馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ途中は長いなと感じたけど、読者に媚びない書き方が私は好きだったし読みやすい、感情移入しやすかった。自然なカキカタなのに、ドキドキハラハラした。
人間の前面に出てしまう欲望。でも、誰もが持つ奥底にある優しさ。身勝手さ、愛情。
終わりも淡々と終わっていって当たり前のことだと言わんばかりの淡々ぶりだった。
犬は人より寿命が短いというけれど、決してそうは言い切れないなと感じさせられた。そして、運命ははなから決まっている、と。ただ、何かの縁で、後押しでそれは変わることができるのだということも言っているような気がした。
とにかく、動物、犬の力はすごい。 -
Posted by ブクログ
馳星周は、犬と馬を書かせたら最強に面白い。
主役犬は、バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテル(牡)。
この犬が、めっちゃ可愛い!
主人公の女子中学生・雨音を従えて歩く姿とか、想像できてしまう。
やはり馳星周は描写が抜群に上手い。
山頂から眺める雄大な景色や、雨の落ちる様子、森の匂い、犬の目に浮かぶ感情も、ちゃんと読者に伝えてくれる。
そして今作は何よりも、道夫の料理がどれも美味そうなのだ。ソーセージとキノコのニンニクパスタも、ハムカツチーズカレーも、コーヒーもワインも、いちいち美味そう!
そう、これは「山岳グルメ犬小説」なのだ。
そりゃあワルテルだって、よだれダラダラだろうさ。
実際に -
Posted by ブクログ
かつて人だったもの達のゴミが不快この上ない。そんな言葉が印象的だった小説。
不幸を、戦争を、90歳になる私の祖母は何も話してくれない。機関銃で指先を無くし、マラリアの後遺症で毛の一本も生えなくなってしまった祖母は、過去を語ろうとしない。思い出すことさえ憚れるのだろう。
それでもいつだったか、私が確か小学4年生の頃に戦争について作文課題がだされた。その時に一度だけ聞いたことを覚えている。
目の前で幼かった弟の体が弾け飛び、下半身だけが地面に立ったまま残っていたこと。
マラリアに罹患した時、家族に迷惑をかけぬよう、自ら死体置き場に向かおうとしたが、肉の削がれた足では歩いけず、悔しい思いをした