馳星周のレビュー一覧

  • 夜光虫

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    正義を押しつけて人の気持ちを踏みにじる俊郎が嫌い。夫が殺されたのにその友人にさっさと乗り換えて被害者づらする麗芬が嫌い。
    善人に見えてもどいつもこいつも身勝手。悪人に見えるやつはさらに深い業を抱えていて救われない。
    結局だれ一人、主人公の味方はいなかった。
    だれもが主人公を騙し、利用しようと思って近づいてくる。

    「しらを切れ、ごまかせ、丸め込め」「あいつを殺せ、黙らせろ」
    いつの間にか主人公・加倉の声が聞こえてくるようになる。
    加倉の激情に任せて書き殴ったようにみえて、緻密に構成された物語。

    終盤の疾走感と、誰もいなくなった後の絶望と孤独。それでも逃げなきゃいけない焦燥。
    こんなに主人公に

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    2010年05月25日
  • マンゴー・レイン

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    馳星周作品は割と好きで読んでいるが、なかなか面白い!登場人物があまり多くなくしかし裏切りの連続だったり…話がバンコクという自分が行ったことのある場所のせいか、割と話の背景が想像できてスピード感がありとても楽しく読めた作品。

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    2010年04月10日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    不夜城シリーズ三部作での最高傑作!
    ふつうシリーズものって1が結局一番面白いって思うんだけど、これは違ったなー。
    ぐじゃぐじゃのどろどろで、わけわかんなくなってしまいそうなどす黒さ。
    空洞と悲しみと憎しみと、まぜまぜになって真っ黒な新宿。
    すばらしかったです。

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    2010年02月07日
  • 夜光虫

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    主人公の末路が何とも。。。
    馳星周の描く世界は現実の自分が置かれている環境とは180°違う世界。
    それゆえに惹かれる(没頭できる)のだろうか?

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    2009年10月04日
  • 生誕祭(上)

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    スキだね。
    すごいスキだと久々にさけびたいくらい。


    舞台はバブル期なんだけれども、そこで繰り広げられる
    土地をめぐる命とかお金とか女とかプライドとかすべてを
    ひっくるめた感じで、時代の切迫感がたまらなく酔えた。
    馳星周のお決まりのパターンでアンダーグラウンドな人間が
    わんさかでてくるのかと思いきや、以外に(笑)一般感覚に近い
    もしくは、以前は一般感覚だった人間が多かった。

    昔、某ソフトウェア会社の代表が倒産後に語ったコメントで
    『金があるとね、もっともっと欲しくなるんですよ』
    というのがあるのだが、なんかものすごくわかる気がした。

    ラストの美智雄のポジティブさには笑った。
    でも、このぐ

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    2009年10月04日
  • 生誕祭(上)

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    馳星周、初挑戦の小説。

    いやもうこれはすごい。

    読んでいてどんどんその世界にひきこまれていく、
    やめられない。
    やっぱり、「上」「下」は嬉しい。

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    2009年10月04日
  • 虚(うつろ)の王

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    主人公“隆弘”の数日間が、文字通り駆け抜けるように描かれている…ページを繰り始めると止まらなくなり、一気に通読してしまった…

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    2009年10月04日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    名作・不夜城の続編。
    前作を遥かに凌ぐ極悪なストーリー。
    個人的には、馳作品の中でも屈指の完成度だとおもた。

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    2009年10月04日
  • 夜光虫

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    展開の速さ、文体の歯切れの良さ、余分な描写のなさ、そして物語の構成の緻密さ。どれをとっても素晴らしい。

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    2009年10月04日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    不夜城の続編。本作では前作の主人公である健一は主演ではなく助演といった役どころである。しかし話はやはり健一を中心に回る。歌舞伎町の暗部を描いた第二作目。

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    2009年10月04日
  • マンゴー・レイン

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    不夜城シリーズも好きなのですが、コレも!登場人物の絡みが面白いんですよ…。次にどうなるか分からない感じとか。雰囲気とか。

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    2009年10月04日
  • アンタッチャブル

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    重いのか軽いのか絶妙の犯罪もの。椿がホントに頭おかしいのか、計算なのか。気になるけど続編があるようなので答えを期待。

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    2025年12月20日
  • 煉獄の使徒(下)(新潮文庫)

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    物語は、新興宗教〈真言の法〉を立ち上げた教祖・十文字、その教団運営を取り仕切る弁護士の幸田、18歳で十文字に傾倒し出家した青年・太田、そして左遷された公安刑事・児玉。
    彼らそれぞれの視点を往復しながら、教団と社会が不可逆的に崩壊へ向かっていく過程を描いていく。

    宗教組織としての基盤は、教祖の薬物中毒、選挙活動への介入、弁護士一家殺人事件など、すでに脆く揺らいでいる。
    そこへ、教団を資金源として利用する警察官、その資金を上納させる政治家が絡み合い、権力者たちは自らの都合で教団をコントロールしようとする。
    しかし、教祖の反社会的な意識は次第に狂気を帯び、物語はあのサリン事件へと突き進んでいく。

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    2025年12月16日
  • 煉獄の使徒(上)(新潮文庫)

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    カリスマ教祖"十文字源皇率いる、〈真言(マントラ)の法〉。弁護士・幸田は侍従長の高位にあり、外界との交渉を担っている。組織に罪を背負わされ失脚した児玉警部補は、この新興教団に目をつけた。ここは金のなる木だ、と。両者の間に奇怪な盟約が結ばれる。教祖が敵対する弁護士の殺害を命じたとき、黙示録の扉は静かに開かれた――。欲望と狂気に憑かれた男たちを描き切る、群像サスペンス。

    この作品は長編すぎて、とてもレビューできそうもないので、まずは書籍の紹介をお借りします。

    紹介文にあるように、本作は明らかにオウム真理教を思わせる設定で進む。もとはヨガ教室にすぎなかった新興宗教が、どのようにして信者

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    2025年12月15日
  • 雨降る森の犬

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    寄り添うものとしてそこにいるペットではなく、意志を持ち家族でもある犬のワルテルなしでは成り立たない物語だった。後半一気に物語が展開していく中で、正樹と雨音の成長に安堵しつつ、やはり涙した。

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    2025年12月11日
  • 不夜城

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    馳星周のデビュー作。僕がノワール小説にハマるきっかけとなった作品です。

    新宿歌舞伎町舞台に、台湾マフィア、北京マフィア、上海マフィアの勢力争いを描く。主人公の劉 健一は、日本と台湾のハーフで、歌舞伎町を知り尽くした一匹狼の案内人。卓越した情報収集能力と知恵、狡猾な罠を駆使して、巨大で超暴力的な中国マフィアたちの間を立ち回る姿がとにかくかっこいいんです。96年の刊行ですが、今読んでも古臭さは感じないと思います。

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    2025年12月07日
  • 少年と犬

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    犬の持つ力というのが小説の中で描かれている作られたものではなく本当にあるのではないかと思いました。
    それぞれの人間の人生模様が犬(多聞)を通して描かれており幸せとは何かを考えさせられる小説でした。

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    2025年12月07日
  • 飛越(ジャンプ)

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    競馬はホント興味ないんだけど、ぐいぐい引き込まれて読んでしまう。馬はかわいいしね。前作みたいに軽いタッチのものよりこういう真面目?なものの方がいいな。ただ、いろいろライバルとしたかったのかもしれないけど、恋の鞘当てというか、そこはなんか違うって感じがした。

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    2025年12月03日
  • 少年と犬

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    出会う人々の局面を知っているかのように現れる多聞。
    それぞれが孤独を抱え、その寂しさを多聞が埋めていく。実際、私自身犬を飼っているのでわかるが、犬には不思議な力がある。特に人の気持ちを汲んで行動するという点ではいつも感心させられる。引き際を知っていた多聞は、人を選んで近づいていたのだろう。5年という年月をかけ、たどり着いた会いたかった人。そして守りたかった人。多聞は出会う人にまるで神様からの贈り物のようだと称されるが、この小説の最後に、その言葉の意味が込められている気がする。

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    2025年11月23日
  • 北辰の門

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    平安時代に最盛期を迎える藤原一族。彼らの成り上がりを描くシリーズ3作目の主人公は藤原仲麻呂。祖父・不比等譲りの才覚、他人を敵と味方にはっきりと区分する非情さ。徹底した合理主義を持ち、天皇も凌ぐ絶対的な権力を追い求める。

    一方、仲麻呂と対照的に描かれるのが阿倍内親王。権力よりも、女としての平穏な人生を夢見る。が、母親の光明皇后と仲麻呂の重圧が彼女を苦しめる。人生をあきらめていた彼女だが、母の死と僧・道鏡との出会いをきっかけに自立し、仲麻呂に正面から立ち向かう存在へと成長する。

    最高権力者になったはずの藤原仲麻呂だが、その没落も早く、その最期は実にあっけなく、あっという間だった。結局は人情のな

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    2025年11月06日