馳星周のレビュー一覧

  • 神の涙
    日本の政治にこっちを愚弄してる、なんてグロテスクなことをするのか、と憤りを抱えているが、カムイの考え方で生きていきたいという気持ちになった。すごく良かった。
  • 少年と犬
    多聞の旅を見ていると同時に、様々な人の人生を垣間見ることが出来る素敵な作品でした。昔飼っていた、心優しい愛犬を思い出し思わず涙。子どもの私が悲しんでいればいつでも慰めてくれる子でした。でも自分の体調不良はギリギリまで悟られないよう元気に振る舞っていましたね……。ようやく気づいた時には末期の癌で、随分...続きを読む
  • 月の王
    冒険活劇である。それもコテコテの昭和の……。

    舞台は太平洋戦争直前の上海。
    このところ現代作家が多くこの時代を描いていることから、背景にある世相はある程度知られているだろう。

    明治維新からの急激な文明促進による混沌のなか、熱病にうなされた日本
    清朝末期からの他国侵掠による威厳崩壊のなか、行く先を...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    犬と共に生活をしている自分からすると、こういった話にはとことん弱い!笑
    「人間は過去と未来に囚われて生きていて、犬は今、その瞬間を生きている。」
    「見返りなど求めず、家族を愛し、辛い時や苦しい時は余計な言葉をかけず、ただそばにいる。」
    「人が動物と暮らすのは別れの悲しみよりも一緒に暮らした幸せの方が...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    こんなに本で泣いたのは南極物語以来のような気がする。ワルテルが雨音を妙子から守るところ、そしてワルテルが逝ってしまうところ。涙がとめどなく溢れて、視界がぼやけて鼻が詰まってもう苦しかった。雨音は絵を描くこと、道夫と正樹は写真を撮ること、それぞれの目で見た景色をカタチは違うけどモノとして残すことにやっ...続きを読む
  • 少年と犬
    こんな感動話とは思わなかった。
    今生きているのが辛い人たちが犬と出会って癒される話かなって思ってた。
    でも3章目で飼い主が死んで、あれ、今まで飼ってた人たちみんな死んでね?って思ってからこわかった。
    そー思ってたけど死んでも癒しがあって犬と出会えて幸せだったらいいんじゃないかなって。
    5章目読んでこ...続きを読む
  • 北辰の門
    藤原不比等の「比ぶ者なき、」その息子たち4兄弟と長屋王の「四神の旗」からの奈良時代史第三弾!
    久々の作品も、何ともノワール感たっぷりで馳星周の世界に浸かることが出来た。満足です。
    そういえば、
    恵美押勝の乱って教科書に載ってましたっけ?
    女帝の孝謙天皇と道鏡の恋物語も必見。

  • 9・11倶楽部

    911

    戸籍が無い子供達。外国人でも日本人でも相当な数の無国籍者が日本に入ると言う。どうやって生きていけるのか?何故見ず知らずの子供達に深く関わりたかったのか?私には直ぐには解らないし、多分わかる日は来ない。切ない内容だった
  • パーフェクトワールド 下
     著者が沖縄を舞台にこんなノワール小説を書いていたとは知らなかった。「復帰」直前の沖縄で現状と将来に鬱屈を募らせていた若者と、「復帰」後の沖縄を骨までしゃぶってみせようと金儲けを目論む本土の政治家たちのコマとして使われていることを潔しとしなかった考案警察官の生が交錯していく、というストーリー。最終シ...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    いわゆる普通の家族と比べると、それぞれ何かが足りなかったり、問題を抱えているものの、山・森・空気・雨など自然に囲まれた立科で生活をするうちにお互い支え合っていることに気付き、成長していく。そしてそれを繋ぐハブとなる存在が、バーニーズマウンテンドッグのワルテルだ。
    人間達の状況や気持ちを機敏に感じ取り...続きを読む
  • 少年と犬
    多聞(たもん)という牡犬との物語。5つの物語。多聞の元飼い主は、阪神・淡路大震災の被害者で亡くなっていた。多聞は、一匹で旅に出る。いろいろな人と関わっていく心温まる話でした。光君を地震からの落下天井から守って死んでしまうけど、彼の使命は、それだったのだろうと思った。
    もっと昔から縁が繋がっていたこと...続きを読む
  • 少年と犬
    素敵でした。短編の連作ものとしてこういう感じのつながり方はかなり好きですね。
    主人公?多聞の賢さというか徹底ぶりがかなり素敵ですね。そしてそれを信用する完全に信用する各編の主人公たちの関係性。信頼感がかなり素敵でした。
  • ソウルメイト
    共感できる。
    本当にうまいなぁ、と思う。
    犬に限らず、猫や他の動物を好きで買ったことある人には共感できるところが散りばめられていると思う。
  • ソウルメイト

    ソウルメイト

    私も犬が大好き。私が好きだよと声、表情、態度で表せば犬もまたありったけの表現で返してくる。信頼すれば決して裏切らない。健気。しかし寿命は短い。10〜18年。いつか別れの日が来る。分かっているはずなのに考えたく無い。失った後の喪失感を味わってしまうと犬を飼うことができなくなった。
  • 神の涙
    良かった。泣いた。
    神(カムイ)の涙…そのタイトルの持つ意味がこの本の隅々まで行き渡っていると感じました。
    アイヌをテーマにした本は数冊読ませて頂きましたが、やはり自然に対して畏敬の念を持つ生き方に心をうたれます。
    本書160ページに書いてある熊被害の予測など、正に今問題になっている事。
    自身も現代...続きを読む
  • 神の涙
    "少年と犬"の作家さんの、アイヌをテーマにした作品。
    個人的にはこちらのほうが好きだった。
    少年と犬と同様に、東日本大震災が一部で関与している。

    アイヌであることを誇りに思う敬蔵
    アイヌであることから逃げたい悠
    アイヌであることを知り、アイヌのことを通して自分のことや生きる意味を見つけようとする雅...続きを読む
  • 神の涙
    章の区切りと前後半の悠とまさひこの回と読み易いと思うし内容が良いから止まらない 不夜城は未読で殺人バイオレンスホラーが読めない身体になってしまったので、読む事はないけど、きっとハラハラドキドキが続く物語なんだろうな、とはいえ推理小説しか読まず消えた巨人軍の西村京太郎はほぼ読んでいたけど、急に殺人を読...続きを読む
  • 雨降る森の犬

    雨降る森の犬

    素敵な本でした。私も犬や動物は好きなのでタイトルと表紙の絵に惹かれて読みはじまったのですが、犬の持つ癒しの力と言うか安堵感がとても伝わってきました。
    6年前に飼い犬を亡くしてから悲しみのあまり次の犬を飼うことができずにいましたが、また飼いたくなりました
  • 少年と犬

    少年と犬

    多聞はどこに向かっているのか?誰を探しているのか?
    迷い犬として出会った人々の心の傷に寄り添い癒しながら目的地まで辿り地いたのは…震災によって突然別れてしまった大好きな少年に会うために旅をする多聞。
    最後は少年に出会えて良かったね。少年の心の傷も癒やし守り抜いて死んでしまったけど多聞はいつも少年と生...続きを読む
  • ロスト・イン・ザ・ターフ
    葵や前島たちに競馬の伊呂波を習う。登場する皆が陽気でタフ。テンポが良く、安定感ある読み心地。彼らの突飛な台詞に噴き出すことも。人の温かみや馬の素晴らしさを十二分に味わえる物語。