馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
馳星周は、犬と馬を書かせたら最強に面白い。
主役犬は、バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテル(牡)。
この犬が、めっちゃ可愛い!
主人公の女子中学生・雨音を従えて歩く姿とか、想像できてしまう。
やはり馳星周は描写が抜群に上手い。
山頂から眺める雄大な景色や、雨の落ちる様子、森の匂い、犬の目に浮かぶ感情も、ちゃんと読者に伝えてくれる。
そして今作は何よりも、道夫の料理がどれも美味そうなのだ。ソーセージとキノコのニンニクパスタも、ハムカツチーズカレーも、コーヒーもワインも、いちいち美味そう!
そう、これは「山岳グルメ犬小説」なのだ。
そりゃあワルテルだって、よだれダラダラだろうさ。
実際に -
Posted by ブクログ
かつて人だったもの達のゴミが不快この上ない。そんな言葉が印象的だった小説。
不幸を、戦争を、90歳になる私の祖母は何も話してくれない。機関銃で指先を無くし、マラリアの後遺症で毛の一本も生えなくなってしまった祖母は、過去を語ろうとしない。思い出すことさえ憚れるのだろう。
それでもいつだったか、私が確か小学4年生の頃に戦争について作文課題がだされた。その時に一度だけ聞いたことを覚えている。
目の前で幼かった弟の体が弾け飛び、下半身だけが地面に立ったまま残っていたこと。
マラリアに罹患した時、家族に迷惑をかけぬよう、自ら死体置き場に向かおうとしたが、肉の削がれた足では歩いけず、悔しい思いをした