馳星周のレビュー一覧
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ネタバレ犬は死にません、そこは本当によかった。
終始、霧子にイライラした。この世のなによりも金が大好きな美人の売女、それ以上でもそれ以下でもない、勝ち気なトラブルメーカー。まぁトラブルがないと物語は始まらないから仕方ないし、霧子がいたからこの小説はとても楽しめた。ホントにムカついた、それくらい物語に入り込めたし臨場感があり、心が揺さぶられた。主人公の大樹はすごく美化されてるけど、結局半グレみたいな奴でカッコつけたダサいハンパもんじゃないかと冷めた目線で見ちゃう。ただ大樹もこんな逃亡生活がずっと続くとは思っていないって考えているようだった、意外と現実を見てる。犬が害されるととにかく主人公がブチギレるのよかった! -
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登山を生き甲斐にする男たちは自分たちを山屋と呼ぶ。仕事も家族も捨て置いて山に全てを捧げるかのように生きる。登山を趣味としないでも、そういった生き方に憧れる気持ちがある。山岳小説を好きな理由はそんなところか。そこは本当に生きるか死ぬかの瀬戸際にいるからこそ、本当に信頼できる友人がいたり、純粋な気持ちからの愛情があったりする。
山岳ミステリーをたくさん読んでいる訳ではないが、雪に覆われた山陵をひたすら登る、滑落して生死の境に追い込まれる、似たような設定があるなあと思いつつも今回も引き込まれた。全く山を登ったこともないのに、この臨場感はどういうことか。よくわからない専門用語も現場の厳しさを映し出しているかのようだ。著者は自分でも山に登ってその体験から小説を書いているという。そういう話はまあどうでもいいようだけど、それだからのリアリティか。
直木賞受賞作がちょっとという感じだったが、これは読んでよかった。でも雪山に挑もうなんてことはまったく思わない。 -
Posted by ブクログ
母の急死をきっかけに白老を飛び出し、函館で宮嶋が仕切る密漁で稼いでいる神野大樹。
一緒に暮らすボーダーコリーの老犬・ジリは、密漁の見張り役を務めている。
ジリが体調を崩し、中国の禁輸政策で密漁も出来なくなり、振り込め詐欺の手伝いを…と言われていたが、大樹はジリのそばで介抱したいと。
宮嶋の情婦である犬好きの霧子が、大樹とジリに頻繁に会いに来るようになり…。
北海道中を大樹とジリと霧子は逃げる。
ジリの身体の状態もよくないなかで、ただひたすら一緒にいる時間を少しでも長く…と思いながら生活するのはどんな思いなんだろうかと。
大樹とジリとだけなら穏やかに過ごせていたのかもしれないが、霧子と出会うことで運命は激変する。
それでも霧子を無下にすることなく助けるのは愛なのか…と。
死を覚悟しながら生きているのは切なく苦しい。
そして、悲しい。