつつぐいぐいと読み進ませる推力もあり面白く読み終えることができた。オススメできます。
Posted by ブクログ
奥田英朗の伊良部(医者)と重なる主人公の公安元キャリアの椿警視と平凡な宮澤コンビが織りなすおとぼけ小説。最後は、もしかして??と。。でもその想像を超えた結末でおとぼけが確信的な椿の人格に驚いた。
Posted by ブクログ
いわゆるエンターテインメントって感じなのかな。でも暗い過去とか復讐とか麻薬とか血とか、そういうのがいつ出てくるんだろうと思ってたらちっともなくて(まあ復讐はあるにしてもなんかテイストが違う)、馳星周節みたいなものを期待して読むと肩透かしを食らうというか「こんなんじゃない!」になっちゃうんだろうな。こういう小説と思えば面白く読めたけど、それって逆に言えば馳星周じゃなくてもいいんじゃない?ともなっちゃうけど・・・でも、ホント、テンポいいしキャラも立ってるし、素直に面白かった。
Posted by ブクログ
花形の捜査一課にいたのに、事故を起こして全く畑違いの公安、しかも警察全体の厄介者の下に移動になった宮澤。
慣れない公安のやり方にあたふたしながら、つい一生懸命にやってしまう、なかなか愛すべきキャラ。
唯一の上司、頭がおかしい椿警視は奥田英朗さんの描く精神科医、伊良部を彷彿させる。
北朝鮮工作員によるテロは本当に起こるのか起こらないのか、椿は頭がおかしいのか何かとんでもない事を企んでフリをしてるだけなのか。
500ページを超える本だけど飽く事なく読んだ。
酒乱だけど呑まないと理想の彼女、椿家の執事、おばあちゃん活動家と、周りの人達もすごくいい。
結局どうなるのかと思ってたらこう来たかー!って感じ。
面白かった。
読むべし!
Posted by ブクログ
2015年上半期の直木賞候補にあがった作品だ。
「アンタッチャブル」とは、なんとも不思議なタイトルだが、
「触ってはいけない」という意味だという。
なるほど。作品内容はまさしくタイトル通りだった。
主人公である警視庁捜査一課の宮澤は
事故を起こして警視庁公安部外事三課へ異動命令がだされた。
上司は公安の「アンタッチャブル」。
かつては将来の警察庁長官と有望視されていたのに、
妻の浮気・離婚を機に、
「頭がおかしくなった」と噂されている椿警視だ。
宮澤の本当の使命は、椿の行動を監視・報告することだった。
捜査一課の「落ちこぼれ」と公安部の「アンタッチャブル」。
憎めない凸凹コンビが、爆破テロ事件を追うことに・・・。
北朝鮮のスパイと目される女の追跡をはじめるが.
宮澤にはこのネタ自体が椿の妄想だと思われて仕方が無い。
アンタッチャブルな椿に振り回される毎日の中で
宮澤は自分がおこした事故で
植物人間状態になった浅田の見舞いを続けていた。
浅田の娘千紗を憎からず思っているのに、気まずい仲だった。
ある日、ふとしたことで男女の中となり、以来、千紗は宮澤に首ったけ。
酒乱で淫乱な千紗だが、普段は良妻賢母の見本のような女性だった。
宮澤もそのうちに本気になりだすが、
陰で2人の中を操っているアンタッチャブルな奴の存在を見抜けなった。
千紗をもまきこみ、椿が案じる爆破テロ事件が本格化して・・・。
頭のいかれたアンタッチャブルな椿の存在がなんとも面白い。
もちろん、何をするのかわからない、という意味でだが。
それに加えて、
最初の印象と180度変わってしまう、千紗の存在。
最初は宮澤に対して
「父」を植物人間した犯人という憎しみを持っているのに、
酒を飲むと淫乱になり、一度関係ができると宮澤にベッタリとなる。
ここまでべた甘のかわいい女になってしまうのにはあきれたが、
それでもこれがまた、笑えるのである。
かなり長い作品だが、ラストまで一気読み!
ハードボイルドというよりも、なんともユーモラスな警察小説だった。
警視庁のアンタッチャブル・・・。
きっと現実にもいるのだろうなあ。
Posted by ブクログ
直木賞候補作。(受賞作は『流』)
北の工作員を追っていく警察ものだったので、横山秀夫のイメージで読み出したら、全然違ってた。
イメージ的には奥田英明の伊良部先生。
軽いんだか重いんだか良く分からない間に終わってしまった感じ。
読みやすいことは間違いない。
Posted by ブクログ
椿さん、恐ろしいです。狂人と天才は紙一重なのかも。渡会執事のMな性格を忘れなければストーリー後半で結末が解ったかもと思いました。
それにしても主人公かわいそうでした(笑)
Posted by ブクログ
馳作品だからものすごぉ〜〜くハードボイルドかと期待したら、ハートポイルドか?(笑)と思うほど拍子抜け(笑)
何考えてるんだかわからない椿氏はまるでバチスタシリーズの白鳥氏かと思うくらいのよくわからない人物(笑)
その椿氏に振り回される宮澤が可哀想すぎる(笑)
Posted by ブクログ
頭の良い精神病患者が主人公の人生を弄ぶ話
警視庁公安部に触れてはイケナイ男がいる
親の血筋とキャリアと人を様々な方法で従え
る能力を躊躇なく動かす外事三課特別事項捜
査係係長椿警視は・・・妻と離婚したことが
心に傷を与え虚構の世界に生きるポンコツと
なってしまった、このポンコツは陰謀を駆使
して政敵を罠に嵌めますのでご注意を
Posted by ブクログ
読んでいたら何が本当で何が嘘なのか分からなくなりました。
最初は違和感が強くて話に入れ込めなかったです。
でも途中からは引き込まれてしまいました。
第二弾があるので今度読んでみるつもりです。
Posted by ブクログ
公安のアンタッチャブル・椿と捜査一課から左遷してきた宮澤とのコンビの活躍?を描いたコメディでしょうか。椿の奇抜な発想、執事曰くジキルとハイドのような行動からテロを追い込んでいく…結局、最後は公安の上層部を追い出すための椿のでっち上げだった。もうひと盛り上がりあるかと思ったが、終始 椿と宮澤とのドタバタ劇でした。馳星周は何作かよんでいるが、いつものバイオレンスではなく、新鮮な感じでした。
Posted by ブクログ
公安を舞台にしたサスペンスコメディ。
馳さん初読みです。
亡くなった船戸さんバリのハードボイルドノワール小説を期待したが、本作はテロやスパイといったサスペンス要素はあるものの、基本はコメディでした。
物語自体は、仕組が多重になっていて真相を追求していくことでスピード感もあり、ノリも軽いので読みやすく、面白かったです。
ただ、作者の表現したいことがよくわかりませんでした。
Posted by ブクログ
すっかりご無沙汰していました馳先生の作品。ずいぶん雰囲気が変わっていました。ストーリーは、面白いと言えば、面白い。でもちょっと物足りなさもあります。
Posted by ブクログ
公安の2人が主人公だから、ひたすら尾行したり監視したりでちょっと飽きちゃいました。登場人物たちは個性的なのに魅力がなくて残念。でもさくさくと読めました。
Posted by ブクログ
公安の窓際に左遷された元刑事が、元エリートであり現在は公安のアンタッチャブルな存在の上司に振り回され、テロとおぼしき事件を追っていく。途中からは事件の進む方向が見えていたけれど、劇画的なキャラクターも愉快で、思いの外面白かった。
大柄で旺盛な食欲、とてつもないお坊っちゃまで頭脳明晰、でもズレているという上司は、読み始めてすぐにその特異な存在が奥田英朗の伊良部を連想させた。他の方のレビューを見たら、同様の意見が多かったようだ。あのシリーズが大好きな私には、本作のほうが少しくどくてもういいよと言いたくなったけれど、笑いのツボは合っていた。
でも、どうやら今までの作品とは毛色が違うようで。じつはハードボイルドなイメージが強く、今まで敬遠していた作家で、初読み。順序は違うけれど、他のを少し読んでみようかな。
Posted by ブクログ
刑事から公安に移ってきた宮澤と公安のアンタッチャブルこと椿の妄想の世界。警察小説でお馴染みの組織の確執に加えて執事やツンデレと流行りの要素を詰め込んでいる。都合よい事この上なく、エンタメ性は認めるものの、警察小説の背説得力はない。
Posted by ブクログ
新聞の書籍紹介コーナーで発見して読んでみました。
馳星周作品はヤクザ物を少し齧った経験がありましたが、今回は公安物で、同じ警察でもテレビドラマなどで馴染み深い刑事物とは違って独特の世界だった。
ストーリーは主人公と同時進行で謎を解く面白さで、ラストに向けて一気に引き込まれました。
ただ、もしもこれが映像化したら…、と考えた時、これといって俳優さんが浮かばずに、本としては楽しめたがキャラがいまいち私の中では光らずじまいだった。
Posted by ブクログ
どんでん返しの面白さはあるが,主人公たちに魅力がないのがあえて公安への抗議と考えると,なるほど納得だ.こういう公安内部での駆け引き,足の引っ張り合いに無駄に税金が使われていくのだと,読んでいて腹が立った.執事と共産党の節子さんの恋愛だけは微笑ましかったです.
Posted by ブクログ
説明に繰り返しが多いと思ったら、新聞連載ものなんですね。単行本にする時に整理しろよって云いたい。ただ、文章は読み易いので、ページの厚さほど読むのは掛からない。話は悪くはないんだけど、そんなに私は好きになれなかった。最後、ちょっと長く読んで損した?って気持ちも少し。読後感が爽やかにならない本でした。
Posted by ブクログ
馳星周は久々に読んだ。ハードボイルトや警察小説というよりコメディ(オフビート)に近い。
公安内部の確執、北朝鮮スパイのテロ容疑というメインのストーリーはしっかりあるし、その狙いは?と言う点でラストまで読ませはする。しかしこのオチはどうだろうか?ドタバタとしてはアリだろうが現実的には…?
まあ、それを言えば主人公の設定からして規格外。意味のないヒロインとの絡みやH描写も退屈だし、しつこいぐらい繰り返される主人公の性格描写も冗長。
と思ってたら連載小説。なるほどならば仕方ないかも。
キャラは立ってると言えば立っているので続編もありそう。
ただガチガチのハードボイルトを期待してたら外れる。